2018年2月1日(木) 「FOMC声明を受けドル円109円台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 108円台後半で推移していたドル円は一時109円45銭まで上昇。ADP雇用者数が予想を上回ったことや、FOMC声明では今後も利上げの継続が確認されたことが背景。
- ユーロドルは続伸し、1.2475までユーロ高が進む。ユーロ圏の景気回復や、ECBによるテーパリング観測がユーロ買いにつながる。
- 株式市場は反発。FOMC声明発表後に下げる場面もあったが、ダウは72ドル上昇。ナスダック指数も上昇したが、S&P500は31ポイント続落。
- 債券相場は小幅に反発。長期金利もやや低下したが、2.71%台は維持される。
- 金と原油はともに反発。
1月ADP雇用者数 → 23.4万人
1月シカゴ購買部協会景気指数 → 65.7
12月中古住宅販売成約指数 → +0.5%
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| ドル/円 | 108.79 〜 109.45 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2387 〜 1.2475 |
| ユーロ/円 | 135.38 〜 136.05 |
| NYダウ | +72.50 → 26,149.39ドル |
| GOLD | +3.10 → 1,343.10ドル |
| WTI | +0.23 → 64.73ドル |
| 米10年国債 | −0.005 → 2.714% |
本日の注目イベント
- 豪 豪12月住宅建設許可件数
- 中 中国 1月財新製造業PMI
- 欧 ユーロ圏1月製造業PMI(改定値)
- 英 英1月製造業PMI
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1月ISM製造業景況指数
- 米 企業決算 → ブラックストーン、ダウ・デュポン、アマゾン、アップル、アルファベト
109円を挟んでもみ合いが続くドル円ですが、正直なところ、足元の明確な方向性はなかなか見えてきません。ここ10日ほどの動きを見ると、108円台前半から半ばを試したのは3回ありますが、一方で109円台前半から半ばを試した回数も3回あり、昨日のNY市場で109円45銭まで反発した回数を含めると4回目になります。
そのため、ドルショートの投資家にとっては「下げそうなのに、下げない」という印象が強く、一方ドルロングの投資家にとっては「底堅い割には上昇せず、上値が重い」というイメージが残ります。上記レート内でレンジ相場を繰り返したことで、短期的な動きを示す「1時間足」では「三角もちあい」を形成しつつ、昨日の上昇で、この「もちあい」を上抜けした形を示してきました。
一目均衡表でも雲の上抜けを完成し、MACDでも「プラス圏」に突入しており、テクニカル的には上昇傾向が強まったと見られます。ただ、この状況は以前にもあり、問題はテクニカル通りには動いてくれないところにあります。今回も109円台で戻ってはきましたが、この水準を維持し、109円51銭近辺にある「200時間線」を抜けるかどうかが重要です。もし、しっかりと抜けることできれば、「レンジ相場を上放れた」可能性が高いと言えそうです。
NYでのドル上昇の背景はFOMCの声明発表とADP雇用者数の上振れでした。今回のFOMCは昨年12月に利上げを実施したことに加え、イエレン議長の会見もなく、ほぼ「無風」と見られており、声明文のみに注目が集まっていました。声明では「連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、金融政策スタンスのさらなる漸進的な調整により経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場は力強い状況が続くと見込んでいる。前年比ベースでのインフレ率は今年上昇し、中期的には委員会の目標である2%程度で安定すると見込まれる」と記述され、今後も利上げを継続していくことが確認されました。(ブルームバーグ)イエレン議長は今回のFOMCを最後に退任することになりますが、パウエル新議長も同様なスタンスで臨むものと思われます。
1月のADP雇用者数は、予想の18.5万人に対して23.4万人と、相変わらず労働市場は好調のようです。また1月のシカゴ購買部協会景況指数も予想を上回っています。昨日のトランプ大統領の一般教書演説は「可もなく不可もなく」といったところで、市場へのインパクトはほとんど見られなく、やや肩透かしを食らった感じでした。それでも、今後も緩やかな利上げが見込まれ、インフラ投資などで米景気も拡大するとの観測がドル高につながった印象です。
本日はISM製造業景況指数などの経済指標に加え、企業決済にも注目しています。アップルやアマゾンなどITの中核企業の決算が発表され、その結果によってはやや調整モードが漂い始めた米国株式市場に大きな影響与える可能性があるからです。好調な米国株が本格的な調整局面に入るのか、あるいは再び上昇基調に戻るのか、見極めたいところです。本日のドル円はこれまでよりは堅調だと見られますが、上述のように、まだ明確な方向性は見えず、上値は109円50−70銭辺りがポイントになりそうです。予想レンジは108円70銭〜109円70銭程度とします。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/6 | トランプ・米大統領 | 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 | -------- |
| 12/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.17台へと下落 |
| 12/18 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 12/21 | 黒田・日銀総裁 | 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 | ドル円上昇のきっけかに |
| 1/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 | 「債券の弱気相場が確認された」 | 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇 |
| 1/11 | ECB議事録 | 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 | ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰 |
| 1/17 | コンスタシオン・ECB副総裁 | 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 | ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落 |
| 1/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ムニューシン・財務長官 | 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 | ドル円109円台から108円97銭まで下落 |
| 1/25 | トランプ・大統領 | 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 | ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰 |
| 1/25 | ドラギ・ECB総裁 | 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.25台から下落 |
| 1/26 | 黒田・日銀総裁 | 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 | ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落 |



