今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年1月22日(月) 「メルケル政権継続に光明」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 暫定予算の協議が難航し、政府機関の一部閉鎖のリスクが高まったことでドル円は小幅に下落。110円51銭までドル安が進み、110円80―90銭で越週。
  • ユーロドルは1.22台半ばから小幅に下落したものの、1.22台は維持。
  • 株式市場は上昇。S&P500は反発し、再び最高値を更新。金融株などが買われた。
  • 債券相場は続落。10年債利回りは一時2.66%台へと上昇。
  • 金は続伸し、原油は続落。
*******************************
 1月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 94.4
*******************************
ドル/円 110.51 〜 110.85
ユーロ/ドル 1.2215 〜 1.2269
ユーロ/円 135.18 〜 135.69
NYダウ +53.91  → 26,071.72ドル
GOLD +5.90 → 1,333.10ドル
WTI −0.58 → 63.37ドル
米10年国債 +0.033 → 2.659%

本日の注目イベント

  • 米  IMF、世界経済見通し発表
  • 米  企業決算 → ネットフリックス

懸念されていた米暫定予算案はぎりぎりまで交渉が続けられていましたが、上院で可決に必要な60票を確保することが出来ず、米政府機関が一部閉鎖に追い込まれました。マコネル共和党上院院内総務は「われわれが目にしたのは、無責任な政治的取引のために何百万人の米国人を犠牲にするという民主党上院議員の皮肉な決断」(ブルームバーグ)と述べています。議会は21日、打開策を見出そうと異例の審議を行っており、21日深夜までの解決を目指しているようです。

先週末には一旦111円台を回復したドル円でしたが、ドルがじりじりと売られる展開が続き、週明けのオセアニアでは「窓を開け」、110円台半ばまで円高が進んできました。米政府機関閉鎖は、直近ではオバマ政権の時にもあり、いずれ議会が妥協案を成立させると見られており、それほど心配はしていませんが、ドルにとっては重石となっているのは事実です。米長期金利が3年ぶりの高水準となる2.66%台まで上昇したにもかかわらず、ドル円が売られている背景の一因になっていると思われます。

さらにドル円の上値を重くしているのが、ユーロドルの動きです。ユーロドルは先週1.23台に乗せるなど、「ユーロ高ドル安」が続いていますが、今朝も上記米政府機関一部閉鎖の影響を受け、「窓明け」で取引が始まっていますが、加えてメルケル政権継続にとって明るい光が射してきたこともユーロ高につながっています。ドイツ社会民主党(SPD)はメルケル首相との正式な連立交渉開始を支持しました。SPDは21日ボンで開いた党大会で、362対279で、メルケル首相率いる政党との交渉支持を決めました。メルケル首相は、「前向きな結果」だとSPDの決定を歓迎するコメントを発表しています。

米暫定予算、トランプ大統領のロシア疑惑、北朝鮮問題など、依然としリスクを抱えながらも、安全資産の米国債が売られ、長期金利が上昇しています。その長期金利の上昇にも、これまでのような相関関係は崩れて、ドル円はなかなか上昇トレンドに乗れません。目先は、やはり110円の心理的な節目が重要かと思われます。ここを明確に割り込むと、市場心理も急激に円高方向に傾く可能性があるからです。本日のレンジは110円20銭〜111円20銭程度とします。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/6 トランプ・米大統領 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 --------
12/14 ドラギ・ECB総裁 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.17台へと下落
12/18 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
12/21 黒田・日銀総裁 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 ドル円上昇のきっけかに
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
1/17 コンスタシオン・ECB副総裁 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落
1/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和