今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年11月20日(月) 「ドル円1カ月ぶりに111円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はロシアゲート問題や、金利低下を背景に下落。111円95銭までドル安が進み、1カ月ぶりの水準をつけ、ドルの安値圏で引ける。
  • ユーロドルは値動きが少なく、1.18を挟んだ展開。ドラギ総裁が講演でユーロ圏経済に自信を示したことで底堅く推移。
  • 株式市場は反落。前日180ドルを超える上昇を見せたものの、週末を控え、リスク回避の売りが勝った。ダウは100ドル下落。
  • 債券相場は上昇し、金利は低下したものの、引けにかけては元の水準に。
  • ドル安が進み、金は18ドルを超える上昇。原油価格も反発。
ドル/円 111.95 〜 112.68
ユーロ/ドル 1.1774 〜 1.1806
ユーロ/円 132.05 〜 132.85
NYダウ −100.12 → 23,358.24
GOLD +18.30 → 1,296.50ドル
WTI +1.54 → 56.68
米10年国債 ±0 → 2.343%

本日の注目イベント

  • 日 10月貿易収支
  • 独 独10月生産者物価指数
  • 欧 ドラギ・ECB総裁、欧州議会で公聴会に出席
  • 米 10月景気先行総合指数

ドル円は10月16日以来となる112円台割れをみせ、111円95銭まで下落しました。米長期金利が低下したことに加え、米大統領選へのロシアの介入疑惑を捜査するモラー特別検査官のチームが、トランプ陣営の関係者に対し、文書の提出を求める召喚状を10月半ばに送っていたと米紙が報道したことが嫌気され、ドル売りにつながっています。(ブルームバーグ)

株式市場でも、前日180ドルを超える上昇をみせ、調整を終えたかに見えたダウは100ドル下落し、荒っぽい値動きを見せています。また注目されている税制改革法案も、上院の動きに移りつつあります。下院とは異なる独自の税制改革案の修正案を可決したことで、今週行われる本会議での議論が注目され、依然不透感は払拭できていません。

ドル円はこうした材料から円買いが強まり、111円台まで円高が進んだものです。足元の動きは、114円台はおろか、113円台さえ重い展開になってきました。日米とも株価の値動きは荒く、1日の値幅も大きい取引が続いています。既に見られるように、ドル円は株価の下落時には素直に円高で反応し、上昇時の円安への反応は限られています。カギはやはり米金利と見られます。

米10年債利回りは2.3%台で推移しており、やや低下傾向にはありますが、それでも9月に見られたように2.05%台まで低下する環境ではありません。米景気の底固さと、株価上昇による資産効果が期待できると考えられるからです。110−111円台では値ごろ感から、押し目買いが入る可能性が高いと予想していますが、その意味では水準が水準だけに今週の動きが重要でしょう。

今週もあまり重要な経済指標はありません。個人的に注目しているのは感謝祭明けの「ブラック・フライデー」です。上記、資産効果の好影響がみられれば、個人消費は活発になると予想していますが、結果を見極めたいと思います。

本日は下値でどれほどドル買い需要があるかという点と、株価の動きに注目しています。予想レンジは111円50銭〜112円50銭程度とみます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
11/8 本田悦朗・スイス大使 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
11/9 トランプ・米大統領 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 --------
11/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 --------
11/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「緩やかな利上げを支持する。インフレ率は当局が目指す2%に上昇する」講演で。 --------
11/16 カプラン・ダラス連銀総裁 「自然利子率へはまだ距離があるが、さほど遠くない」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和