今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2009年1月30日(金)




おはようございます。

今朝の新聞に「預貸率」−−という言葉が載っていました。

金融機関以外にお勤めの方には余りなじみの無い言葉かもしれませんが、

銀行がお客様から預かったお金(預金)をどれだけ融資にまわしているか、

という比率のことです。

米銀大手では不良債権化を恐れて、この比率が下がっているとのこと。

当然ですが、融資から受け取る金利と預金に払い利息の差が収益です。

「預貸率」が下がるということは、その収益は減ることを意味し、資金効率の

悪化に繋がります。

余ったお金をそのまま寝かせておくわけにもいかず、不良債権とは無縁な

「国債」の購入へと向かうことになります。

もっとも、日本でもその構図は変わりませんが。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米経済指標の悪化を受け、NYダウが大幅下落、前日の上昇分を上回る下げに ドル/円も頭の重い展開に終始しました。
  • 12月耐久財受注は市場予想を下回る▼2.6%、同時に発表された週間 失業保険申請件数も▼58万8千件と過去最悪の数字でした。
  • 12月新築住宅販売件数は▼14.7%と1963年の統計開始以来 最低水準を更新しました。
  • ユーロは欧州時間に発表された独1月失業率が8.3%と大きく上昇したことから 利食いのユーロ売りを誘い対ドル、対円ともに大幅下落。
  • 米長期国債は続落し、金利は引き続き上昇。ドルの下落をサポートしています。

ドル/円89.47 〜 90.04
ユーロ/円115.96 〜 118.36
NYダウ−226.45 → 8,149.01ドル
GOLD+16.50 → 906.50ドル
WTIー0.72 → 41.44
米10年国債+0.189 → 2.862%


本日の注目点

       
  • 欧  ユーロ圏1月消費者物価指数(速報値)   
  • 欧  ユーロ圏12月失業率
  • 米  第4四半期GDP(速報値)
  • 米  1月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米  1月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)              

米景気回復の鍵を握る三つのキーワード「雇用」「住宅」「消費」のうち

二つが更なる悪化傾向を見せ、米経済に対する先行不安が払拭されません。

「雇用」では、この日、イーストマンコダックが業績の悪化を理由に、

3500人のリストラを発表。

また、この日決算発表を行った米ビッグスリーの一角フォードは2008年

12月期の最終赤字が145億7千万ドル(約1兆3千億円)と過去最大の

赤字決算に追い込まれました。これにより、さらなる雇用調整を迫られ

金融子会社で1200人のリストラを行うことを発表しています。

このほか既にリストはを発表した、キュタピラー2万人、ボーイング1万人を

併せると、今週だけでも4万人規模のリストラが行われたことになります。

更に、今後決算発表が行われる企業についても同様の対策が採られる見通しで、

「リストラの嵐」はその勢いが衰えるどころかむしろ、増している感さえあります。

きのう発表された週間失業保険申請件数でも過去最悪の58万8千件となりました。

1月の雇用統計発表を待たずして、今から不気味は感じさえしてきます。



そして、もう一つは「住宅」です。

12月の新築住宅販売件数は前月比でマイナス14.7%と販売不振に拍車が

かかっています。

中古住宅も売れないことから、在庫もだぶついており、それが住宅価格の

下落を促し、不良債権化を増幅し、金融機関の経営悪化を招くと言う

「負のスパイラル」に陥っており、米住宅問題は相当根が深いといわざるを得ません。

唯一のドルサポート材料はオバマ新政権の景気対策案が下院を通過し、上院では

規模が更に上積みされるとの見通しが出てきたことです。



ドル/円は前日のNYと昨日の東京で90円台半ばまで上昇したものの、

勢いはなく、実需の売りに押され90円を割る展開が続いています。

市場参加者の基本スタンスは『ドルの戻り売り」という点では変わっておらず、

ユーロ/円についても同様な相場観が形成されそうな気配もあります。

本日は米GDP速報値がでます。

2008年4月分(PDF) 2008年5月分(PDF) 2008年6月分(PDF) 2008年7月分(PDF)
2008年8月分(PDF) 2008年9月分(PDF) 2008年10月分(PDF) 2008年11月分(PDF)
2008年12月分(PDF)

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
1/4 イエレン サンフランシスコ連銀総裁 「通常の景気後退よりも下降局面が深く長くなりそうだ。」サンフランシスコの講演で。 -----
1/4 フェルドシュタイン前全米経済研究所所長 「第二次大戦後のどの下降局面よりも厳しい。」サンフランシスコの講演で。 -----
1/7 オバマ次期大統領 「われわれは1兆ドルの財政赤字を引き継ぐことになる。」「迅速かつ大胆な景気対策は経済に不可欠。」記者会見で財政再建より景気優先の認識を示す -----
1/7 ホーニング カンザス連銀総裁 「4〜5年で流動性供給が解除されなけらば深刻な問題になる。」過度に低金利を維持しすぎることのないよう注意を促す。 -----
1/13 バーナンキ FRB議長 「追加的資本注入や、(政府)保証が必要になるかもしれなし。」「バッドバンクの設立を含め、FRBは多くの政策主手段を保有している。」ロンドンの講演で、今後の政策運営について。 -----
1/15 トリシェECB総裁 「経済の先行きはさらに弱まっている。」「インフレ圧力が引き続き弱まっている。」「次回の重要な会合は3月だ。」政策金利の引き下げを決めた直後の記者会見で。 ユーロ/ドル1.3060→1.32台へ
1/19 欧州委員会 2009年のユーロ圏実質経済成長率見通しをマイナス1.9%まで落ち込むと発表。 ユーロ/ドル1.3370→1.30台後半へ
1/21 ボルカー元FRB議長 米経済建て直しには「数兆ドルが必要だ。」米公聴会での発言。 ドル売り/円買いが加速。
1/22 ガイトナー次期財務長官 「大統領は中国が自国通貨を操作していると信じている。」「強いドルは米国の国益だ。」上院公聴会で。 後者の発言でややドル高に。
1/27 ガイトナー次期財務長官 「ドルの価値は米国民にとって大変重要。」財務長官就任の上院公聴会で。  -----
1/29 ジョージソロス 「不良資産対応に向け国際的合意を達成させるため、欧州連合が主導して取り組まないかぎり、ユーロは生き残れないかもしれない。」メディアの質問に答えて。  ユーロ/ドル1.31台→1.29台へ
1/29 トリシェECB総裁 「政策金利を2%以下まで引き下げ、景気支援に向け他の策も講じることが可能。」と発言。  ユーロ/ドル1.31台→1.29台へ

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和