今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年4月23日(月) 「ドル円緩やかに上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は堅調に推移し、約2カ月ぶりとなる107円86銭までドル高が進む。長期金利の上昇を手掛かりにドルを買う動きがやや優勢だった。
  • ドル高の流れからユーロドルは下落。1.2250までユーロ安が進み、2週間ぶりのユーロ安水準をつける。
  • 株式市場は3日続落。アップルなどハイテク株が売られ、ダウは200ドルを超える下げに。長期金利の上昇も重石に。
  • 債券相場は4日続落し、10年債利回りは約4年3カ月ぶりとなる2.96%台まで上昇。
  • 金は下落し、原油は反発。
ドル/円 107.51 〜 107.86
ユーロ/ドル 1.250 〜 1.2311
ユーロ/円 132.05 〜 132.45
NYダウ −201.95 → 24,462.95ドル
GOLD −10.50 → 1,338.30ドル
WTI +0.09 → 68.38ドル
米10年国債 +0.055 → 2.965%

本日の注目イベント

  • 独 独4月製造業PMI(速報値)
  • 独 独4月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
  • 米 3月中古住宅販売件数
  • 米 企業決算 → アルファベット

ドル円は静かな動きながらジリジリと円安方向に進んでいます。先週末のNY市場では今月13日につけた107円78銭を僅かですが抜き、107円86銭までドル高が進行しています。背景は米10年債利回りが2.96%まで上昇したことが一因でしたが、このような状況は2月の初めにもありました。この時は金利高を嫌い株価が急落し、リスク回避の動きが円を買う動きにつながり、急激な円高が進みました。今回は米長期金利が2月のそれを上回る水準まで上昇し、株価もダウは200ドルを超える下げでしたが、ドル円は小幅に上昇しています。

米金利の上昇は、本来はドル高要因ですが、金利高が進んでもドル円は上昇せず、ドル円と米金利の相関関係が崩れたのは、2月初旬から見られましたが、ようやく金利高にもやや反応を見せるようになって来ました。市場が金利高を受け入れ、緩やかに上昇する金利に徐々になれてきたという印象です。同時に為替を取り巻く環境を見渡しても、トランプ政権がなりふり構わずに進めている「アメリカ・ファースト」も、衝突の危険性は一時ほどではなく、世界経済は混乱しないという見方が強まったことも挙げられます。

その一つでもあった北朝鮮が、急速に態度を軟化させてきました。北朝鮮の金委員長は20日に開いた朝鮮労働党の中央委員総会で、21日から核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を中止することを表明しました。また「核実験」の廃棄も発表し、トランプ大統領は「大きな進展」と、この発表を評価しています。報道によりますと、北朝鮮は21日から核実験とICBMの発射を中止するとともに核実験施設を廃棄し、他国による核の威嚇や兆候がないかぎり核兵器を使わず、第三国への核兵器と核技術を移転しないとも表明しています。

突然のこの発表に論評は様々ですが、今週末には「南北首脳会談」があり、さらには、早ければ5月末にも『米朝首脳会談』も開催される予定です。この両会談を前に歩み寄りを見せ、会談を有利に進める意図もありそうですが、この決定が今後も維持され、朝鮮半島の非核化が本当に実現するのかどうかという点が今後の焦点です。

この発表を受け、週明けのオセアニア市場ではやや円安方向で取り引きが始まっています。今日の東京時間でこの材料で、どれだけ株価と為替に好影響を与えるのか注目したいと思います。ドル円は大きな動きはありませんが、18日の朝方以来107円台を割り込んではいません。そのため「週足」という長いチャートでも、「MACD」がゴールデンクロスを見せており、これは昨年11月以来のこととなります。上値は依然として重い展開で、ドルの上昇は極めて緩やかなものですが、テクニカル的には徐々にドル上昇を示す材料が揃ってきているという状況です。本日のドル円は107円20銭〜108円20銭程度と予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/5 若田部・副総裁候補 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 --------
3/5 雨宮・副総裁候補 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 --------
3/14 クドロー・新国家経済会議(NEC)委員長 「市場の機能は自律的だ。金融当局はやるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」CNBCとのインタビューで。 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「われわれは早くもない、遅くもない中間の立場で、金融政策に臨む」FOMCで利上げを決めた後の会見で。 ドル円106円台半ばから105台へ
3/22 トランプ・米大統領 「ここまでたどり着くのに長い時間を要した。中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への影響は1年間で数千億ドルに達する」中国に対する報復関税措置に関する大統領令に署名した後で。 ドル円105円台前半まで売られ翌朝のオセアニアでは104円台に。
4/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰
4/4 崔天凱・駐米大使 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 --------
4/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 --------
4/6 ムニューシン・米財務長官 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。
4/8 トランプ・米大統領 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 --------
4/9 黒田・日銀総裁 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 --------
4/10 習近平・中国国家主席 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。
4/16 ダドリー・NY連銀総裁 「今年3回ないし4回が妥当な予測と思われる」CNBCとのインタビューで、利上げ回数について問われて。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和