今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年2月23日(金) 「ユーロ円3カ月ぶりに131円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は107円台を維持できず反落。米長期金利の低下を材料にドル売りが優勢となり、106円60銭までドル安が進む。
  • ユーロドルは上値が重く、1.2264近辺まで売られる。ユーロは対円でも131円台前半まで売られ、昨年11月以来のユーロ安を記録。
  • 株式市場は反発したものの、ハイテク銘柄の多いナスダックは8ポイント下落。ダウは164ドル上昇し、前日の下げ分を埋める。
  • 前日2.95%まで上昇した長期金利は低下。値ごろ感からの債券買いも入り、価格は上昇。
  • 金は小幅に続伸。原油価格は大幅に反発し、2週間ぶりに62ドル台に。
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 新規失業保険申請件数 → 22.2万件
 1月景気先行指標総合指数 → 1.0%
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ドル/円 106.60 〜 107.12
ユーロ/ドル 1.2264 〜 1.2352
ユーロ/円 131.28 〜 131.95
NYダウ +164.70 → 24,962.48ドル
GOLD +0.60 → 1,332.70ドル
WTI +1.09 → 62.77ドル
米10年国債 −0.031 → 2.919%

本日の注目イベント

  • 日 1月消費者物価指数
  • 独 独10−12月期GDP(改定値)
  • 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 加 カナダ1月消費者物価指数

順調に回復して107円台で推移していたドル円は、結局108円手前を何度かテストしたものの抜けきれずに反落しています。107円を割り込み、NY市場では106円60銭前後までドル安が進みましたが、108円台乗せがかなわなかったことと米長期金利が低下したことが、下落の主因と思われます。NYダウは金利低下を好感して164ドルの上昇を見せましたが、為替は金利に反応する展開でした。

株価や金利との連動が薄れているドル円ですが、ここ数日で見る限り連動性が戻ってきた印象もあります。そうだとすれば、先週末には105円台半ばまで急速にドル安が進みましたが、あのような極端なドル安は避けられるようにも思います。米長期金利はこの先も上昇圧力が強く、3%を超えると見ているからです。再び105円台までドル安が進む可能性は否定できませんが、そのスピードは先週のように「急落」することはないと思われます。

今後の焦点は米長期金利の動きとともに、今年の利上げが何回行われるのかという点です。良好な米景気に減税やインフラ投資などの景気刺激策が講じられることで、市場の利上げ観測も、これまでの「せいぜい2回」といった見方から「3回あるいは4回」と、上方修正されている状況です。来週28日にはパウエルFRB議長の議会証言が予定されていますが、ここで議長がもう一段利上げペースが加速する方向性を示してくるのかどうかも注目されます。

ダラス連銀のカプラン総裁は昨日の講演で「われわれはインフレに関して今年若干前進すると思うが、それは近年米国が目にした大幅上昇にはならないだろう」との見方を示しました。(ブルームバーグ)今回の金利上昇を引き金に混乱が続いている株式市場を意識した発言のようにも思えますが、米長期金利が3%を超えてくるのは時間の問題かと思います。

106円台半ばまで下落してきたドル円は、「4時間足」の雲の下限まで落ちて来ました。ここをしっかりと割り込むと再び105円台が見えてくることにもなりますが、上述したように今回は一気に105円台半ばを試す展開ではないと予想しています。移動平均線を見ると、「4時間足」よりも足の長いチャートでは、最も長い「200日線」が上で、短い「52日線」が下に位置していることから、 依然としてトレンドは下向きであると考えられます。そのため、まだドルの戻りを売るスタンスが優位かと思います。

ユーロドルの上値がやや重くなってきました。1月に続き、今月16日にも1.25台までユーロ高が進みましたが、いずれも押し戻されており、ダブルトップの形状を見せています。1.22−1.25のレンジを形成していると見られますが、今週は来月に行われるイタリアの総選挙や独メルケル政権の不透明さが意識され、ECBによる金融政策の変更は忘れ去られた印象です。1.22を割り込むと、1.20を試す展開も予想されますが、それほど深押しはないと見ています。本日のドル円は106円20銭〜107円20銭程度を予想します。


日本は世界でも有数な現金が使われる国ですが、キャッシュレス化の波は確実に拡大しているようです。ブルームバーグによると、最もキャッシュレス化が進んでいる国としてスウェーデンを挙げています。店舗やレストランで「現金お断り」の看板を見かけることは珍しくなく、調査によれば、昨年に現金決済を少なくとも週1回行ったスウェーデン人は全体のわずか25%で、一切現金を使わないか、年1、2回だけと回答した人は36%もいたそうです。驚いたことに、現金を置かない銀行の店舗も 出てきたとか。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
1/8 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 --------
1/9 ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 「債券の弱気相場が確認された」 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇
1/11 ECB議事録 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰
1/17 コンスタシオン・ECB副総裁 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落
1/17 カプラン・ダラス連銀総裁 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 --------
1/24 ムニューシン・財務長官 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 ドル円109円台から108円97銭まで下落
1/25 トランプ・大統領 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰
1/25 ドラギ・ECB総裁 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.25台から下落
1/26 黒田・日銀総裁 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
2/13 パウエル・FRB議長 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 --------
2/16 淺川・財務官 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 --------
2/21 FOMC議事録 「メンバーらは、短期的な経済見通しの強まりによる、FF金利の漸進的な上向き軌道が適切になる可能性が一段と高まったとの認識で一致した」 米金利上昇。ドル円も買われる。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和