今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年3月12日(月) 「米株高を受けドル円小反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 2月の雇用統計は引き続き好調だったが、賃金上昇率が予想よりも鈍化しており、株価が上昇したことでドルが買われ一時は107円05銭までドル高が進む。
  • ユーロドルは1.23を挟んだもみ合い。ドル高が進み、1.2273まで売られたが、1.23台に戻して引ける。
  • 株式市場は経済が好調さを維持しながらも、賃金が抑制されていることを好感。ダウは440ドル上昇し、2万5000ドル台を回復。
  • 債券相場は反落、良好な雇用統計を受け売りが優勢に。長期金利は2.89%台へと上昇。
  • 金と原油はともに反発。
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 2月失業率 → 4.1%
 2月非農業部門雇用者数 → 31.3万人
 2月平均時給 (前月比) → +0.1%
 2月平均時給 (前年比) → +2.6%
 2月労働参加率 → 63.0%
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ドル/円 106.68 〜 107.05
ユーロ/ドル 1.2273 〜 1.2334
ユーロ/円 130.93 〜 131.89
NYダウ +440.53 → 25,333.74ドル
GOLD +2.30 → 1,324.00ドル
WTI +2.00 → 62.12ドル
米10年国債 +0.037 → 2.894%

本日の注目イベント

  • 米 2月財政収支

ドル円は約1週間ぶりに107円台に乗せる場面がありました。2月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る31.3万人で、さらに1月分も速報値の20万人から、23.9万人に上方修正されました。失業率は先月と同じ4.1%でしたが、米労働市場は極めて良好な状況を維持していると言えます。

前回、長期金利の上昇と株価の急落を招いた賃金上昇率が、今回は市場予想に届かなかったことで、株価の急騰につながっています。平均時給は前月比で「0.1%」、前年比で「2.6%」と、いずれも市場予想を下回ったことでインフレ懸念が後退し、株価はこれを好感した格好です。ダウは前日比440ドル上昇し、前日分と合わせると500ドルを超える上昇です。賃金上昇率が適度だったということで再び株価の上昇につながり、VIX指数も前日比10%以上も低下し、「14.6」前後に収まってきました。

ただ、それでも為替の方の反応はいま一つです。本来ならもう少しドル高が進んでもおかしくはない状況ですが、ドル円は107円台に乗せるのが精一杯だった印象です。背景にあるのが、トランプ大統領の通商政策です。鉄鋼とアルミの関税引き上げに関する大統領令には署名を済ませており、その後、オーストラリアとの間では輸入制限の対象国からはずしてはいますが、日本が適用除外国になるかどうかは不明です。トランプ大統領は「日本との貿易不均衡は不公平だ」と述べており、今後の交渉の余地は残すものの、不透明です。

上値の重いドル円でしたが、結局現時点でも105円割れは回避でき、107円台まで反発したことで、「4時間足」までの短期のチャートではドル上昇を示唆する形を見せています。本日は小幅な円安とNY株の大幅高から、日経平均株価も大幅な上昇が見込めます。ドル円は107円テストが見られると思いますが、107円台半ばから上値が目先のレジスタンスと思われます。予想レンジは106円50銭〜107円50銭程度とみます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
2/13 パウエル・FRB議長 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 --------
2/16 淺川・財務官 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 --------
2/21 FOMC議事録 「メンバーらは、短期的な経済見通しの強まりによる、FF金利の漸進的な上向き軌道が適切になる可能性が一段と高まったとの認識で一致した」 米金利上昇。ドル円も買われる。
2/27 パウエル・FRB議長 「利上げ回数については、現在の予想である3回から増やす必要があるかどうかを検討する可能性がある」議会証言で。 債券、株安で金利上昇。ドル円もドル高に。
3/5 若田部・副総裁候補 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 --------
3/5 雨宮・副総裁候補 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和