今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年11月27日(月) 「ユーロドル2カ月ぶりに1.19台半ばを回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は静かな取引の中緩やかに上昇したが、上値は限定的だった。111円63銭までドル高が進んだが、勢いはなく、111円50−60銭で越週。
  • ユーロドルは大幅に続伸。1.1944までユーロ高が進み約2カ月ぶりの水準を記録。ドイツの経済指標が好調だったことや、ドイツで連立政権への期待が高まったことが背景。
  • 株式市場は主要3指数とも揃って続伸。年末商戦がスタートし、前年度よりも好調とのデータが好感された。ダウは31ドル上昇。
  • 債券市場は反落。10年債利回りは小幅に上昇し、2.34%台に。
  • 金は反落し、原油は上昇し59ドル台に迫る。
ドル/円 111.30 〜 111.63
ユーロ/ドル 1.1873 〜1.1944
ユーロ/円 132.18 〜 133.23
NYダウ +31.81 → 23,557.99
GOLD −4.90 → 1,287.30ドル
WTI +0.95 → 58.97
米10年国債 +0.022  → 2.342%

本日の注目イベント

  • 中   中国 10月工業利益
  • 米   10月新築住宅販売件数
  • 米   ダドリー・NY連銀総裁講演

ドル円は111円割れを回避し、切り返してきたものの先週末のNY市場での上値は111円63銭までで、反発には勢いが見られません。もっとも、先週末のNY市場での「主役」はユーロで、ユーロドルでユーロ高が進んだ影響で、ドル円でも根強い円買いがあったものと思われます。また、この日はポンドも上昇し、ポンドドルは1.3360まで買われ、こちらも2カ月ぶりのドル安ポンド高をつけています。

ドイツでは11月のifo経済研究所の景況感指数が予想を上回ったほか、メルケル首相と、ドイツ第2の政党である、ドイツ社会民主党の党首との会談があり、連立政権への期待が高まったことがユーロ買い戻しにつながりました。ユーロドルは9月8日の1.2093を高値に一貫して下落しており、11月7日には1.1554まで売られました。ECBのテーパリング期待からユーロ買いポジションが急速に膨らみ、これが下落と共に解消され、高値から約550ポイントも下落する力になったと見られます。これで「調整」を終えた印象です。目先の上値のメドは、やはり心理的な節目である1.20ということになるでしょう。今後ユーロドルが1.20を超えて1.21に迫る水準を回復できるかどうかが、ドル円にも影響してきます。1.21を回復するようなら、ドル円は110円台まで円高が進むことになります。足元のユーロ円の133円15銭を基準に、仮にユーロドルが1.21まで上昇したすると、ドル円は110円04銭という計算になります。そこまで円高が進まないとすれば、ユーロ円が135円方向に向かうことになり、いずれにしても、ユーロドルが1.21に向かえば、ドル円の上値を抑える可能性が高いと予想されます。

先週末のブラックフライデーを皮切りに、米国の「年末商戦」がスタートしました。概ね好調なスタートを切ったようで、ブルームバーグニュースでは、百貨店メーシーズのCEOのコメントを掲載しています。メーシーズのジェネットCEOは「コート類の売り上げ拡大に支えられて年末商戦は力強いスタートを切っている」と述べています。メーシーズでは24日午前7時までに20万着のコートが売れたそうです。また、本日はサイバーマンデーで、ネットの売り上げがどこまで伸びるのか注目されています。米アマゾンの株価は、ネットショッピングで大きなシェアを確保するとの期待から既に上昇しています。

本日のドル円は堅調な動きを予想しています。レンジは111円20銭から112円程度かと思われますが、上で述べたように、ユーロドルの動き、特に欧州時間の動きに注目してみたいと思います。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
11/8 本田悦朗・スイス大使 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
11/9 トランプ・米大統領 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 --------
11/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 --------
11/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「緩やかな利上げを支持する。インフレ率は当局が目指す2%に上昇する」講演で。 --------
11/16 カプラン・ダラス連銀総裁 「自然利子率へはまだ距離があるが、さほど遠くない」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和