2018年4月6日(金) 「ドル円1カ月ぶりに107円台半ばまで上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸し、約1カ月ぶりに107円台半ばまで上昇。米中の貿易問題が米経済成長を妨げるほどのものにはならないとの見方からNY株が続伸し、長期金利も上昇したことが支えに。
- ユーロドルは続落。ドル高が進んだことで、こちらも約1カ月ぶりに1.2219前後まで売られる。1.21台を試すかが注目される。
- 株式市場は3日続伸。中国との貿易問題で交渉の余地を残していることが買い安心感につながる。ダウは240ドル高。
- リスクオフがやや後退したことで債券は続落。長期金利は2.83%台に上昇。
- 金は反落し、原油は小幅に反発。
新規失業保険申請件数 → 24.2万件
2月貿易収支 → −576億ドル
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| ドル/円 | 107.00 〜 107.49 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.2219 〜 1.2268 |
| ユーロ/円 | 131.06 〜 131.50 |
| NYダウ | +240.92 → 24,505.20ドル |
| GOLD | −11.70 → 1,328.50ドル |
| WTI | +0.17 → 63.54ドル |
| 米10年国債 | +0.029 → 2.832% |
本日の注目イベント
- 日 2月景気動向指数
- 独 独2月鉱工業生産
- 米 3月雇用統計
- 米 2月消費者信用残高
- 米 パウエル・FRB議長講演
- 加 カナダ3月就業者数
- 加 カナダ3月失業率
米国と中国の貿易問題の成り行きに市場は一喜一憂していますが、昨日はこの問題が米国の経済成長の妨げにはならないだろうとの見方が優勢となり、株価が大きく買われ、債券が売られたことで長期金利も上昇。為替市場では素直にドル高が進み、ドル円は約1カ月ぶりに107円49銭まで買われ、ユーロドルも1.22台前半まで下落するなど、ドル全面高の展開でした。
トランプ大統領は依然として中国に対して強気の姿勢を崩してはおらず、昨日も「今こそ、中国が米国を利用するのをストップさせる時だ」と述べて、「クドローNEC委員長は米政府が同盟国に対し、通商政策を巡り中国に圧力をかけるよう求めるだろう」と語っています。今朝の最新ニュースでは、トランプ大統領が米通商代表部(USTR)に1000億ドルの追加関税を中国に課すよう指示したとの報道で、ドル円も107円前後まで売られています。
一方で、「米国は中国と長期的に素晴らしい関係を持つことになるだろうが、この問題を正し、均衡を取り戻す必要がある」とも語っており、やや柔軟な姿勢も見せています。同時に、クドローNEC委員長は「政権が細心の注意を要する交渉を進めており、これにより関税の賦課の必要がなくなる可能性がある」とも語っており、水面下では貿易戦争を避ける交渉を行っていることも示唆しています。中国は既に500億ドル規模の対抗措置を発表していますが、米国側もUSTRが原案を発表するとともに一般からの意見を募っており、今後柔軟な調整が行われる可能性は十分あると見られます。
ドル円は昨日のこの欄でも述べた様に、東京タイムに107円の節目を試しましたが、「一次攻撃」では突破できずに押し戻されました。しかし、結局NYタイムにかけて大きく上抜けし、107円49銭までドル高が進みましたが、ここは重要な「日足の雲の下限」であったことから抜け切れなかったと見られます。連日米中貿易問題の報道で右往左往させられていますが、本日は雇用統計が発表されます。注目の平均賃金は年率で「2.7%」と予想されています。これが3%に近付くとようだと、2月の発表時に見られたように、長期金利の急騰から株価が急落し、リスクオフから円買いが強まる展開も予想されます。トランプ氏の発言と同時に、ここにも注意が必要です。予想レンジは106円40銭〜107円60銭程度と見ます。
NY株式市場が相変わらず荒っぽい動きを見せています。先月では、値幅が100ドルを超える上昇か下落で取引を終えた日は、21日営業日中、12日もありました。その中でも300ドルを超えた日は7日もあります。米国の有名な相場格言に「セル・イン・メイ」がありますが、これは、株式市場は4月に高値をつける傾向があり、5月には「売っておけ」という意味です。今年は高値を付けるどころか、今のところ年初来安値に近い水準です。「バイ・オン・メイ」という言葉がささやかれる状況になればいいのですが。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/5 | 若田部・副総裁候補 | 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 | -------- |
| 3/5 | 雨宮・副総裁候補 | 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 | -------- |
| 3/14 | クドロー・新国家経済会議(NEC)委員長 | 「市場の機能は自律的だ。金融当局はやるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」CNBCとのインタビューで。 | -------- |
| 3/21 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは早くもない、遅くもない中間の立場で、金融政策に臨む」FOMCで利上げを決めた後の会見で。 | ドル円106円台半ばから105台へ |
| 3/22 | トランプ・米大統領 | 「ここまでたどり着くのに長い時間を要した。中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への影響は1年間で数千億ドルに達する」中国に対する報復関税措置に関する大統領令に署名した後で。 | ドル円105円台前半まで売られ翌朝のオセアニアでは104円台に。 |
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 | ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰 |
| 4/4 | 崔天凱・駐米大使 | 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 | -------- |
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 | -------- |



