今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年11月30日(木) 「ドル円112円台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は111円台後半の抵抗線を超えると上昇が加速。GDPの上方修正などもあり、112円15銭までドル高が進む。米長期金利の上昇も手掛かりに。
  • ユーロドルは緩やかに下落。この日は終始1.18台で推移。
  • 株式市場ではナスダック指数は反落したものの、ダウは100ドルを超える大幅続伸で連日の最高値更新。
  • 金利は大幅反発。前日比5bp上昇し、2.38%台を回復し、ドル高をサポート。
  • 金と原油は続落。
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 7−9月GDP(改定値)  → +3.3%
 10月中古住宅販売成約指数 → +3.5%
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ドル/円 111.62 〜 112.15
ユーロ/ドル 1.1817 〜 1.1866
ユーロ/円 132.11 〜 132.79
NYダウ +103.97 → 23,940.68
GOLD −13.00 → 1,286.20ドル
WTI −0.69 → 57.30
米10年国債 +0.057 → 2.385%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10月住宅建設許可件数
  • 日 10月鉱工業生産
  • 中 中国 11月製造業PMI(速報値)
  • 中 中国 11月非製造業PMI(速報値)
  • 独 独11月雇用統計
  • 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月失業率
  • 欧 OPEC総会
  • 欧 スペイン7−9月期GDP
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 10月個人所得
  • 米 10月個人支出
  • 米 10月PCEコアデフレータ
  • 米 11月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

ドル円は反発し、NY市場では一時112円15銭までドル高が進む場面もありました。昨日のドル上昇は、ここ最近では力強いものがありました。今週28日の火曜日には111円を割り込み、110円85銭前後までドル安が進んだものの、そこから切り返してきました。一旦切り下げたレンジも、どうやら110−113円の幅に戻ったようです。

イエレンFRB議長は議会証言で、バランスシート縮小を進めながら、引き続き金利を徐々に引き上げていくのが適切だと証言し、「景気の過熱を許せば、迅速に金利を引き上げなければならない事態に直面する恐れがあるため、金融当局は段階的に行動することを望む」と述べており、ある程度想定されて内容でした。

またベージュブックでは、11月中旬にかけて経済は緩慢ないし緩やかなペースで成長。物価圧力も強まり、労働市場は引き締まったとの記述でした。(ブルームバーグ)昨日の朝方には北朝鮮が9月中旬以来のミサイルを発射したものの、市場は冷静で影響も軽微でした。ただトランプ大統領はこの事態を受け、中国の習近平主席と電話会談を行い「中国があらゆる全ての手段を行使するよう」要請しています。その後大統領は、「今日、北朝鮮に追加的な制裁が科されるだろう」とツイートしています。内容次第では、北朝鮮がさらに態度を硬化させる事体も予想されるため、これまでの経緯を考えると、深刻な事態にはならないとは思いますが、引き続き注意が必要です。

ドル円は112円台を回復したことで「1時間足」の「200日線」もしっかりと上抜けしてきました。背景はやはり良好なファンダメンタルズです。第三四半期のGDP改定値は+3.0%から+3.3%に上方修正され、中古住宅販売成約も+3.5%と、予想を上回っていました。良好な経済指標がなかなかドル高につながらない状況が続いていますが、いずれ来年の利上げ観測を押し上げる効果はあろうかと思います。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は昨日の会見で、中立的なFF金利が2.5%前後であり、今後2年間にそこに戻る必要があると述べています。現在、FRBのFF金利誘導目標は1.00〜1.25%です。これを今後2年間で2.5%前後にもっていくには、0.25%ずつ引き上げるとすれば、少なくとも5回以上の引き上げが必要です。今後リーマンショック級の金融不安が起きない限り、来年も3回の利上げを見込むことに、それほど違和感はありません。

ドル円は112円台を回復したとはいえまだ114円に向かう相場でもありません。足元の動きは、111円割れはあったものの111円台を固めている動きと思われます。投機筋のドルロングポジションは減ったとはいえ依然高水準です。ドルの戻りは緩やかなものになろうかと思います。予想レンジは111円50銭〜112円50銭程度と見ますが、上値のレジスタンスは112円20−30銭と、半ば前後かと思われます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
11/8 本田悦朗・スイス大使 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
11/9 トランプ・米大統領 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 --------
11/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 --------
11/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「緩やかな利上げを支持する。インフレ率は当局が目指す2%に上昇する」講演で。 --------
11/16 カプラン・ダラス連銀総裁 「自然利子率へはまだ距離があるが、さほど遠くない」講演で。 --------
11/28 パウエル・次期FRB議長 「次回会合で利上げの根拠は強まりつつあると思う」、「金利は今後上昇を続けると確信している」公聴会で。 --------
11/29 イエレン・FRB議長 「景気の過熱を許せば、迅速に金利を引き上げなければならない事態に直面する恐れがあるため、金融当局は段階的に行動することを望む」議会証言で。 --------
11/29 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「中立的なFF金利が2.5%前後であり、今後2年間にそこに戻る必要がある」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和