2018年1月30日(火) 「ドルが対円、ユーロで反発」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は小幅に反発し109円台に乗せる。米長期金利が2.72%まで上昇したことを手掛かりに、109円20銭までドル高が進み、108円台後半で引ける。
- ユーロドルも軟調な展開。1.2336前後までユーロ安が進み、重要イベントを前に利益確定の売りが優勢だった。
- 株式市場は大幅に反落。ダウは177ドル下げ、昨年8月以降では最大の下げ幅を記録。S&P500なども大幅な下げとなり、上昇は一服。
- 債券は反落し、10年債利回りは2014年以降で最高水準となる2.72%まで上昇。
- 金は続落し、原油価格も66ドル台から反落。
12月個人所得 → +0.4%
12月個人支出 → +0.4%
12月PCEコアデフレータ → +1.5%
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| ドル/円 | 108.69 〜 109.20 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2336 〜 1.2390 |
| ユーロ/円 | 134.32 〜 135.02 |
| NYダウ | −177.23 → 26,439.48ドル |
| GOLD | −11.80 → 1,340.30ドル |
| WTI | −0.58 → 65.56ドル |
| 米10年国債 | +0.036 → 2.695% |
本日の注目イベント
- 日 12月失業率
- 独 独1月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏1月消費者信頼感(確報値)
- 米 11月ケース・シラ−住宅価格指数
- 英 英12月消費者信用残高
- 英 カーニー総裁議会証言
- 米 1月消費者信頼感指数
- 米 トランプ大統領、一般教書演説
上値の重い展開が続いているドル円はやや反発し、NY市場では一時109円20銭辺りまでドル高が進みました。米10年債が売られ、長期金利は2014年以降で初めて2.7%を突破したことでドルが買われたものです。金利高にドルが連動した格好でしたが、それでもまだドル上昇の勢いはなく、本日行われるトランプ大統領の一般教書演説の内容を見極めたいとの雰囲気が大勢でした。
この日はユーロドルも売られ、「ドル高」が進んだ印象ですが、特にここ最近の上昇が早かったユーロドルの売りが目立っています。ユードルは1.23台前半まで売られ、直近高値からは200ポイントほど下落したことになります。ユードルの下落が早かったことで、ユーロ円も2週間ぶりに134円台前半まで売られ、クロス円全般で利益確定の売りに押されています。
本日からは今年最初のFOMCも開催され、明日には声明文が発表され、イエレン議長は今週末を持って退任します。今回はFOMC後の記者会見もなく、退任にあたっての特別な会見も予定されていません。静かなイエレン議長の幕引きとなります。4年前、女性初のFRB議長ということで注目され、経済学者として米国の出口戦略を指揮してきました。あの綺麗な白髪が見られなくなると思うと、やや寂しい気もします。
今回のFOMCでは利上げ予測はほとんどなく、昨年12月に引き上げた効果を見極めている状況です。昨日発表された個人消費支出も、市場予想とほぼ一緒で、インフレ率も予想通りでした。個人消費支出は前月分が上方修正され、好調さを維持していることが確認されています。一方で貯蓄率が12年ぶりの低水準だったことで、収入の多くを貯蓄に回さず消費している構図が浮かび上がります。
本日のトランプ大統領の一般教書演説では、これまで1年の実績を強調するものと見られます。税制改革や規制緩和などの取り組みで外資を呼び込み、株価の方もダウは就任時の1万8900ドルから2万6600ドル台と、約40%もの上昇を見せました。 セクハラ問題や差別問題など、依然として口の悪さは変わりませんが、経済成長に多いに貢献したことを強調すると見られます。演説では政権公約の一つである「インフラ投資」にも言及があるかもしれません。
昨日財務省の為替の責任者である淺川財務官と金融庁、日銀の担当者がこのところの円高について緊急の会合を行いました。「市場介入」などの実力行使という話ではなく、市場の動きを注意深く見ていくという程度のものでしたが、ドル円が108円台前半まで円高が進んだことで行動を起こしたことには意味がありそうです。輸出企業の想定レートが109円程度と見られていることで、これ以上急速に円高が進むと、景気に悪影響を及ぼす恐れがあると考えていると受け取れます。ここから想定できることは、昨年の円の最高値である107円32銭の水準が当局にとっても重要な「分水嶺」だと想像できるということです。その前の段階で早めの行動を起こしたと見られます。本日は重要イベントを控えやや動きにくいという印象です。予想レンジは108円40銭〜109円50銭程度とします。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/6 | トランプ・米大統領 | 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 | -------- |
| 12/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.17台へと下落 |
| 12/18 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 12/21 | 黒田・日銀総裁 | 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 | ドル円上昇のきっけかに |
| 1/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 | 「債券の弱気相場が確認された」 | 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇 |
| 1/11 | ECB議事録 | 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 | ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰 |
| 1/17 | コンスタシオン・ECB副総裁 | 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 | ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落 |
| 1/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ムニューシン・財務長官 | 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 | ドル円109円台から108円97銭まで下落 |
| 1/25 | トランプ・大統領 | 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 | ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰 |
| 1/25 | ドラギ・ECB総裁 | 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.25台から下落 |
| 1/26 | 黒田・日銀総裁 | 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 | ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落 |



