今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年2月14日(水) 「ドル円5カ月ぶりに107円台半ばへ」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は昨年9月以来となる108円を割り込み、一時107円40銭までドル安が進む。日米の株価の下げがリスクオフを意識させ円が買われた。引け値はやや反発し107円80銭前後。
  • ドル安が進んだことで、ユーロドルは反発。1.2371まで買われ、1.22が目先の底値に。
  • 株価は朝方下げたものの、ダウは引け値で39ドル高と3日続伸。他の主要株価指数も揃って上昇。
  • 債券は反発し、長期金利は2.83%台へと低下。
  • 金は続伸し、原油は反落。
ドル/円 107.40 〜 107.84
ユーロ/ドル 1.2327 〜 1.2371
ユーロ/円 132.69 〜 133.27
NYダウ +39.18 → 24,640.45ドル
GOLD +4.10 → 1,330.40ドル
WTI −0.10 → 59.19ドル
米10年国債 −0.027 → 2.831%

本日の注目イベント

  • 独 独10−12月期GDP(速報値)
  • 独 独1月消費者物価指数(改定値)
  • 欧 ユーロ圏12月鉱工業生産
  • 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(改定値)
  • 米 1月消費者物価指数
  • 米 1月小売売上高

ドル円はついに108円を割り込み、昨年9月8日以来の円高水準となる、107円40銭前後まで売られました。先週末には108円05銭までドル売りが進む場面もありましたが、108円台は維持して小幅に反発していましたが、昨日の東京タイムの株価の動きが、108円割れのきっかけをつくったと認識しています。

東京市場が3連休だったこの間のNYダウの上げ幅は740ドルを超え、108円台後半と、ドル円がやや円高傾向ではあったものの、連休明けの日本株も300円から500円程度上昇するイメージでした。朝方こそ300円を越える上昇を見せたものの、午後にはマイナスに転じ、一時200円近く下げる場面もありました。このところのドル円は株価の下落時には素直に反応する傾向があり、この株価の動きを見て108円割れを意識した次第です。幸いNY株は粘り腰を見せたことで107円台後半までドルは小幅に反発していますが、昨年9月の107円32銭という水準を抜けるかどうかが、大方の注目点になっています。

ドル円が約5カ月ぶりに107円台半ばまで下落したことで、「日足」のMACDも再び「デッドクロス」を示してきました。昨日は米長期金利が下げましたが、依然高水準であることに変わりありません。ゴールドマンは半年以内に長期金利は3.5%まで上昇するとの予想を発表しています。今後金利上昇が続くと見られますが、金利高が必ずしも株安につながるわけではありません。NY株が、どこまで金利上昇に対する抵抗力をつけるのかが注目されます。

パウエルFRB議長は昨日ワシントンで開かれた就任式典で講演し、「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」と述べるとともに、「金融安定化へのいかなるリスクの高まりにも引き続き警戒する」と語っています。(ブルームバーグ)金利上昇に端を発した株価の急落に見舞われたここ10日間であったことから、今後の利上げスキームにもブレイキがかかり、これまでよりもより慎重な発言になるとの見方もありましたが、今回の発言では緩やかな利上げを継続するとの姿勢に変化はなかったようです。

裏を返せばFRBが今後も米景気がさらに拡大することに自信を持っていることと、足元の株価の急落は「一時的なもの」と判断していることの証左であるとも受け取れます。そういえば先週、FOMCでは常に副議長を務めるNY連銀のダドリー総裁も講演で、株価の急落は「Small potatoes」(取るに足らない)と表現していました。FRB高官の一連の発言が依然として強気なのもやや気になります。もっとも、FRBが今後混乱を避ける意味で利上げに慎重な姿勢を見せるようだと、これも円高要因と捉えられ、ドル売りにつながる可能性もあります。足元の市場のセンチメントが依然として円高要因には敏感だということです。本日のドル円は107円〜108円20銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
1/17 コンスタシオン・ECB副総裁 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落
1/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/24 ムニューシン・財務長官 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 ドル円109円台から108円97銭まで下落
1/25 トランプ・大統領 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰
1/25 ドラギ・ECB総裁 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.25台から下落
1/26 黒田・日銀総裁 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
2/13 パウエル・FRB議長 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和