2018年1月25日(木) 「米財務長官発言でドル円一時108円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はムニューシン米財務長官の発言に反応し一時109円を割り込む。ドル安容認ともとれる発言にドル全面安の展開に。
- ユーロドルも一段と上昇し、3年1カ月ぶりとなる1.2415までユーロ高が進む。
- 株式市場は米財務長官の発言で荒っぽい動きとなったが、ダウは41ドル上昇。S&P500も小幅に上昇し、揃って最高値を更新する。
- 債券は反落。5年債入札は良好だったものの、午後には売られ下げ幅を拡大。長期金利は2.64%台まで上昇。
- ドル安が進んだことで金は大幅高。前日比19ドル上昇し、1356ドル台に。原油価格も大幅に続伸し65ドル台に乗せる。
11月FHFA住宅価格指数 → +0.4%
12月中古住宅販売件数 → 557万件
**********************
| ドル/円 | 108.97 〜 109.58 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2338 〜 1.2415 |
| ユーロ/円 | 135.02 〜 135.56 |
| NYダウ | +41.31 → 26,252.12ドル |
| GOLD | +19.60 → 1,356.30ドル |
| WTI | +1.14 → 65.61ドル |
| 米10年国債 | +0.033 → 2.647% |
本日の注目イベント
- 独 独1月ifo景況感指数
- 欧 ECB政策金利発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 12月新築住宅販売件数
- 米 12月景気先行指標総合指数
- 米 企業決算 → キャタピラー、インテル、スタ−バックス、3M
- 加 カナダ11月小売売上高
昨日のドル円は110円を割り込んでからは一進一退の動きを続けていましたが、NY市場で109円台半ばを割り込むと、さらにドル売りが加速し、一時108円97銭前後までドル安が進みました。ムニューシン米財務長官が、ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については「全く懸念していない」と、ドル安を容認する発言を行ったことでドルは円だけではなく、ユーロなど主要通貨に対してドル全面安の展開になっています。
この発言を巡ってはその後、ロス商務長官が「米国の長年にわたる強いドル政策の転換を唱えたわけでは全くない」と述べ、投資家が発言に対して過剰反応しているとの認識を示し、火消し役にまわったようですが、ドル売りの流れは止まっていません。もともと年初からドルが売られ易い状況が続いていた中でのこの発言であったため、格好の売り材料を提供してくれた形です。またホワイトハウスのサンダース報道官は「現在、米国が非常に好調で、これまでにないほど力強いため、われわれは非常に安定したドルを持っている」と発言し、「変動相場制が正しいと信じている。大統領はこれまで常にそうしている」と語っています。(ブルームバーグ)
ドルは対ユーロでも売られ、ユーロドルは1.2415近辺まで上昇し、約3年ぶりのユーロ高を記録しました。昨日のこの動きは「円高」ではなく、明らかに「ドル安」の流れでした。ドルは主要通貨に対して売られただけではなく、金に対しても売られ、金価格は1356ドル台まで上昇し、こちらも4カ月半ぶりの高値をつけています。
前日の黒田総裁の出口政策の否定発言でもドルの戻りは限定的で、その後トランプ大統領のセーフガード発動など、米国の保護主義はさらに強まるとの見方も、ドル売りにつながっています。110円を大きく割り込んだことで市場参加者の相場観もドル安に傾いてきたと思われ、ドルの先安観も台頭しています。110円より下の方では目立ったサポートもなく、一気に108円台までドル安が進んだことから、意識されるのは昨年9月につけた107円32銭です。この水準は、昨年1年を通じての円の最高値であり、非常に重要なレベルだと考えます。
急激な円高は輸入物価を押し下げ、2%の物価上昇を掲げる日銀にとっては逆風となり、さらに目標達成が遠のくことになります。またドル円が下落した時には、それなりに反応する日本株にとっても逆風が吹くことになります。今週の動きを見ると、ドル円はネガティブな材料には素直に反応しています。従って、本日も日経平均株価が大きく下げるようだと、昨日のNYでの円の高値をさらに更新する可能性もありそうです。今夜のドラギ総裁の発言にも要注意ですが、一段と進んだユーロ高に対してどのような発言をするのか、ドル円にも影響するため注目です。予想レンジは108円70銭〜109円70銭程度とします。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/6 | トランプ・米大統領 | 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 | -------- |
| 12/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.17台へと下落 |
| 12/18 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 12/21 | 黒田・日銀総裁 | 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 | ドル円上昇のきっけかに |
| 1/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 | 「債券の弱気相場が確認された」 | 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇 |
| 1/11 | ECB議事録 | 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 | ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰 |
| 1/17 | コンスタシオン・ECB副総裁 | 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 | ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落 |
| 1/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ムニューシン・財務長官 | 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 | ドル円109円台から108円97銭まで下落 |



