2018年3月5日(月) 「ドル円1年4カ月ぶりに105円台前半に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は2016年11月以来となる105円台前半までドル安が進む。日銀総裁が出口戦略に言及したことや、米国の保護貿易が強まったことへの懸念が背景。引けにかけてはややドルは買い戻され105円75銭近辺で取引を終える。
- ユーロドルはイタリアの選挙などを控え小動き。1.23を挟んだもみ合いが続く。対円ではドル円が下落したこともあり、129円台半ばまで円高が進む。
- 株式市場はまちまち。ダウは3日続落したものの、ナスダックとS&P500は反発。
- 債券相場はほぼ変わらず。株式市場に比べ、こちらはやや落ち着いた動きを見せ、長期金利は2.86%台で越週。
- 金は大幅に反発し、原油も上昇。
2月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 99.7
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| ドル/円 | 105.24 〜 105.78 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2294 〜 1.2336 |
| ユーロ/円 | 129.62 〜 130.38 |
| NYダウ | −70.92 → 24,538.06ドル |
| GOLD | +18.20 → 1,323.40ドル |
| WTI | +0.46 → 61.45ドル |
| 米10年国債 | +0.002 → 2.864% |
本日の注目イベント
- 豪 豪1月住宅建設許可件数
- 欧 ユーロ圏1月小売売上高
- 英 英2月サービス業PMI
- 米 2月ISM非製造業景況指数
ドル円は下落が止まらず、2週間前に記録した105円55銭を抜け、NYでは105円24銭までドル安が進みました。かろうじて105円割れは回避できたものの、この水準は2016年11月のトランプ大統領誕生の時以来の円高水準になります。黒田日銀総裁が2019年ごろには「出口戦略を検討するだろう」と発言したことを材料視したことや、米国では保護貿易が一段と強まるとの懸念が広がったことが背景です。
トランプ大統領は鉄鋼とアルミニウムを対象とする輸入制限を発動することを表明し、ロス商務長官は『全ての国が対象になる』と述べています。懸念されていた「アメリカファースト」が具体化してきたとの印象ですが、今朝の報道では、中国がその姿勢を批判し、座視しない考えを示しています。またEUもユンケル欧州委員長はハーレーダビッドソンなど、米国からの輸入品に対して25%の関税をかけるなどと、対抗措置に出る姿勢を示し、「貿易戦争」という言葉が久しぶりに現実味を帯びて来ました。トランプ大統領もこれに対して「貿易戦争、いいだろう。容易に勝てる」とツイートしています。(ブルームバーグ)
欧州ではメルケル独首相の第四期政権の可能性が高まり、イタリア選挙ではベルルスコーニ元首相率いる中道右派が五つ星をリードしていると伝えられており、今朝はユーロがやや買い戻されている展開です。これでユーロドルが再び1.25を目指す動きになると、ドル安の側面がさらに強まり、ドル円の105円割れも視野に入ってきます。105円というレベルは非常に重要なレベルであることはこれまでにも述べて来ましたが、「心理的な節目」であるだけではなく、このレベルを抜けると101円程度まで、サポートらしいサポートが見当たりません。そのため、一気に円高が進む恐れもあり、100円台も意識される展開も予想されるかもしれません。
もっとも、そのような状況になれば、政府日銀も何らかの行動に出る可能性がありますが、その先には日銀による「追加緩和」も、場合によっては議論されるかもしれません。今週も、米長期金利の動きに株価の推移、さらにはトランプ政権の通商政策にも目配りが必要になります。本日の予想レンジは105円〜106円程度と見ます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/8 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「ゆっくりとした政策緩和解除を継続することに違和感はない。ただし、それが年3、4回の利上げだということは必ずしも意味していない」アトランタでの講演で。 | -------- |
| 1/9 | ビル・グロス・ジャナスヘンダーソングループ運用者 | 「債券の弱気相場が確認された」 | 債券相場が急落し、長期金利がは2.55%台に上昇 |
| 1/11 | ECB議事録 | 「金融政策姿勢とフォワードガイダンスのさまざまな側面に関する言い回しは2018年の早い時期に再検討される必要がある」 | ユーロドル1.1936 → 1.2058前後まで急騰 |
| 1/17 | コンスタシオン・ECB副総裁 | 「ファンダメンタルズを映さない急激な通貨の変化を懸念している」イタリア紙とのインタビューで。 | ユーロドル1.2288近辺から100ポイント程急落 |
| 1/17 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「基本シナリオは今年3回の利上げになると確信している。もし私が間違っているとすれば、それは3回を上回る可能性さえあるということだ」WSJ紙とのインタビューで。 | -------- |
| 1/24 | ムニューシン・財務長官 | 「ドル安は米経済にとって「良いこと」であり、短期的な価値については全く懸念していない」ダボス会議で、記者団に。 | ドル円109円台から108円97銭まで下落 |
| 1/25 | トランプ・大統領 | 「ドルはますます強くなるだろう、最終的に私は強いドルを望んでいる」CNBCとのインタビューで。 | ドル円108円台半ばから109円70銭まで急騰 |
| 1/25 | ドラギ・ECB総裁 | 「為替レートの最近のボラティリティー不確実性は源であり、中期的な物価安定の見通しに及ぼしえる影響という点で監視の必要がある」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.25台から下落 |
| 1/26 | 黒田・日銀総裁 | 「賃金が上昇している兆候が幾つか見られ、物価については一部で既に上昇し始めている。ここ数年非常に弱い状態が続いている中、中・長期のインフレ期待も若干上向きつつある」ダボス会議のフォーラムで。 | ドル円109円台半ばから108円28銭まで下落 |
| 2/7 | トランプ・米大統領 | 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 | -------- |
| 2/7 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 | -------- |
| 2/7 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 | -------- |
| 2/13 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 | -------- |
| 2/16 | 淺川・財務官 | 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 | -------- |
| 2/21 | FOMC議事録 | 「メンバーらは、短期的な経済見通しの強まりによる、FF金利の漸進的な上向き軌道が適切になる可能性が一段と高まったとの認識で一致した」 | 米金利上昇。ドル円も買われる。 |
| 2/27 | パウエル・FRB議長 | 「利上げ回数については、現在の予想である3回から増やす必要があるかどうかを検討する可能性がある」議会証言で。 | 債券、株安で金利上昇。ドル円もドル高に。 |



