今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年3月6日(火) 「ドル円106円台に反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は105円台から反発。株高と金利高を好感し、さらに貿易戦争への懸念が後退したことで106円24銭前後までドルが買い戻される。
  • ユーロドルも反発。イタリア選挙や独メルケル政権樹立へのメドがたち、政治的リスクが後退。1.23台半ばまでユーロ高が進む。
  • 株式市場は大幅に反発。ダウは400ドルを超える上昇を見せていたが、引けにかけては上げ幅を縮小し336ドル高で取引を終える。
  • 債券相場は小幅に下落し、長期金利は2.88%台へとやや上昇。
  • 金は反落し、原油は1ドルを超える大幅続伸。
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 2月ISM非製造業景況指数 → 59.5
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ドル/円 105.60 〜 106.24
ユーロ/ドル 1.2293 〜 1.2349
ユーロ/円 129.83 〜 131.00
NYダウ +336.70 → 24,874.76ドル
GOLD −3.50 → 1,319.90ドル
WTI +1.32 → 62.57ドル
米10年国債 +0.016 → 2.881%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1月小売売上高
  • 豪 豪10−12月期経常収支
  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 米 ダドリー・NY連銀総裁講演
  • 米 ブレイナード・FRB理事講演
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演

昨日の東京タイムでも終始105円台半ばで推移してドル円は、105円割れは回避し106円台に乗せてきました。NY株が大きく反発したことでドル円にも買い戻しが入り、円は他の主要通貨に対しても売られ、クロス円全般が上昇しています。円高が一服というところですが、まだ流れは依然として円高方向だと見られます。

トランプ大統領が貿易を巡り強硬な発言を繰り返してはいるものの、それが極端な保護貿易政策につながることはないとの観測を後押しする材料が増えた(ブルームバーグ)ようです。ライアン下院議長がトランプ大統領に、鉄鋼・アルミの輸入関税を引き上げの再考を促したことで、貿易戦争への懸念が薄らいでいます。また、トランプ大統領はその性格からして終始強気の姿勢を見せるが、それは一種の「政治ショー」であるといった見方もあるようです。

日銀の新しい副総裁に就任予定の二人が国会で所信表明と質疑をしました。その中で、若田部早稲田大学教授は「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ」と述べ、「必要なら追加緩和を提案する」とも述べ、出口戦略についても「2%達成以前に出口戦略を発動することはありえない」と語っており、リフレ派の片鱗を見せていました。また雨宮氏も政策の影響を懸念する声に対して「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」と述べています。この日の所信表明は想定どおりの内容で、為替市場への影響はほとんどありませんでした。

朝鮮半島の緊張がやや後退してきました。韓国の文在寅大統領が派遣した特使団は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と4時間強にわたって会談しました。今回の訪朝では当初、金委員長と会談があるのかどうかが焦点の一つでしたが、4時間以上も会談は行われ、この会談には金委員長の妹と夫人も同席したと報じられています。韓国特使団はここで北朝鮮の核開発の中止を申し入れたものと思われますが、金委員長が受け入れるはずもなく、どのような会話があったのか、いずれ明らかになるものと思われます。昨年後半には米朝で非難の応酬が繰り返され、一触続発の状況にまで緊張が高まっていましたが、軍事衝突の可能性はかなり後退してきたと思います。

ドル円はまだ105円割れのリスクを抱えており、市場参加者の多くはドルの戻りを売る姿勢を崩してはいません。ただ、今回の混乱の震源地である債券市場はこのところ落ち着きを取り戻しているように見えます。米長期金利が4年1カ月ぶりに2.95%まで上昇し、3%も視野に入ったのは先月21日でした。そこからは徐々に低下し、足もとでは2.8%台の後半での推移です。米金利については依然として上昇圧力があるものの、なだらかな金利上昇であれば株式市場も受け入れてくることも考えられ、債券・株式が落ち着けば「リスクオフ」が後退することも予想されます。戻り売りのスタンス維持の中でも、そういった意識をもっておくことも必要です。本日のレンジは105円70銭〜106円70銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
2/13 パウエル・FRB議長 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 --------
2/16 淺川・財務官 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 --------
2/21 FOMC議事録 「メンバーらは、短期的な経済見通しの強まりによる、FF金利の漸進的な上向き軌道が適切になる可能性が一段と高まったとの認識で一致した」 米金利上昇。ドル円も買われる。
2/27 パウエル・FRB議長 「利上げ回数については、現在の予想である3回から増やす必要があるかどうかを検討する可能性がある」議会証言で。 債券、株安で金利上昇。ドル円もドル高に。
3/5 若田部・副総裁候補 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 --------
3/5 雨宮・副総裁候補 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和