2018年1月11日(木) 「ドル円一気に111円台前半まで急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続落し、昨年11月28日以来となる111円27銭まで売られる。クロス円の売りも活発で、米金利の上昇にもかかわらずドル売りが優勢に。NY市場では111円45銭前後で取引きを終える。
- ユーロドルでもドル安が進み、1.20台に乗せる場面もあったが維持できず1.19台半ばまで押し戻される。ユーロ円も続落し、133円前半までユーロ安が進む。
- 株式市場は反落。金融市場にやや不透明感が増したことから、利益確定の売りに押され、ダウは16ドル安。
- 債券は続落。中国が米国債に対し慎重な姿勢を見せるとの報道に債券は売られ、金利は上昇。長期金利は2.55%台まで上昇し昨年3月以来の高水準に。
- ドル安を背景に金は反発。原油価格は続伸し63ドル台半ばに。
| ドル/円 | 111.27 〜 111.65 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1940 〜 1.2007 |
| ユーロ/円 | 133.07 〜 133.90 |
| NYダウ | −16.67 → 25,369.13ドル |
| GOLD | +5.60 → 1,319.13ドル |
| WTI | +0.61 → 63.57ドル |
| 米10年国債 | +0.004 → 2.557% |
本日の注目イベント
- 豪 豪11月小売売上高
- 日 11月景気動向指数
- 欧 ユーロ圏11月鉱工業生産
- 米 12月生産者物価指数
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 12月財政収支
ようやく動きの出てきたドル円ですが、予想に反して円高方向へと舵を切ってきました。前日の日銀の買いオペ減額がまだ尾を引いているようです。昨日の東京市場では112円台後半までドルが戻したものの、株価の下落や日銀の金融政策に対する不透明感などで円がジリジリと買われ、夕方には久しぶりに112円を割り込みました。
欧州市場でも円買いの流れは続き、111円台前半まで円高が進みましたが、相変わらず「ドルは下落する時のスピードは速い」の格言通りの速さで、111円27銭まで円高が進んでいます。この水準は11月下旬以来、約1カ月半ぶりの円高水準です。ただ、NY市場では一段のドル安を試す動きはなく、上値は重かったものの、もみ合いに終始しています。前日に続き、米金利の上昇がドルを支えたものと思われます。
米長期金利は一時2.559%まで上昇しました。この水準は非常に重要なレベルで、これまでも何度か試しては抜け切れずに、押し戻されています。「2.6%の壁」と言われるのもこの為です。昨日債券が売られた背景は中国にありました。「中国の外貨準備を見直す当局者らが、米国債の購入を減らすか停止することを勧告した」との報道がきっかけとなり、債券が売られ、金利が上昇しました。そのような勧告をした理由については明らかになってはいませんが、ブルームバーグニュースでは、米国債が他の資産との比較で魅力が低くなったと見ているほか、米国との貿易摩擦が米国債購入を減額したり停止したりする理由になっているのではないかとの、関係者の見方を紹介しています。前日、ビル・グロス氏が「債券は弱気相場に入ったことを確認した」と述べた翌日の動きで、絶妙なタイミングでした。因みに同氏は昨日もコメントしており、米長期金利は年末までに2.7〜2.8%まで上昇すると予想しているようですが、昨日の債券の動きを見たら「その程度か」との印象が残ります。
米金利との関係が強いドル円ですが、ここ2日は全く反対の動きを見せています。日銀の金融政策への不透明感に加え、昨日の海外市場では112円をしっかりと割り込んだ辺りからストップロスのドル売りも出た模様です。IMMの建て玉でも、「ドル買い円売り」のポジションは高水準であり、投機筋はドル高が進むと予想していた様で、このポジションの解消もあったようです。
足元のドル円は株高にも金利高にも反応せず、ポジションの解消とテクニカルが示唆するドル安を材料に下落していると考えます。日足ではもともと「雲」が薄かったこともありますが、大きく雲抜けをし、さらに重要な「200日移動平均線」も下抜けしています。もっと言えば、「三角もち合い」も下抜けしています。これだけ材料が揃えば、ドルを売ってみたくなるのは当然です。いずれ、米金利高に「鞘寄せ」されるのではないかと予想していますが、目先ドルの上値が重くなったのも事実です。
本日は株安と円高が重なり、さすがの日経平均株価も下落が予想されます。どの程度下げるのか。また、ここまでは株を買えていないと言われている個人投資家の買いが、どの程度出てくるのか注目されます。下げても100円以内とか、下げ渋る展開になれば、ドル円は少なくとも東京タイムでは111円台で推移すると見ていますが、予想外の大幅下落だと111円割れテストの可能性も想定されます。その際の下値のメドは、昨年11月27日に記録した110円84銭前後と見ています。本日の予想レンジは110円80銭〜111円80銭程度とします。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/6 | トランプ・米大統領 | 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 | -------- |
| 12/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.17台へと下落 |
| 12/18 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 12/21 | 黒田・日銀総裁 | 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 | ドル円上昇のきっけかに |
| 1/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 | 「債券の弱気相場が確認された」 | 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇 |



