2018年2月27日(火) 「FRB議長証言待ち」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場で売られ、106円37銭前後までドル安が進んだものの、NYでは堅調に推移。一時107円台を回復したが、今夜のパウエル議長の証言を見極めたいとする雰囲気から上値も伸びず前日とほぼ変わらない水準で引ける。
- ユーロドルは上昇したものの続かず、1.2278まで反落。
- 株式市場は続伸。金融やテクノロジー株を中心に買いが継続。ダウは約400ドル上昇し、ここ3日間で900ドルを超える大幅高に。
- 債券市場はほぼ変わらず。債券に対する見方も強弱分かれており、今夜の議長証言を待つ姿勢が強まった。長期金利は2.862%と、小幅に低下。
- 金と原油は共に上昇。
| ドル/円 | 106.74 〜 107.07 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2278 〜 1.2327 |
| ユーロ/円 | 131.31 〜 131.74 |
| NYダウ | +399.28 → 25,709.27ドル |
| GOLD | +2.50 → 1,332.80ドル |
| WTI | +0.36 → 63.91ドル |
| 米10年国債 | −0.004 → 2.862% |
本日の注目イベント
- 独 独2月消費者物価指数(速報値)
- 独 独連銀が年次報告公表
- 欧 ユーロ圏2月景況感指数
- 欧 ユーロ圏2月消費者信頼感(確報値)
- 米 1月耐久財受注
- 米 1月FHFA住宅価格指数
- 米 12月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 2月消費者信頼感指数
- 米 2月リッチモンド連銀製造業指数
- 米 イエレン前FRB議長とバーナンキ元FRB議長が会談
- 米 パウエル・FRB議長、下院金融委員会で証言
ドル円は上値が重く、昨日は日経平均株価の上昇でドルが買われるところを見計らったような売りも散見されました。一時は106円37銭前後まで売られ、海外市場では106円割れも意識されましたが、NY市場ではドルが買われ、107円台に乗せる場面もありました。
昨日のNY市場では米長期金利が下がったとは言え、前日とほぼ変わらない水準です。それにも関わらず株価の方は大幅に続伸しています。パウエルFRB議長の議会証言で、株価にプラスの発言があったとしたら理解できますが、証言は今夜です。それにも関わらずダウは約400ドル上昇し、これで3日続伸し、この間の上げ幅は900ドルを超えています。これで今月大きく下落した値幅の7割程度を埋めたことになり、日本株とのパフォーマンスの違いを見せつけられた形になっています。
今朝のブルームバーグニュースでは、IMMの投機筋のポジションは依然として「円売り・ドル買い」のポジションが高水準で、これが将来のドル下落要因の一つであるとする見方に、実は「投機筋の円ロングは、潜在的なドル高・円安要因」との記事を掲載しています。通常われわれが注目しているのは「非商業筋」といわれるもので、これは現時点でも10万枚を超える「ドル買い(ドルロング)」ですが、それ以外にも「非報告先分」という、小規模ですが、円相場の変動に応じて機動的に動かすポジションを紹介しています。
現在このポジションが「ドルショート」になっており、直近では2008年のリーマンショック後の水準に接近していると指摘しています。今後ドル円が上昇したら、機動的に動くためドル高要因になる可能性があるということのようです。しかしながら、このポジションが市場に与える影響は未知数であって、直ぐに解消されるものではないと、個人的には思います。トレンドが大きく転換する際などには注意が必要かもしれませんが、通常の動きの中では気にする必要はないと考えますが、そのようなポジションもあるのだという程度の認識でいいのではないでしょうか。
ドル円は今夜のパウエル議長の議会証言次第です。長期金利が大きく動き、それにともなって株価も乱高下し、ドル円も上下に振られる展開が予想されます。ただ、昨日のNY市場では長期金利が若干ですが低下し、株価が大きく上昇しています。市場は、「パウエル議長が利上げに対して慎重な姿勢を示す」と予想しているということのようです。106−108円のレンジのどちらが抜けるのか注目です。本日の予想レンジは106円30銭〜107円60銭程度とします。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 | 「債券の弱気相場が確認された」 | 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇 |
| 1/11 | ECB議事録 | 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 | ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰 |
| 1/17 | コンスタシオン・ECB副総裁 | 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 | ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落 |
| 1/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ムニューシン・財務長官 | 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 | ドル円109円台から108円97銭まで下落 |
| 1/25 | トランプ・大統領 | 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 | ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰 |
| 1/25 | ドラギ・ECB総裁 | 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.25台から下落 |
| 1/26 | 黒田・日銀総裁 | 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 | ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落 |
| 2/7 | トランプ・米大統領 | 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 | -------- |
| 2/7 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 | -------- |
| 2/7 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 | -------- |
| 2/13 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 | -------- |
| 2/16 | 淺川・財務官 | 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 | -------- |
| 2/21 | FOMC議事録 | 「メンバーらは、短期的な経済見通しの強まりによる、FF金利の漸進的な上向き軌道が適切になる可能性が一段と高まったとの認識で一致した」 | 米金利上昇。ドル円も買われる。 |



