今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年4月25日(水) 「ドル円109円台回復後反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は続伸し、2月9日以来となる109円台回復し、109円20銭までドル高が進行。ただその後は株価が大幅に下げたことで急落。利益確定のドル売りも伴い108円台半ばまで売られる。
  • ユーロドルは反発。前日の流れから1.2189まで売られたものの、この日は買い戻され1.22台半ば水準まで上昇。
  • 株式市場は続落。長期金利が4年ぶりに3%の大台に乗せたことで株価が急落。ダウは424ドル下落し、5日続落。
  • 債券は下落が止まらず、長期金利は4年ぶりに3%の大台に乗せる。
  • 金は4日ぶりに反発し、原油は反落。
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 2月FHFA住宅価格指数 → +0.6%
 3月新築住宅販売件数 → 69.4万件
 2月ケース・シラ−住宅価格指数 → +6.80%
 4月リッチモンド連銀製造業指数 → −3
 4月消費者信頼感指数 → 128.7
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ドル/円 108.55 〜 109,20
ユーロ/ドル 1.2189 〜 1.2245
ユーロ/円 132.86 〜 133.48
NYダウ −424.56 → 24,024.13ドル
GOLD +9.00 → 1,330.00ドル
WTI −0.94 → 67.70ドル
米10年国債 +0.025 → 3.000%

本日の注目イベント

  • 豪 豪、NZ休場(アンザックデー)
  • 米 企業決算 → ツイッター、AT&T、フェイスブック、VISA,ボーイング

ドル円は今年2月9日以来となる109円台を回復して、一時は109円20銭までドル高が進みましたが、その後は株価の急落から108円台半ばまで落とされています。109円20銭前後は、一目均衡表の「雲の上限」にあたり、この水準を明確に抜けると、「トレンドが転換」したと考えることが出来る、重要な値位置でした。同時に「雲」そのものが、『抵抗帯』であることから、上昇が抑えられたという面もあります。

もっとも、109円台から下落の最大の要因は、株価の大幅安だったことは明白です。昨日のNY市場での株価と金利の動きを見ると、いやがうえにも2月初旬のあの「負の連鎖」が思い起こされます。米長期金利が急騰し、これを嫌ったNYダウは一時1600ドル近く下げ、引け値でも1175ドル下げた、あの動きです。「金利高 → 株安 → リスクオフ → 円買いドル売り」の連鎖が、この日を契機に始まりました。

昨日も長期金利が2月の水準よりもさらに高水準である3%の大台に乗せ、NYダウは424ドル安で取り引きを終えています。それに伴ってドル売り円買いが出て、108円55銭近辺までドルが下落したようですが、昨日の株価の下落は必ずしも金利高だけが要因でもないようです。代表的な工業株のキャタピラーの経営陣が、1−3月が利益のピークであると発言したことを受け、同社株が大きく売られ、株式市場全体の雰囲気を悪くしたようです。また傘下にグーグルを抱えるアルファベットも設備投資が急増したことを嫌気して大きく売られています。

ドル円は108円台に乗せてからは上昇の勢いを加速させ、109円台前半まで駆け上がりました。市場参加者のセンチメントが大きくドル高方向に傾いてきたと思われますが、個人的には短期的な予想レンジとしてはまだ、105−110円を維持したいと考えています。上でも述べましたが、「日足の雲」を完全に上抜けすれば、ドル高への転換と判断できるかもしれませんが、通常、日足の雲抜けという大きな変化は「一次攻撃」では抜けきれないものです。何度かトライして抜ければ、再び上昇に弾みがつくことにはなりますが、その前にここしばらく、107円、108円台を維持できているかどうかも重要なポイントです。

本日は日本株の動きが重要です。このところ好調な日本株が、「負の連鎖」を入り口で未然に断ち切ることができるのかどうか。あるいは2月初旬のように、日本株も大きく売られ、リスクオフから再び円買いが強まるのかどうかという点です。本日のレンジは108円20銭〜109円20銭程度を予想することにします。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
3/5 若田部・副総裁候補 「(2%の物価上昇には)達しておらず、あらゆる手段を駆使すべきだ。必要なら追加緩和を提案する」国会での所信表明で。 --------
3/5 雨宮・副総裁候補 「副作用はあるが、全体として効果が上回っている」国会での所信表明で。 --------
3/14 クドロー・新国家経済会議(NEC)委員長 「市場の機能は自律的だ。金融当局はやるべきことをやるだろうが、やり過ぎないようにしてほしい」CNBCとのインタビューで。 --------
3/21 パウエル・FRB議長 「われわれは早くもない、遅くもない中間の立場で、金融政策に臨む」FOMCで利上げを決めた後の会見で。 ドル円106円台半ばから105台へ
3/22 トランプ・米大統領 「ここまでたどり着くのに長い時間を要した。中国によって知的財産権が著しく侵害される状況が続いており、貿易への影響は1年間で数千億ドルに達する」中国に対する報復関税措置に関する大統領令に署名した後で。 ドル円105円台前半まで売られ翌朝のオセアニアでは104円台に。
4/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰
4/4 崔天凱・駐米大使 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 --------
4/4 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 --------
4/6 ムニューシン・米財務長官 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。
4/8 トランプ・米大統領 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 --------
4/9 黒田・日銀総裁 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 --------
4/10 習近平・中国国家主席 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。
4/16 ダドリー・NY連銀総裁 「今年3回ないし4回が妥当な予測と思われる」CNBCとのインタビューで、利上げ回数について問われて。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和