今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2017年12月19日(火) 「ドル円株高にも動かず」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は112円台で小動き。一時112円30銭まで売られたが税制改革法案成立の見方が支えとなり112円60銭前後まで反発。
  • ユーロドルは1.1834までユーロ高が進んだが、ドルが買われるとじり安となり、1.1775まで下落。
  • 株式市場は税制改革への期待から続伸。ダウは140ドル上昇し、他の主要指数も揃って最高値を更新。
  • 債券は小幅に売られ、長期金利は2.39%台まで上昇したが、動きは緩慢。
  • 金は上昇。原油は3日ぶりに反落。
*******************
 12月NAHB住宅市場指数 → 74
*******************
ドル/円 112.30 〜 112.60
ユーロ/ドル 1.1775 〜 1.1834
ユーロ/円 132.55〜 133.00
NYダウ +140.46 → 24,792.20
GOLD +8.00 → 1,265.50ドル
WTI −0.14 → 57.16
米10年国債 +0.038 → 2.391%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 独 独12月ifo景況感指数
  • 米 11月住宅着工件数
  • 米 11月建設許可件数
  • 米 経常収支(7−9月)

NY市場では引き続き株式市場が活況で、為替、債券市場は膠着感を強めており、取引が盛り上がりません。昨日も、税制改革法案の成立期待から株価は全面高の様相で、前日に続き主要3指数は揃って最高値を更新しました。ダウは140ドル上昇し、ここ7営業日では、最高値を更新しなかった日は、わずか1日だけで、そのほかの日は全て最高値を更新しています。

報道によると、NYダウは昨日の最高値更新で、「今年70回目の更新」になったそうです。高値警戒感がありながらも上がり続けるNY株式市場。上がり続ける相場がないことは分かっていても、ショートは「踏みあげられる」展開が続いています。

動かないドル円を前に、参加者も季節柄徐々に減っているようです。昨日はドル円の値幅は30銭程度で、ユーロドルも60ポイント程度の値動きでした。目立ったのが南ア・ランドの上昇です。与党アフリカ民族会議(ANC)がズマ大統領の後継者となる新議長(党首)にマラポーザ副大統領を選出したことが手掛かりとなり、大幅高になっています。(ブルームバーグ)

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「2018年にかけて非常に好調なモメンタムを保ち今年を終えつつある」と語り、利上げに関しても、「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」との認識を示しました。同総裁は2018年にはFOMCでの投票権を持ちます。(ブルームバーグ)

ドル円は株価が上昇してもこれまでのようにドル高に振れることもなく、連動性が見られない展開が続いています。もともと米長期金利や日米の金利差との相関が強く、その米金利が動かないことがドル円を膠着させています。株価の上昇はリスクオンを意味し、投資家がリスク選好を強め、安全資産の債券から資金を引き上げ、株に振り向けることで「株高、債券安」の流れが増幅され、金利上昇からドルが買われるという一連の流れが想定されましたが、株価が上昇しても債券が売られないことで米金利は2.3%台で一進一退となっています。

その要因は幾つか考えられますが、世界的な低インフレや世界的な金余りが、静かに米国債に向かっていることもその一つでしょう。日米欧では、米国債が最も流動性が高く、イールドも魅力的だということで資金流入が途絶えないのではないでしょうか。

本日もドル円は昨日とほぼ同じ水準です。特別なニュースでもない限り動意はみられないと思われます。レンジは112円10銭〜112円90銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
11/8 本田悦朗・スイス大使 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
11/9 トランプ・米大統領 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 --------
11/13 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 --------
11/16 メスター・クリーブランド連銀総裁 「緩やかな利上げを支持する。インフレ率は当局が目指す2%に上昇する」講演で。 --------
11/16 カプラン・ダラス連銀総裁 「自然利子率へはまだ距離があるが、さほど遠くない」講演で。 --------
11/28 パウエル・次期FRB議長 「次回会合で利上げの根拠は強まりつつあると思う」、「金利は今後上昇を続けると確信している」公聴会で。 --------
11/29 イエレン・FRB議長 「景気の過熱を許せば、迅速に金利を引き上げなければならない事態に直面する恐れがあるため、金融当局は段階的に行動することを望む」議会証言で。 --------
11/29 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「中立的なFF金利が2.5%前後であり、今後2年間にそこに戻る必要がある」講演で。 --------
12/6 トランプ・米大統領 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 --------
12/14 ドラギ・ECB総裁 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.17台へと下落
12/18 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和