今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年1月16日(火) 「ユーロドル続伸し1.23に迫る」

ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場

  • ドル円は東京市場の流れを引き継ぎ続落。110円33銭までドル安が進み、110円台半ばで取引を終える。
  • ユーロドルも「ドル安ユーロ高」が続き、ユーロは一時1.2297前後まで続伸。ユーロは対円でも136円手前まで上昇。ドイツの連立政権樹立への楽観的な見方が背景。
ドル/円 110.33 〜 110.82
ユーロ/ドル 1.2210 〜 1.2297
ユーロ/円 135.18 〜 135.99
NYダウ ------ → 25,803.19ドル
GOLD ------ → 1,334.90ドル
WTI +0.51 → 64.81ドル
米10年国債 ------ → 2.546%

本日の注目イベント

  • 独 独12月消費者物価指数(改定値)
  • 英 英12月物価統計
  • 米 1月NY連銀製造業景気指数
  • 米 企業決算 → シティグループ

米国が「キング牧師生誕記念日」のため祝日だったわりには、ユーロを中心に動きがありました。ドル円は昨日の東京タイムに110円58銭前後まで円高が進み、海外市場では110円33銭辺りまで下落しています。昨日の円高の動きも、やはりユーロ高に引っ張られた側面が強く、ユーロドルがどこまで上昇するのかを見極める必要があります。

ユーロドルは一時1.23手前の水準まで買われました。これまでのレンジを切り上げ、1.20〜1.25のレンジに入ったと思われますが、1.21を抜けてからの上昇スピードには目を見張るものがあります。ドイツの連立政権樹立への楽観的な見方が強まっているほか、15日にはドイツ中銀のブンデスバンクが外貨準備に中国の人民元を加えることを決めたこともドルの押し下げ要因になったようです。

ドイツ連銀のドンブレント理事は香港のイベントで講演し、ECBが2017年6月に5億ユーロ相当の人民元を外貨準備に組み入れたことを受け、ブンデスバンクも昨年時点で今回の措置を決めていたと説明しました。(ブルームバーグ)ドンブレント理事は「各中銀が外貨準備の一部として人民元の活用をますます進めている。ECBだけではなく、欧州では他の中銀も人民元を加えた」とブルームバーグのインタビューで述べています。

米景気は着実に成長しているにも関わらずドルが売られ、ユーロドルは上昇しています。先週末に発表されたIMMの建て玉を見ると、ユーロの買い持ちは15万枚に迫る水準まで膨らんでおり、過去最高の買い持ち額を記録しています。ファンドなどの資金がユーロに向かっていることが確認でき、WTI原油価格にも同じ様な動きが見られます。

ドル円は110円台は維持しているものの、市場参加者の相場観も好調な米経済を意識しながらもやや円高方向に傾いているようです。その背景は、上で述べたようにユーロ高に連動する形で円高が進んでいることと、もう一つは日銀の金融政策変更に対する思惑です。昨年の「リバーサルレート」に始まって、先週の買オペの減額。さらには昨日の日銀支店長会議での「2%物価上昇に関する挨拶」にも市場は円高で反応し、日銀のオペレーションや黒田総裁のコメントに極めて敏感になっています。

日銀の当面のミッションは2%の物価上昇を達成して、デフレから明確に脱却することです。円高は輸入物価を押し下げる効果があり、2%の物価上昇には「逆風」になることは言うまでもありません。今この段階であえて「逆風」を起こすとも思えず、市場が過剰反応を見せている可能性もあります。本日の焦点は110円台が維持できるかどうかという点です。予想レンジは110円〜111円程度でしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/6 トランプ・米大統領 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 --------
12/14 ドラギ・ECB総裁 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.17台へと下落
12/18 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
12/21 黒田・日銀総裁 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 ドル円上昇のきっけかに
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和