今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年11月24日(金) 「ドル円2カ月ぶりの円高水準に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 前日111円14銭までドル売りが進み、2カ月ぶりの円高水準を記録したドル円は、この日、東京とNYが休場だったことで小動き。111円台前半でのもみ合いに終始。
  • ユーロドルは続伸。ドイツやフランスのPMIが予想を上回ったことで、良好な経済指標に反応した形。1.1855までユーロ高が進み、1週間ぶりの高値をつける。
ドル/円 111.14 〜 111.32
ユーロ/ドル 1.1840 〜 1.1855
ユーロ/円 131.67 〜 131.88
NYダウ ------ → 23,590.83
GOLD ------ → 1,281.70ドル
WTI ------ → 56.83
米10年国債 ------ → 2.356%

本日の注目イベント

  • 独 独11月ifo景況感指数
  • 米 ブラック・フライデー(株式、債券市場は短縮取引)

ドル円は22日のNY市場で急落し、2カ月ぶりの円高水準を記録しています。112円台で推移し、上値は重かったものの、下値でも112円割れではしっかりドル買い需要が見られたものが、この日は一気に1円ほどの円高に振れました。

経済指標が良くなかったこともありますが、この日、イエレン議長は講演で「拙速な利上げは低インフレの放置につながる」と発言し、この発言が「かなりハト派的」と受け止められ、長期金利が急低下し、ドル売りを誘ったものと思われます。

イエレン議長は金融政策の正常化を誰よりも熱望していると考えられ、来年2月の任期までにその道筋をつけておきたいのではと考えられます。実際、9月26日の講演では「インフレ率が2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」と発言しており、これが12月のFOMCでの利上げ観測を大きく押し上げたことは記憶に新しいところです。そこから考えると、今回の発言はやや理解に苦しみます。

111円割れ目前までドル安が進んだ昨日でしたが、日本と米国が祝日だったため動きはなく、今朝も前日と同水準で取引されています。ドル円は『日足』では既に重要な「120日線」と「200日線」を割込んできました。さらに「雲の上限」を下回り、現在厚めの雲の中で推移しています。上記日足の重要な移動平均線を下回ってきたことで、ドル売りに拍車がかかったとのコメントもありましたが、チャートを基本にすればドル売りで攻める局面かもしれません。ただ一方で米景気の好調さは変わってはいません。12月の利上げが延期されるとも思えません。長期金利の低下が最大のドル安要因ですが、今後も長期金利が一段と低下し、2.1%を目指すのか、あるいは下げ止まるのかで、ドル円の方向も決まってきます。

やや気になるのが、IMMの投機筋による『円の建て玉』です。11月14日時点では4年ぶりの高水準である13万6000枚まで『ドル買い円売り』ポジションが積みあがっていました。基本的にはドル高を予想してのポジションメイクですが、一定の水準までドル安が進むと、損の拡大を防ぐために清算取引をしてくる可能性があります。既に現在のポジションは減少していると見られますが、21日現在の「建て玉」は本日発表されます。ここにも注目したいと思います。

本日は連休明けで、ドル円は下値を探る展開かと思われます。先ずは111円という心理的な節目が維持できるかどうかです。予想レンジは110円60銭〜111円60銭程度にしたいと思います。


土地の値段が日本で一番高いのは、東京銀座4丁目付近です。今年も鳩居堂のある場所が日本一でした。世界の高級ブランド街ではどこの賃料が最も高いのか、ブルームバーグニュースが伝えています。それによると世界一高いのはNY5番街でした。坪当たりの月額は100.1万円だったそうです、以下、香港、ロンドンと続き、銀座は6位だそうです。銀座の家賃が高いといっても、NYの家賃の4割だそうで、これを高いと言うのか、安いと言うのか議論の分かれるところです。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
11/8 本田悦朗・スイス大使 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
11/9 トランプ・米大統領 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 --------
11/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 --------
11/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「緩やかな利上げを支持する。インフレ率は当局が目指す2%に上昇する」講演で。 --------
11/16 カプラン・ダラス連銀総裁 「自然利子率へはまだ距離があるが、さほど遠くない」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和