今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年2月2日(金) 「米長期金利2.78%台に上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は欧州時間に109円75銭まで買われたが、NYでは一旦下押しする場面もあったが、109円40銭近辺で取引を終える。
  • ユーロドルは続伸。製造業PMIが高水準だったことを受け、1.2522までユーロ高が進む。ユーロは対円でも136円96銭まで買われ、2015年9月以来の水準を記録。
  • 株式市場は続伸。ダウは一時150ドルを超える上昇を見せたが長期金利の大幅な上昇に上げ幅を縮小。結局前日比37ドル高で終え、ナスダックはマイナス圏に沈む。
  • 債券相場は大幅に続落し、長期金利は2.78%台へと急上昇。
  • 金と原油価格はともに反発。
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 新規失業保険申請件数 → 23.0万件
 1月ISM製造業景況指数 → 59.1
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ドル/円 109.23 〜 109.69
ユーロ/ドル 1.2437 〜 1.2522
ユーロ/円 135.97 〜 136.96
NYダウ +37.32 → 26,186.71ドル
GOLD +4.80 → 1,347.90ドル
WTI +1.07 → 65.80ドル
米10年国債 +0.077 → 2.782%

本日の注目イベント

  • 欧 ユーロ圏12月生産者物価指数
  • 米 1月雇用統計
  • 米 1月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → エクソン、シェブロン、スプリント

前日、今年に入って最大の下げ幅を記録した日経平均株価が昨日は、その下げ幅を上回る387円高と急騰したことで、ドル円も109円台半ばを超え、欧州市場では109円75銭前後までドル高が進んでいます。このレベルは先月26日にも記録し「目先の天井」をつけて反落した水準だったこともあり、その後109円台前半まで押し戻されましたが、このところ市場では支配的だった「とにかくドルの戻りを売っておけばいい」という見方はやや後退したと見られます。

特に昨日の動きは「ドル高」というよりも「円の全面安」の側面が強く、ユーロ円は一時137円に届く水準まで「ユーロ買い円売り」が進み、2015年9月以来の高水準を記録しました。このほかにもポンド円は156円台に乗せ、こちらも2016年6月以来のポンド高水準です。

背景は、ユーロ圏では政策金利を現行の水準に据え置く期間について、ECBはより明確なシグナルを投資家に送るべきだとの意見が一部当局者の中でも高まってきたと、ブルームバーグは報じています。景気回復を理由に、早めに政策変更のフォワードガイダンスに踏み切るべきだとの声が高まっているということです。またポンドについても5月には0.25%の利上げを実施するではないかとの見方が強まっています。

今週のFOMCで政策金利据え置きを決めたFRBでも、3月の会合での利上げ確率は直近では93%まで上昇しています。市場では、「3月利上げはほぼ間違いない」と予想しているということです。一方、出口戦略への一歩を踏み出したのではないかとの疑念が浮上している日銀は、その疑念を払拭しようと躍起になっており、ようやく市場もやや落ち着きを取り戻して来たようにも思えます。結局、中銀の金融政策の方向性の違いに再び市場が着目しはじめたのではないかと考えています。

ドル円は109円75銭まで上昇したことで「1時間足」では雲抜けと、重要な移動平均線抜けを完成させていますが、その上の「4時間足」ではまだ雲の中に入ったままです。この雲を上抜けするには110円台に乗せる必要がありますが、今夜の雇用統計次第というところです。ただ基本となる「日足」ではまだ雲抜けは遠く、ここから上昇するとしても日足のトレンド転換にはまだ時間がかかることを示唆しているようです。注目の「平均時給」は前年比で2.6%と予想されていますが、これが上振れすれば110円台テストもあるかもしれません。レンジはワイドに、108円60銭〜110円10銭程度と予想します。


好調だった株価にもややブレイキがかかり、ひょっとしたら「調整局面入り」かと思わせる動きを見せている日経平均株価ですが、個人投資家の買い意欲は強いようです。それを裏付けるのが、東洋経済新報社が発行する「会社四季報」の売れ行きです。昨年15日発売の「新春号」の売れ行きが好調で、前年同期比で5割増えているそうです。株価が上がれば、こんなところにも「経済効果」があるんですね。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
12/6 トランプ・米大統領 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 --------
12/14 ドラギ・ECB総裁 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.18台から1.17台へと下落
12/18 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
12/21 黒田・日銀総裁 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 ドル円上昇のきっけかに
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
1/17 コンスタシオン・ECB副総裁 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落
1/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/24 ムニューシン・財務長官 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 ドル円109円台から108円97銭まで下落
1/25 トランプ・大統領 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰
1/25 ドラギ・ECB総裁 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.25台から下落
1/26 黒田・日銀総裁 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和