今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年2月15日(木) 「ドル円106円台半ばまで下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京時間に106円84銭まで下落したドル円は、NYでは一旦反発したものの再び売られ、106円73銭までドル安が進む。長期金利の上昇や株高には反応せず、ドル売りが優勢に。
  • ユーロドルは反発。ユーロ圏の景気回復を材料にユーロは買われ、10日ぶりに1.2465までユーロ高が進む。
  • 株式市場は4日続伸。VIX指数が低下したことを手掛かりに買いが優った。ダウは253ドル上昇し、ここ4営業日で1000ドルほどの反発を見せる。
  • 債券相場は続落。1月の消費者物価指数が予想を上回ったことで売りが膨らむ。長期金利は2.9%を超え、2.91%台でクローズ。
  • 金は大幅に続伸し1358ドル台に、原油価格も大幅に反発し60ドル台を回復。
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 1月消費者物価指数 → 0.5%
 1月小売売上高 → −0.3%
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ドル/円 106.73 〜 107.54
ユーロ/ドル 1.2276 〜 1.2465
ユーロ/円 131.60 〜 133.39
NYダウ +253.04 → 24,893.49ドル
GOLD +27.60 → 1,358.00ドル
WTI +1.41 → 60.60ドル
米10年国債 +0.087 → 2.917%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1月雇用統計
  • 日 12月鉱工業生産(確定値)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 2月NY連銀製造業景気指数
  • 米 1月生産者物価指数
  • 米 2月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米 1月鉱工業生産
  • 米 1月設備稼働率
  • 米 2月NAHB住宅市場指数
  • 欧 ユーロ圏12月貿易収支

昨日の東京時間午後には107円台を割り込み、106円84銭までドル安が進みました。やはり昨年のドルの最安値であった107円32銭を抜けると、ストップロスなども含め、ドル売りが加速する「定石通り」の動きでした。海外市場では一旦107円台半ばまで戻したものの、NYでは再びドル売りが強まり106円73銭前後まで下落し、107円前後でNYでの取引を終えました。

注目されていた米1月の消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る、前月比+0.5%でした。総合指数も前年比+2.1%で、予想を上回っています。減税や原油高の影響もあり、上振れはある意味当然とも見られていましたが、この結果を受けて債券市場では債券が一段と売られ、長期金利は2.91%台へと急騰しました。この水準は約4年ぶりの高水準になります。

ただ、それでも昨日はNY株式市場では株が買われ、これで4日続伸となり、ダウは合計で1000ドル余り上昇したことになります。今回も、米株は日本株に比べ回復力が早いという印象です。株価上昇の背景の一つはVIX指数(恐怖指数)の低下が挙げられます。今回の株価の混乱で一時は「50」近辺まで急上昇した同指数は、昨日は「19」辺りまで下げ、「20」を超えると恐怖が高まると言われている同指数の低下が株高につながったと見られます。

ドル円は107円台を割り込んだことで心理的な節目である105円までは重要なサポートは見当たりません。ドル売りを仕掛ける向きも、その辺りの状況も考えているものと思われますが、今月2日(金)の雇用統計直後には110円台半ばで推移していたドル円はこれで約4円程下落したことになります。108円を割り込んだ際に、財務省、金融庁、日銀が緊急の会合を開き、協議した経緯もあります。急速な円高が進むようだと、「口先介入」も予想されますが、それでも市場のセンチメントはドル安に傾いており、足元のセンチメントを変えるのはそう簡単ではないようです。特に昨日は「株価と金利高」が進み、いずれもドル高材料があった中でのドル下落でした。昨年のドルの最安値である「107円32銭を割り込んだ」という事実が、上記材料を一蹴したということでしょうか。

なかなかドル浮上のきっけが掴めない状況が続いています。従って、ドルが下げたところを拾う戦略は機能しなくなっています。ドルの戻りを売り、下げたら買い戻すしか機能しないのかもしれません。「1時間足の雲」がドルの上昇を抑えているのが見て取れます。本日のレンジは106円〜107円20銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
1/17 コンスタシオン・ECB副総裁 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落
1/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/24 ムニューシン・財務長官 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 ドル円109円台から108円97銭まで下落
1/25 トランプ・大統領 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰
1/25 ドラギ・ECB総裁 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.25台から下落
1/26 黒田・日銀総裁 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
2/13 パウエル・FRB議長 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和