2018年3月19日(月) 「ドル円、ユーロドルともにもみ合い」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はトランプ政権の政治的リスクの高まりを材料に105円62銭まで売られたが反発。ミシガン大学消費者マインドなど、経済指標が好調だったことや、株価の上昇が支えとなり、106円23銭までドル高が進み、106円前後で越週。
- ユーロドルはこのところのレンジを抜けきれず、この日も1. 23を挟んでのもみ合い。1.2329まで買われたが、1.2285前後で取引を終える。
- 株式市場は、鉱工業生産や消費者マインドが市場予想を上回ったことを好感し続伸。ダウは72ドル上昇したものの、2万5000ドル台には届かず。
- 債券は良好な経済指標を手掛かりに小幅に下落。長期金利は2.84%台に上昇。
- 金は続落し1312ドル台に。原油は大幅に続伸し62ドル台を回復。
2月住宅着工件数 → 123.6万件
2月建設許可件数 → 129.8万件
2月鉱工業生産 → +1.1%
2月設備稼働率 → 78.1%
3月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 102.0
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| ドル/円 | 105.62 〜 106.23 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2260 〜 1.2329 |
| ユーロ/円 | 130.07 〜 130.45 |
| NYダウ | +72.85 → 24,946.51ドル |
| GOLD | −5.50 → 1,312.30ドル |
| WTI | +1.06 → 62.25ドル |
| 米10年国債 | +0.016 → 2.844% |
本日の注目イベント
- 日 2月貿易収支
- 欧 ユーロ圏1月貿易収支
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 南米 G20(ブエノスアイレス、20日まで)
ドル円は先週後半にも105円台半ばを試しましたが、106円台に戻されています。上値が重く、市場ではドルの下値を探る展開が続いていますが、節目の105円にはなかなか届かない動きが続いています。そのため、『上値が固いのか、下値が固いのか』判断しにくい状況です。米長期金利は高水準を維持してはいるものの、極めて安定した動きに戻っています。そのため株価の方も、1日の値幅は引き続き大きいものの、一時ほどの乱高下は見せていません。注目の「VIX指数」も直近では「15.8」程度まで低下しており、危険といわれる「20」を大きく下回っています。
本来ならもう少しドルが買われてもおかしくはない環境ですが、ドルの上昇を妨げているのが、トランプ大統領の言動そのものです。保護貿易を大統領権限で協力に推し進め、鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げを強行しました。今週にも中国に対する輸入制限を発表する可能性がもあり、日本に対する貿易赤字にも不快感を示していることから、日本も例外ではないかもしれません。中国側は今のところ平静を保っていますが、「全人代」で再選が決まり、こちらも権限を強化している習近平政権が、どのような対抗措置を出してくるのか注目されます。
さらにドルの上値を抑えているのがトランプ政権の相次ぐ閣僚の解任です。政治的リスクが高まったと言えますが、コーン国家経済会議(NEC)委員長に次いで、先週は電撃敵にティラーソン国務長官を解任しました。また、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)も解任する方針だと、ワシントンポストは報じています。さらに先週末には大統領とケリー主席補佐官との不仲も報じられています。ホワイトハウス内での会話はわれわれが知る由もありませんが、大統領の政策に反対した人物を容赦なく切り捨てているようにも思います。11月の中間選挙を意識した行動かもしれませんが、米国民にとっては逆効果のように思えます。
発表された3月のミシガン大学消費者マインドは「102」と、2014年初頭以来の高水準でした。2008年のリーマンショク後には「50前後」まで低下した同指数でしたが、インフレ期待値も上向いています。2月の雇用統計では労働市場の一段の拡大も確認されており、今週水曜日のFOMCでは利上げがほぼ確実と見られます。市場の注目は今や、今年の利上げが「3回なのか、4回になるのか」という所まで来ていると見られます。
本日は明日からのFOMCを控え大きな動きはないと予想しています。ただドルの上値は徐々に切り下がっていることには注意が必要です。予想レンジは105円50銭〜106円50銭程度と見ています。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/7 | トランプ・米大統領 | 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 | -------- |
| 2/7 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 | -------- |
| 2/7 | ウィリアムズ・SF連銀総裁 | 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 | -------- |
| 2/13 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 | -------- |
| 2/16 | 淺川・財務官 | 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 | -------- |
| 2/21 | FOMC議事録 | 「メンバーらは、短期的な経済見通しの強まりによる、FF金利の漸進的な上向き軌道が適切になる可能性が一段と高まったとの認識で一致した」 | 米金利上昇。ドル円も買われる。 |
| 2/27 | パウエル・FRB議長 | 「利上げ回数については、現在の予想である3回から増やす必要があるかどうかを検討する可能性がある」議会証言で。 | 債券、株安で金利上昇。ドル円もドル高に。 |
| 3/5 | 若田部・副総裁候補 | 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 | -------- |
| 3/5 | 雨宮・副総裁候補 | 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 | -------- |
| 3/14 | クドロー・新国家経済会議(NEC)委員長 | 「市場の機能は自律的だ。金融当局はやるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」CNBCとのインタビューで。 | -------- |



