今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年2月19日(月) 「ドル円105円台から反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は106円台に反発。東京タイムに105円台半ばまでドルが売られたが、3連休前のポジション調整との見方。経済指標も良好で、VIX指数も安定したことでドルの買い戻しが進んだ。
  • ユーロドルは小幅に売られた。ドル高が進んだことで、1.2393まで売られ、前日の水準を切り下げた。
  • 株式市場はまちまち。ダウは小幅ながら6日続伸し、ナスダックは16ポイント下落。
  • 債券相場は続伸。買いが優勢となり、2日ぶりに2.9%台を割り込み2.87%まで低下。
  • 金は反発し、原油は続伸。
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 1月住宅着工件数 → 132.6万件
 1月建設許可件数 → 139.6万件
 2月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 99.9
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ドル/円 105.92 〜 106.40
ユーロ/ドル 1.2393 〜 1.2474
ユーロ/円 131.81 〜 132.55
NYダウ +19.61 → 25,219.38ドル
GOLD +0.90 → 1,356.20ドル
WTI +0.27 → 61.61ドル
米10年国債 −0.033 → 2.875%

本日の注目イベント

  • 日 1月貿易収支
  • 米 株式、債券市場休場(プレジデンツデー)

ドル円は先週末の東京タイムに106円を割り込み、その後もドル売りが優勢となったことで、一時105円55銭前後までドル安が進みました。この水準は1年3カ月ぶりのことで、2016年11月のトランプ大統領誕生直後の水準となります。先週水曜日に昨年のドルの最安値である107円32銭を抜けてからは一気に105円台までドル安が進み、このままでは心理的な節目の105円も視野に入った感もあり、政府は急遽会合を開いています。

財務省と金融庁、日銀は会合を開き意見交換を行いました。財務省の淺川財務官は現在の為替の動きは「一方的に偏っている」とし、「これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」とのコメントを発表しています。このコメントが効いたわけではありませんが、ドル円はNYでは106円40銭まで反発しています。

ただこのまま110円に向かってドルが反発するとも思えません。米長期金利の急騰が引き金となってNY株が急落し、この株安が世界同時株安につながり、リスクオフから円を買う動きが強まったのが今回のドル安の背景です。従って、米金利が元の水準に戻れば株価は落ち着くと思われますが、そうなると米金利低下が新たな円買い材料にもなりかねません。また1兆5000億ドルのインフラ投資を決めたことから、米長期金利には上昇圧力がかかっており、元の水準に戻るとも思えません。金利上昇は必ずしも株価の下落要因というだけではないはずですが、「適温相場」に長く慣れすぎた反動が「株安・債券安」につながったということです。

一方で市場沈静化の兆しも出ています。NYダウは先週末も小幅ながら上昇し、これで6日続伸です。この間の上げ幅も1300ドルを超えています。またS&P500も先週末は下落したものの、週間ではここ5年間で最大の上昇幅を記録しています。売られすぎということもあったでしょうが、株式市場が金利上昇を徐々に受け入れてきたということと認識しています。因みに「VIX指数」も危険水域と言われる「20」を割り込んだ状態です。

問題はこの先株式市場と債券市場がいつ落ち着きを取り戻し、正常に戻るのかという点です。米景気の好調さは引き続き崩れてはいないと見られます。先週末発表の2月ミシガン大学消費者マインドは「99.9」と、好調でした。また住宅着工件数は2016年10月以来となる高水準でした。両市場の混乱は、今月一杯くらいで収まるのではないかと見ています。

本日はNY市場では債券と株が休みです。そのため為替の値動きも限定的かと思われます。予想レンジは105円80銭〜106円60銭程度と見ます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
1/17 コンスタシオン・ECB副総裁 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落
1/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/24 ムニューシン・財務長官 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 ドル円109円台から108円97銭まで下落
1/25 トランプ・大統領 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰
1/25 ドラギ・ECB総裁 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.25台から下落
1/26 黒田・日銀総裁 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
2/13 パウエル・FRB議長 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 --------
2/16 淺川・財務官 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和