今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年1月17日(水) 「ドル円110円台での攻防続く」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は朝方、株価の上昇に110円台後半まで買われたが、長期金利の低下や、上昇していた株価がマイナスに転じたことで110円25銭まで売られる。ユーロドルの上昇も円買いにつながった。
  • ユーロドルは1.22を割りこむ場面もあったが、バイトマン・ドイツ連銀総裁のタカ派的な発言を材料に1.2281前後までユーロ高が進む。
  • 株式市場は大幅な上昇から始まり、ダウは一時2万6000ドルの大台に乗せたが、その後利益確定の売りなどに押され、引け値では10ドル安。軟調な経済指標や政府機関閉鎖懸念なども材料視された。
  • 債券相場は小幅に反発。株安もあり、値ごろ感からの買いも入った。長期金利は2.53%台へと低下。
  • 金は下落。原油価格も7日ぶりに下落する。
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 1月NY連銀製造業景気指数 → 17.70
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ドル/円 110.25 〜 110.88
ユーロ/ドル 134.97 〜 135.70
ユーロ/円 135.18 〜 135.99
NYダウ −10.33 → 25,792.86ドル
GOLD +2.20 → 1,337.10ドル
WTI −0.57 → 63.73ドル
米10年国債 −0.007 → 2.539%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
  • 米 12月鉱工業生産
  • 米 12月設備稼働率
  • 米 1月NAHB住宅市場指数
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン、アルコア
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

昨日の東京タイムでは株価がジリ高となり、200円を超える上昇を見せたことからドルが買われ、111円目前までドル高が進みました。110円割れを回避できたことで、一旦下げ止まったとの感触もあり、ドルを買い戻す動きが強まりました。ただ海外市場では依然としてドルの上値は重く、NY市場では長期金利の低下や、一時300ドルに迫る上昇を見せていたダウが下げに転じたこともあり、110円25銭までドル安が進み、前日のドル安水準を若干下回る展開でした。

引け値では110円台半ばまで戻して取引を終えていますが、ユーロドルが強含んでいることも、ドルの戻りを売るスタンスが継続されている印象です。ユーロドルは昨日欧州で、1.2116前後まで売られる場面もありました。ドイツ誌がベルリンの社会民主党がメルケル陣営との連立の正式協議入りを否決したと報じたことが材料視されました。一方でドイツ連銀のバイトマン総裁は、2018年に量的緩和は終了するかとの質問に対して、「現在の展望からは適切だと考える」と答えていました。また同時に、来年半ばより前に利上げをしないとのアナリストの見方は妥当だと述べ、市場が予想している、ECBは9月に債券購入を停止し、翌年のどこかで利上げに踏み切る考えを示唆するのではないかとの見方に一致しています。

年明けから続いているドル安の流れは変わっていないようです。ドル円は「一歩前進、二歩後退」の動きになっており、短期的なトレンドを見る「1時間足」では、「雲」の下落に合わせるように右肩下がりの動きになっています。若干ドルが戻す場面があっても、「雲の下限や、雲そのもの」に上昇を抑えられている形状を見せています。先ずは、この雲を上抜けする必要がありますが、現在その「雲の上限」は111円前後に位置しています。従って、111円台を明確に超えられるかどうかがドル反転の兆しと見ることができそうです。

一方下値のメドは、やはり110円という心理的な節目でしょう。ここを割り込むと、再びストップロスのドル売りも予想され、下落に拍車がかかることも考えられます。そして注目しているのは「週足の雲の下限」です。現在109円10銭前後にありますが、ここを割り込むと下落トレンドが定着する事も予想されるからです。本日のレンジは110円〜111円程度とします。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/6 トランプ・米大統領 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 --------
12/14 ドラギ・ECB総裁 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.17台へと下落
12/18 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
12/21 黒田・日銀総裁 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 ドル円上昇のきっけかに
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和