2017年12月20日(水) 「米税制改革法案下院で可決」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米下院が税制改革法案を可決したことで、ドル円は長期金利の上昇を手掛かりに上昇。一時約1週間ぶりに113円08銭までドルが買われる。
- ユーロドルはユーロ圏の景気拡大を背景に続伸。1.1849前後までユーロ高が進み。ユーロ円も134円に迫る。
- 株式市場は3日ぶりに反落。税制改革法案の下院での可決と、アップル株などの下落が下げを牽引。ダウは37ドル下落し、S&P500とナスダックも揃って下落。
- 債券は大幅に売られる。税制改革法案が下院で可決したことで成立へのメドがたち、10年債は急落。長期金利は一時2.47%台まで急騰する。
- 金は5日ぶりに反落。原油は小幅ながら反発。
11月住宅着工件数 → 129.7万件
11月建設許可件数 → 129.8万件
経常収支(7−9月) → −1006億ドル
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| ドル/円 | 112.65 〜 113.08 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1805 〜 1.1849 |
| ユーロ/円 | 133.16 〜 133.92 |
| NYダウ | −37.45 → 24,754.75 |
| GOLD | −1.30 → 1,264.20ドル |
| WTI | +0.30 → 57.46 |
| 米10年国債 | +0.063 → 2.459% |
本日の注目イベント
- 独 独11月生産者物価指数
- 米 11月中古住宅販売件数
法人税引き下げを盛り込んだ米税制改革法案が下院で可決したことで、ドル円は113円台まで上昇し、株式と債券が売られ、市場は将来の金利高を想定した動きを見せました。採決は賛成227、反対203でした。主に税負担の重い州選出の共和党議員12人が反対に回りましたが、上院と異なり保有議席に余裕のある下院での採決は予想通りです。
税制改革法案では、法人税率を現行の35%から21%へと引き下げ、さらに時限的な個人の税制優遇措置や、富裕層にも有利な税率引き下げのほか、低所得層・中間層にも恩恵をもたらす基礎控除引き上げが盛り込まれています。ライアン下院議長は採決直前、「今日われわれは米国民が納めた税金を返す」と発言していました。
ブルームバーグによると、この税制改革によって向こう10年間で歳入は1兆5000億ドル(約169兆円)減る見込みとされていますが、減税による経済効果で歳入を増やすとの思惑ですが、今朝の報道では、経済成長を考慮しても歳入減は1兆ドルとの見方があるそうです。結局その1兆ドルを国債の発行も含め、他の方法で調達する必要があるわけです。
税制改革法案の下院通過を受け、債券市場が大きく反応しています。国債の需給に影響があるとの見方は、既に周知の事実だったにもかかわらず10年債は大きく売られ、長期金利は一時2.4%台後半まで上昇し、今年最も大幅な上昇を記録しました。引けにかけてはやや買い戻されていますが、それでも前日比6bp以上の上昇でした。また連日最高値を更新中の株式市場もさすがにこの日は上昇が一服。ダウが37ドル下げるなど、主要株価指数は揃って反落です。
長期金利の高騰を背景に、ドル円は一時113円08銭まで買われ、約1週間ぶりに113円台を回復する場面もありましたが、まだ上値の重さは払拭されていません。ただ、引き続き米景気は好調さを維持しています。昨日の建設許可件数も129.8万件でした。建設許可件数は、着工件数の先行指標といわれ、昨日の数字は今後も住宅市場が堅調に推移することを示唆していると言えます。
ドル円は113円台を一時的に回復したとはいえ、まだもみ合いから抜け出てはいません。税制改革法案はこのあと、上院ルールに違反する条項が見つかったため、再度下院で採決する必要がありますが、成立には問題がないようです。早ければ週内にもトランプ大統領が署名する可能性もあるようです。そして来年にかけて次の材料は「インフラ投資」ということになります。引き続き米金利には上昇圧力がかかってくると思われますが、米金利がある程度上昇すれば、投資対象としての魅力が増してくることも事実で、今後の推移を注視したいと思います。本日のドル円は112円50銭〜113円30銭程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 11/8 | 本田悦朗・スイス大使 | 「黒田総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだ。デフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 11/9 | トランプ・米大統領 | 「私は中国を非難しない。私は中国を強く評価する」「現在の貿易赤字は持続可能ではない」北京でのイベントの中で。 | -------- |
| 11/13 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「年内最後となるもう1回に利上げは『軽く書き留めた』状態だ」都内の講演で。 | -------- |
| 11/16 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「緩やかな利上げを支持する。インフレ率は当局が目指す2%に上昇する」講演で。 | -------- |
| 11/16 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「自然利子率へはまだ距離があるが、さほど遠くない」講演で。 | -------- |
| 11/28 | パウエル・次期FRB議長 | 「次回会合で利上げの根拠は強まりつつあると思う」、「金利は今後上昇を続けると確信している」公聴会で。 | -------- |
| 11/29 | イエレン・FRB議長 | 「景気の過熱を許せば、迅速に金利を引き上げなければならない事態に直面する恐れがあるため、金融当局は段階的に行動することを望む」議会証言で。 | -------- |
| 11/29 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「中立的なFF金利が2.5%前後であり、今後2年間にそこに戻る必要がある」講演で。 | -------- |
| 12/6 | トランプ・米大統領 | 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 | -------- |
| 12/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.17台へと下落 |
| 12/18 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |



