今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年12月5日(火) 「ドル円113円台を試すも維持できず」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は株高、金利高を手掛かりに113円09銭まで上昇したが、その後上げ幅を失う。112円36銭まで下落し、この日の安値圏で取引を終える。
  • ユーロドルは緩やかに下落。1.18台前半から後半で推移。
  • 株式市場は上昇したものの引けにかけて勢いを失う。ダウは58ドル上昇し最高値を更新したものの、テクノロジー株が売られ、S&P500は5ポイント下落。
  • 債券相場は反落し長期金利は2.37%台と、小幅に上昇。
  • 金は反落し、原油価格も3日ぶりに反落。
ドル/円 112.36 〜 113.09
ユーロ/ドル 1.1829 〜 1.1869
ユーロ/円 133.26 〜 133.96
NYダウ +58.46 → 24,290.05
GOLD −4.60 → 1,277.70ドル
WTI −0.89 → 57.47
米10年国債 +0.011 → 2.372%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10月小売売上高
  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 豪 豪7−9月期経常収支
  • 中 中国 11月財新サービス業PMI
  • 中 中国 11月財新コンポジットPMI
  • 欧 ユーロ圏7−9月期GDP(確定値)
  • 欧 ユーロ圏10月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏11月サービス業PMI(改定値)
  • 英 英11月サービス業PMI
  • 米 10月貿易収支
  • 米 11月ISM非製造業景況指数
  • 加 カナダ10月貿易収支

ドル円は、さすがにまだ113円台は重いイメージです。昨日の東京タイムではドル円は大きく下落はしなかったものの、113円台には一度も届かず、NY市場では株高と金利上昇にドルが反発して113円台に乗せたものの長くは続かず、112円前半まで押し戻されています。税制改革の影響やロシア疑惑、英国のEU離脱交渉、米債務上限問題などをこなしながらドルは上昇したものの、113円台維持には至っていません。

昨日は経済指標の発表もなく材料不足の中、ドル円は結局上値を追えず、先週末の水準に戻っています。この日はイギリスのEU離脱交渉で、EU側の交渉責任者が「本日で完全な合意に至ることはできなかった」と述べ、紆余曲折の末、アイルランド問題が合意を阻んだ形となり、ポンドが乱高下しました。イギリスのメイ首相は「鋭意交渉し、大きな進展があった。一段の交渉は必要だが、前向きな決着ができると自信をもっている」と述べています。(ブルームバーグ)

ユーロドルが1.18台から1.19台半ばでのもみ合いを続けています。一時1.15台半ばまで売られた後、1.19台まで急伸しましたが、その後は再び1.19台が重くなっています。今後ドル安が進めば、ユーロドルも1.2を回復する可能性もありますが、テクニカルを基本とすれば、短期的には上値は重そうにみえます。「1時間足」では、雲の下限と「120日線」さらに「200日線」がともに、1.1870−75前後に集まっており、目先はこのレベルが重要なレジスタンスになりそうです。ユーロ圏はドイツを中心に、インフレ無き成長軌道に入ったように思えます。今後ユーロは緩やかな上昇が見込めると思いますが、成長軌道が鮮明になる前に、急激なユーロ高はECBとしても避けたいところ。1.15−1.20のレンジが居心地のいいレベルなのかもしれません。

足元のドル円は現在「日足の雲の中」で推移しています。目先はこの雲のどちらを抜け切るかが注目されます。昨日のNY市場でも113円09銭まで上昇し、雲抜けをテストしましたが、結局雲の上限で押し戻されています。本日の予想レンジは112−113円といったところでしょうか。直ぐに112円を割り込むという展開でもなさそうですが、東京タイムは値動きが鈍く、NY市場が主戦場になります。ロシア疑惑問題のニュースには注意が必要です。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
10/11 エバンス・シカゴ連銀総裁 12月利上げについて「語るのは時期尚早」講演で。 債券価格が上昇し、金利は低下
10/12 プラ−ト・ECB理事 「基調的なインフレ圧力は引き続きあまりに弱く、持続的な上昇トレンドにあることを示す説得力ある兆しはいまのところ見られていない」講演で。 --------
10/12 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「市場は高い確率でわれわれが12月に利上げを実施するとみている。これは現在得ている情報から適切なようだ。」 --------
10/14 イエレン・FRB議長 「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私のもっとも有力な見方だ」G20後の講演で。 --------
10/14 ドラギ・ECB総裁 「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的で ECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確認している」G20後の講演で。 --------
10/26 ドラギ・ECB総裁 「(月購入額の縮小は)テーパリングではなくダウンサイジングだ」「(購入を)突然終了することはない」量的緩和縮小を決めた後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.16台半ばへ急落
10/26 ライアン・米下院議長 「税制改革案に関して議会が行動する準備は整った」2018年度の連邦政府予算決議案可決後に --------
11/8 本田悦朗・スイス大使 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
11/9 トランプ・米大統領 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 --------
11/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 --------
11/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「緩やかな利上げを支持する。インフレ率は当局が目指す2%に上昇する」講演で。 --------
11/16 カプラン・ダラス連銀総裁 「自然利子率へはまだ距離があるが、さほど遠くない」講演で。 --------
11/28 パウエル・次期FRB議長 「次回会合で利上げの根拠は強まりつつあると思う」、「金利は今後上昇を続けると確信している」公聴会で。 --------
11/29 イエレン・FRB議長 「景気の過熱を許せば、迅速に金利を引き上げなければならない事態に直面する恐れがあるため、金融当局は段階的に行動することを望む」議会証言で。 --------
11/29 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「中立的なFF金利が2.5%前後であり、今後2年間にそこに戻る必要がある」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和