今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年3月23日(金) 「米、中国への報復関税引き上げを決める」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はトランプ大統領が中国に対する制裁的な関税引き上げに関する大統領令に署名したことで、貿易戦争への懸念が高まりリスク回避から円が買われる。ドル円は105円26銭までドル安が進み、この日の安値圏で取引を終える。
  • ユーロドルではそれ程ドル安が進まず、1.2332を頭にもみ合い。リスク回避の流れが強まったことで、ユーロ円も下落し、129円台半ばまでユーロ安が進む。
  • 株式市場は対中貿易戦争への懸念が高まり大幅安。ダウは前日比724ドル下げ、2万4000ドルの大台を割り込む。
  • 債券は大幅に上昇。リスク回避が進み、安全資産の債券に資金が集まる。長期金利は2.82%台まで低下。
  • 金は続伸し、原油価格は反落。
**********************
 新規失業保険申請件数 → 22.9万件
 1月FHFA住宅価格指数 → +0.8%
 2月景気先行総合指数 → 0.6%
**********************
ドル/円 105.26 〜 105.81
ユーロ/ドル 1.2285 〜 1.2332
ユーロ/円 129.49 〜 130.24
NYダウ −724.42 → 23,957.89ドル
GOLD +5.90 → 1,327.40ドル
WTI −0.87 → 64.30ドル
米10年国債 −0.059 → 2.824%

本日の注目イベント

  • 日 2月消費者物価指数
  • 米 2月耐久財受注
  • 米 2月新築住宅販売件数
  • 米 米暫定予算期限
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 加 カナダ2月消費者物価指数
  • 加 カナダ1月小売売上高

昨日のこの欄でも述べましたが、トランプ大統領が幅広い中国製品を対象に関税を課すための大統領令に署名しました。米通商代表部(USTR)は、中国からの航空宇宙、機械、テクノロジーの輸入に対して25%の関税賦課を提案する考えを明らかにしています。ロス商務長官は、輸入関税の余波は深刻なものにはならないとし、今後交渉が行われることになると説明しています。(ブルームバーグ)

大統領令を受けて、USTRは関税引き上げ対象リストを15日以内に取りまとめるようですが、既に高まっている米中通商関係が一段とエスカレートする懸念が広がっています。トランプ大統領は「ここまでたどり着くのに長い時間を要した」と述べ、「中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への影響は1年間で数千億ドルに達する」と指摘しました。中国側はこれに対して報復措置を検討していると、ブル−ムバーグは伝えています。 NYダウは700ドルを超える下落を記録し、2月初旬の株式市場の混乱が再び繰り返されそうな気配です。リスク回避が一気に進み、安全資産の債券が買われ、為替市場では円が主要通貨に対して全面高の展開になってきました。ドル円はNY市場では105円台を維持していましたが、今朝方には105円を大きく割り込み、円高がさらに加速する勢いを見せています。

ドル円は105円という重要な節目を割り込んだことで、下値にはサポートが見つけにくい状況になっています。2016年11月には、米大統領選の結果が「サプライズ」だったことで、99円台まで円高が進む場面がありましたが、今回も再び円高の引き金を引いたのはトランプ大統領で、これも何かの巡り合わせのような気もします。

本日はNY株の大幅下落と円高が急速に進んだことから、日経平均株価の大幅安は避けられないでしょう。上下を繰り返しながらも、103円台までドル安が進む可能性も否定できません。財務省から『口先介入』が出ることは予想できますが、この段階で実弾による市場介入は考えにくいと思われます。予想レンジは104円〜105円30銭程度とします。


日本以外で、世界で最もおいしい鮨を食べさせるところは?それはアメリカ、NYだそうです。競争も激しいし、鮨屋も多いからとか。その中でも、東京 銀座の鮨職人、小野次郎氏の弟子の一人中澤大祐氏の経営する「SUSHI NAKAZAWA」は別格のようです。NYでも最も予約が難しいレストランの1つで、午前0時1分に予約受付が始まると、0時2分にはもういっぱいになるそうです。HPには鮨の値段が出ていませんが、日本酒で最も高価なのが、静岡の「磯自慢・純米大吟醸」です。何と2200ドル(約233000円)です。もちろん一升瓶の値段かとは思いますが、それにしてもいい値段です。カウンターで鮨を食べたらいったいいくらになるのでしょうか?良い週末を・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
2/7 トランプ・米大統領 「(株価の下落は)間違いだ。米経済についてこれほど多くの良いニュースがあるのに!」 --------
2/7 ダドリー・NY連銀総裁 「株式市場は極めて低いボラティリティーで非常に長い期間、並外れた上昇を見せていた。株式相場が数日前より少し下げているという理由だけで、私の見通しは変わっていない。1年前の水準をなお大幅に上回っている」株価の動きについて。 --------
2/7 ウィリアムズ・SF連銀総裁 「経済は明らかに緩やかな金利上昇に対処可能だ。経済が減速しすぎる下振れリスクはそれ程懸念していない。4回の利上げであったとしても極めて緩やかだ」ハワイでの講演後に。 --------
2/13 パウエル・FRB議長 「われわれは金利政策とバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」就任式典で。 --------
2/16 淺川・財務官 現在の為替の動きは「一方的に偏っている。これまで以上に緊張感を持って注視していく必要がある」急激な円高を受けて。 --------
2/21 FOMC議事録 「メンバーらは、短期的な経済見通しの強まりによる、FF金利の漸進的な上向き軌道が適切になる可能性が一段と高まったとの認識で一致した」 米金利上昇。ドル円も買われる。
2/27 パウエル・FRB議長 「利上げ回数については、現在の予想である3回から増やす必要があるかどうかを検討する可能性がある」議会証言で。 債券、株安で金利上昇。ドル円もドル高に。
3/5 若田部・副総裁候補 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 --------
3/5 雨宮・副総裁候補 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 --------
3/14 クドロー・新国家経済会議(NEC)委員長 「市場の機能は自律的だ。金融当局はやるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」CNBCとのインタビューで。 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「われわれは早くもない、遅くもない中間の立場で、金融政策に臨む」FOMCで利上げを決めた後の会見で。 ドル円106円台半ばから105台へ
3/22 トランプ・米大統領 「ここまでたどり着くのに長い時間を要した。中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への影響は1年間で数千億ドルに達する」中国に対する報復関税措置に関する大統領令に署名した後で。 ドル円105円台前半まで売られ翌朝のオセアニアでは104円台に。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和