今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年4月17日(火) 「シリア攻撃に対し日米市場とも冷静な反応」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は107円台で小動き。シリア攻撃の影響もなく、冷静な動きを見せたものの、日米首脳会談を控えややドルが売られ、107円04銭までドル安に振れる。
  • ユーロドルは上昇したものの、ここ最近のレンジの上限である1.24には届かず。
  • 株式市場は反発。先週末のシリア攻撃にも冷静な反応を見せ、ダウは212ドル上昇し、S&P500は1カ月ぶりの高値をつける。
  • 債券相場は先週末と変わらず。長期金利は2.82%台で推移。
  • 金は続伸し、原油価格は6日ぶりに反落。
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 3月小売売上高 → +0.6%
 4月NY連銀製造業景況指数 → 15.80
 4月NAHB住宅市場指数 → 69
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ドル/円 107.04 〜 107.39
ユーロ/ドル 1.2358 〜 1.2395
ユーロ/円 132.49 〜 132.97
NYダウ +212.90 → 24,573.04ドル
GOLD +2.80 → 1,350.70ドル
WTI −1.17 → 66.22ドル
米10年国債 ±0 → 2.827%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 中 中国 1−3月GDP
  • 中 中国 3月小売売上高
  • 中 中国 3月鉱工業生産
  • 独 独4月ZEW景況感指数
  • 英 英3月雇用統計
  • 米 3月住宅着工件数
  • 米 3月建設許可件数
  • 米 3月鉱工業生産
  • 米 3月設備稼働率
  • 米 日米首脳会談(フロリダ州の「マール・アラーゴ」で、18日まで)
  • 米 IMF、世界経済見通し
  • 米 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 米 クオールズ・FRB副議長、下院で証言
  • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → IBM、ジョンソン&ジョンソン、ゴールドマン

先週末に米英仏の連合軍がシリアを攻撃したことで、週明けの東京市場の動きが注目されていましたが、為替市場も株式市場も冷静な反応を見せ、朝方から堅調に推移しました。株価は終始プラス圏で推移し、引け値では小幅でしたが56円高で取り引きを終えました。ドル円はこれに反応してか、107円台で推移し、一時は107円60銭前後までドル高が進みました。シリア攻撃後最初に開いた市場が冷静な反応を見せたことで、NY市場でもダウは先週末に比べ212ドル高と、堅調でした。ドル円は小動きでしたが、ややドル安方向に振れました。それでも107円台を維持しております。

発表された経済指標は強弱まちまちで、米長期金利も先週末と変わらずでした。それにも関わらずドル安がやや進んだのは、やはり明日から始まる日米首脳会談で通商問題や、場合によっては為替問題にまで議論が及ぶ可能性があることが意識されたものと思われます。トランプ大統領は対中国でも、あるいは対シリア問題でも強硬な姿勢を貫き、攻撃的な姿勢を崩しません。安倍首相との会談でも、貿易赤字問題は避けて通ることはできないと思われ、日本側から何らかの譲歩、それもトランプ政権側を納得させる内容のものを引き出したいと考えているものと思われます。

ドル円は年初からドル安傾向が続き、昨年末から比べると5円以上も円高ドル安に振れていますが、それでも米国側には根強い「円安論」があります。円を実力以上に安く放置しているといった考え方です。トランプ大統領は昨日も中国とロシアに対して「通貨切り下げゲームを行っている」とし、「容認できない」とツイ−トしています。口には出さないものの、結局はドル安を望んでいるのではないかと思います。日本に対しても「直球」で攻めてくることも十分考えられ、少なくとも会談が終わるまではドルの上値は重いと予想しています。

ドル円は先週、上に行きたがっているように見えましたが、全て一目均衡表(日足)の雲の入り口に上昇を抑えられ、そのため、高値は雲の形に沿った形状になっていました。それが先週末には107円78銭までドル高が進み、107円台半ばを抜けたことで雲の中に入っています。昨日のNY市場では107円ぎりぎりの水準までドルが売られましたが、それでも雲の下限で下落を止められています。雲を上抜けするのか、あるいは再び下に抜け切るのか、重要なポイントですが、日米首脳会談を控えている現状では、下抜けの可能性の方が高いと言わざるを得ません。ただ、それでも3月の下旬に見たような急激な下げにはならないと予想しています。米中の貿易問題など、かなりのドル安円高材料をこなしてきて、粘り腰も備わってきたと見ているからです。

本日の注目材料は11時に発表される中国のGDPでしょう。今年第1四半期のものですが、年率で6.8%と予想されていますが、この値よりも低いようだと、世界経済の低迷につながり、ドルが売られる可能性があります。本日のレンジは106円50銭〜107円50銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/5 若田部・副総裁候補 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 --------
3/5 雨宮・副総裁候補 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 --------
3/14 クドロー・新国家経済会議(NEC)委員長 「市場の機能は自律的だ。金融当局はやるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」CNBCとのインタビューで。 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「われわれは早くもない、遅くもない中間の立場で、金融政策に臨む」FOMCで利上げを決めた後の会見で。 ドル円106円台半ばから105台へ
3/22 トランプ・米大統領 「ここまでたどり着くのに長い時間を要した。中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への影響は1年間で数千億ドルに達する」中国に対する報復関税措置に関する大統領令に署名した後で。 ドル円105円台前半まで売られ翌朝のオセアニアでは104円台に。
4/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰
4/4 崔天凱・駐米大使 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 --------
4/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 --------
4/6 ムニューシン・米財務長官 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。
4/8 トランプ・米大統領 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 --------
4/9 黒田・日銀総裁 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 --------
4/10 習近平・中国国家主席 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和