今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年2月13日(火) 「ドル円108円台で膠着」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は108円台で推移。NYダウが500ドルを超える上昇を見せた際に108円80銭前後までドルが買われたものの、上値の重さは変わらず。
  • ユーロドルは1.22台で小動き。ユーロ円が買い戻されたが、ユーロドルの上値も徐々に重くなる。
  • 株式市場は続伸。ダウは一時570ドルほど上昇し、引き続き荒っぽい動きが継続。引けでは410ドル高し、ナスダックも続伸して年初来でプラスに。
  • 債券相場は小幅に続落。長期金利は2.86%近辺まで上昇。
  • 金と原油は共に反発。原油価格は7営業日ぶりにプラスに。
ドル/円 108.44 〜 108.81
ユーロ/ドル 1.2235 〜 1.2297
ユーロ/円 132.90 〜 134.64
NYダウ +410.37 → 24,601.27ドル
GOLD +10.70 → 1,326.40ドル
WTI +0.09 → 59.29ドル
米10年国債 +0.007 → 2.858%

本日の注目イベント

  • 欧 IEA月報
  • 英 英1月物価統計
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演

ドル円は108円台でもみ合っており、方向感の出ない展開が続いていますが、材料は引き続き、株の行方と日銀の出口戦略への思惑です。連休前の先週末には、NYダウが500ドルを下げる場面があり、ドル円も一時108円05銭までドル安が進みました。

108円台割れは避けられたものの、この水準は今年のドルの最安値になります。その後、日経新聞が「黒田総裁続投」との記事を一面トップで報じたことで、現行の金融緩和政策が維持されるとの見方からドル円は109円台まで戻しましたが、上値の重さは相変わらずです。昨日は株価が連日で大幅に反発したものの、108円台半ばから後半での推移に留まっており、米長期金利は引き続き高水準に留まっています。

足元のドル円と株価、金利の関係を見ると、金利が上昇すると株価が下落する傾向にあり、その際にはドル円が「株安からリスクオフが進み円が買われる」状況です。一方、金利が低下すると株価が上昇しますが、今度は「金利低下に反応して」ドル安が進んでいるように思えます。つまり、足元の動きはどちらかといえば「円高方向に」行きたがっているような印象です。

もっとも、そうはいっても日米欧の中銀の金融政策の違いは明らかであり、ここから積極的に円買いでいくのもリスクを伴います。108−110円のレンジ内の動きの中、抜けた方向についていくということかと思います。ここは自分の相場観に縛られずに、柔軟に対応することが肝要です。テクニカルでは先週末に108円05銭までドル安が進んだこともあり、やや下落方向に傾いていると見ています。

トランプ大統領は12日、4兆4000億ドル(約478兆円)規模の2019年度(2018年10月〜19年9月)予算教書を議会に提出しました。予算教書は国防費と移民法執行費用を拡大する一方で、環境関連予算や給付金を削減しています。メディケアなどのセーフティーネット・プログラムの削減も求め、これらで捻出した予算の一部はメキシコ国境の壁建設や国防費拡大に充てる計画と伝えられています。(ブルームバーグ)

本日は日本株もさすがに上昇すると見られますが、なかなかドル円がその動きに反応しないことも想定できます。やはり主戦場はNYであって、NY株と金利の動きを見るしかありません。予想レンジは108円20銭〜109円20銭程度とします。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
1/17 コンスタシオン・ECB副総裁 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落
1/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/24 ムニューシン・財務長官 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 ドル円109円台から108円97銭まで下落
1/25 トランプ・大統領 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰
1/25 ドラギ・ECB総裁 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.25台から下落
1/26 黒田・日銀総裁 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和