2018年2月5日(月) 「ドル円110円台を回復」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は良好な雇用統計を受け110円台を回復。一時110円48銭までドル高が進んだが、株価が大幅に下げたことを材料に110円15銭前後まで押し戻されて越週。
- ユーロドルは1.25手前まで買われたものの反落。137円半ばまで上昇したユーロ円の利益確定の売りとともに1.2409まで下げる。
- 株式市場は急落。雇用統計の結果を受け、長期金利が2.85%まで上昇したことを嫌気した売りが殺到。ダウは前日比665ドル下げ他の主要指数も軒並み大幅安。
- 債券相場は続落。FRBの利上げ観測の高まりもあり、債券は売られる、長期金利が9年ぶりとなる2.85%台まで上昇。
- 金、原油はともに売られる。
1月失業率 → 4.1%
1月非農業部門雇用者数 → 20.0万人
1月平均時給 (前月比) → +0.3%
1月平均時給 (前年比) → +2.9%
1月労働参加率 → 62.7%
1月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 95.7
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| ドル/円 | 109.84 〜 110.48 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2409 〜 1.2498 |
| ユーロ/円 | 136.99 〜 137.51 |
| NYダウ | −665.75 → 25,520.96ドル |
| GOLD | −10.60 → 1,337.36ドル |
| WTI | −0.74 → 65.06ドル |
| 米10年国債 | +0.059 → 2.841% |
本日の注目イベント
- 中 中国 1月財新サービス業PMI
- 中 中国 1月財新コンポジットPMI
- 欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏12月小売売上高
- 英 英1月サービス業PMI
- 米 1月ISM非製造業景況指数
いつか大幅な下げがあるだろうと見られていたNY株式市場は先週末、1月の雇用統計を受け大幅な下げに見舞われ、ダウはリーマンショック後最大の下げ幅となる665ドルの急落となりました。
1月の雇用統計では、雇用者数は20万人と予想を上回り、失業率も4.1%と予想通り。ここまでは驚きはなかったものの、平均時給の前年比が2.9%と予想を大きく上回り、9年ぶりの高水準になったことで、FRBの利上げ回数予想3回が正当化され、さらには「4回もあり得る」との見方が急速に広がり、金利上昇を嫌う株式市場に売りが広がったものです。
そもそもダウは2万5000ドルを超えてからの上昇スピードが速く、いつ調整がおきてもおかしくはなかった状況でした。1月30日にダウは前日比362ドルも下げ、この動きが調整の第一歩だったのかもしれません。1月4日に初めて2万5000ドルの大台を達成してから1月26日には2万6600ドル台まで駆け上がったダウは、やはり買われすぎの感は否めません。市場がはやし立てた「適温相場」が崩れかけているのもしれません。問題は今回の「暴落」が、単なるスピード調整に終わるのか、あるいは本格的な「調整局面入りの第一歩」なのかという点です。
個人的には前者ではないかと考えています。米景気は好調で、だからこそ金利が徐々に上昇してきたわけです。今後インフラ投資も加速され、さらに景気は刺激されると思われます。今回の下げは、短期的に上げ過ぎた反動の側面が大きいと思われます。少なくとも2008年のリーマン・ブラザ−スの破綻といった金融不祥事があったわけではありません。
為替市場は冷静でした。もっとも米金利の上昇は日米金利差の拡大を意味し、このところ金利との相関が崩れてきたとは言え、9年ぶりの高水準を記録した米金利は機関投資家にとっては魅力的と言えなくはありません。ドル円の今の水準と金利差を考えたら米国債への投資が増える可能性があり、ドル円の下支えになるとも言えます。
さすがに2.85%台まで上昇した米金利に反応したドル円ですが、先週末のドル円は、この欄でも指摘したように110円台半ばで一旦上昇を止められた形になっています。このまま110円台を固め、111円を伺うような動きになれば、先週記録した108円28銭は、目先の底値の可能性が出てきます。ただ、今日の日経平均株価がNYの株価の下落を見てどのように反応するのかがポイントになるのではないかと思います。日経平均株価が大きく下げるようなことがあれば、その時にはドル円も円高になる可能性があるからです。
上記NY株が本格的な調整入りなのかどうかと同じように、まだ出遅れている日本株がここから大きく下げずに、粘り腰を見せるかどうかにも注目です。また、「弱き相場入りした」米債券がさらに売られ、3%台まで金利高が続くのかどうかにも注意しなければなりません。そして、今夜のNY株の動きも大切なことは言うまでもありません。
本日は神経な展開が予想されます。レンジは109円50銭〜110円50銭程度と見ます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/6 | トランプ・米大統領 | 「減税が実現すれば米国の成長率が14年ぶり高水準に達することもあり得る。4%、5%、さらに6%に届かない理由は見当たらない」閣僚らに。 | -------- |
| 12/14 | ドラギ・ECB総裁 | 「インフレが中期的に自立的な軌道に収れんしていくことへの自身の深まりを反映した」「域内物価圧力は全体として依然弱く、持続的な上向きトレンドを確信させる兆候はまだ見られない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.18台から1.17台へと下落 |
| 12/18 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「来年は3回くらい利上げ、2019年には2−3回の利上げが妥当な見方のようだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 12/21 | 黒田・日銀総裁 | 「リバーサルレートの学術的な分析を取り上げたからといって、昨年9月以来の長短金利操作付き量的・質的金融緩和について何か見直しや変更が必要だという事は全く意味しない」決定会合後の記者会見で。 | ドル円上昇のきっけかに |
| 1/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 | 「債券の弱気相場が確認された」 | 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇 |
| 1/11 | ECB議事録 | 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 | ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰 |
| 1/17 | コンスタシオン・ECB副総裁 | 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 | ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落 |
| 1/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ムニューシン・財務長官 | 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 | ドル円109円台から108円97銭まで下落 |
| 1/25 | トランプ・大統領 | 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 | ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰 |
| 1/25 | ドラギ・ECB総裁 | 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.25台から下落 |
| 1/26 | 黒田・日銀総裁 | 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 | ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落 |



