今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年4月5日(木) 「ドル円底堅く推移」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は朝方106円台前半で始まり、株価の大幅下落に106円12銭まで売られたが、その後株価が急速に切り返し、長期金利も上昇したことで106円85銭までドル高が進む。
  • ユーロドルは引き続き1.23を挟む展開が続く。やや手詰まり感もあり、値動きも小幅に留まる。
  • 株式市場は乱高下。朝方は中国の米国への報復関税発表を材料にダウは500ドルを超える下げに。その後米政権は関税導入を回避する交渉を行う意向があることが伝わると急速に値を上げ、結局ダウは、前日比230ドル高で取り引きを終える。
  • 債券も朝方は買われたものの、その後じり安に。長期金利は10日ぶりに2.80%台に乗せる。
  • 金は小幅に反発。原油は反落。
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 3月ADP雇用者数 → 24.1万人
 3月ISM非製造業景況指数 → 58.8
 2月製造業受注 → +1.2%
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ドル/円 106.12 〜 106.85
ユーロ/ドル 1.2271 〜 1.2310
ユーロ/円 130.27 〜 131.19
NYダウ +230.94 → 24,264.30ドル
GOLD +2.90− → 1,340.20ドル
WTI −0.14 → 63.37ドル
米10年国債 +0.027 → 2.803%

本日の注目イベント

  • 豪 豪2月貿易収支
  • 欧 ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏3月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏2月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏2月小売売上高
  • 英 英3月サービス業PMI
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 2月貿易収支
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 加 カナダ2月貿易収支

ドル円は、値幅は限られるものの神経質な展開が続いています。背景にあるのはもちろん、米中の輸入関税の「引き上げ合戦」です。昨日の東京時間には106円68銭までドルが買われたものの、欧州時間に中国が報復的な米国製品に対する関税引き上げを発表すると、ドル円は一気に106円割れまで下落し、NYでは106円85銭までドル高が進む展開でした。

中国政府は米国からの大豆やコーンなどの穀物、牛肉、航空機、自動車など、106品目に対して500億ドル(約5兆3000億円)相当の関税引き上げを発表しました。米国が中国に対して1300品目を超える制裁関税を課す原案を発表したことに対する対抗措置で、まさに「貿易戦争」という言葉が現実的になって来ました。この影響で、大豆相場は急落し、昨日朝方のNYダウは500ドルを超える下げで取り引が始まっています。ただその後は、クドロー・国家経済会議(NEC)委員長が「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」と述べたことで、ドル円は大きく上昇し、株価も急反発しました。投資家もこの影響を諮りかねている様子で、市場は乱高下しています。

米通商代表部(USTR)の発表は5月下旬まで一般からの意見を募ったうえで品目を確定し、最終的にはトランプ大統領の署名を持って発動されることになるため、実際には6月にずれ込むと見られます。またクドローNEC委員長が述べたように、引き続き貿易戦争回避のための交渉が水面下で行われているようですが、トランプ政権が「落としどころ」をどのあたりに定めているのかが焦点になりそうです。このまま両国が発表した通りの関税が実施されれば、米中の企業のみならず、両国民にとっても日常生活に影響が出るのは必至です。同時にその影響は両国だけに留まらないものと思われます。

ドル円は106円85銭まで上昇したことで、チャート的にも上昇の兆しが点灯しつつあります。既にこの欄でも述べたように、日足のレジスタンス・ラインを上抜けし、MACDでもマイナス圏ではありますが、「ゴールデン・クロス」を見せています。目先の上値のメドは、先週瞬間的に記録した107円近辺でしょう。さらに上昇すれば、久しぶりに「日足の雲の下限」に突き当たることになります。その辺りを考慮すれば、本日の予想レンジは106円20銭〜107円30銭程度と見られます。下値のメドは106円が維持できるかどうかでしょう。昨日も106円を一瞬割り込みましたが、直ぐに切り返しています。投資家の相場観やドル買い需要も、徐々に106円前後に上方修正されてきたように思えますが、まだドル下落のリスクは依然として残っているとみておくべきでしょう。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/5 若田部・副総裁候補 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 --------
3/5 雨宮・副総裁候補 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 --------
3/14 クドロー・新国家経済会議(NEC)委員長 「市場の機能は自律的だ。金融当局はやるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」CNBCとのインタビューで。 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「われわれは早くもない、遅くもない中間の立場で、金融政策に臨む」FOMCで利上げを決めた後の会見で。 ドル円106円台半ばから105台へ
3/22 トランプ・米大統領 「ここまでたどり着くのに長い時間を要した。中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への影響は1年間で数千億ドルに達する」中国に対する報復関税措置に関する大統領令に署名した後で。 ドル円105円台前半まで売られ翌朝のオセアニアでは104円台に。
4/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰
4/4 崔天凱・駐米大使 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和