2018年5月8日(火) 「ユーロドル4カ月ぶりに1.19台を割り込む」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア市場で109円台を回復し、NY市場では109円40銭までドル高が進む。ユーロドルの動きにつられて円売りが強まった側面もあったが、上値も限られ、その後は109円前後まで値を下げる。
- ユーロドルは持ち高の解消が継続され、一時は1.190を割り込む。ユーロ圏の景気鈍化を背景に出口が遠のくとの見方が強まる。
- 株式市場は続伸。ダウは午後には上げ幅を縮小したものの、先週末比94ドル高で取り引きを終える。
- 債券相場は薄商いの中動かず、金利水準も先週末とほぼ変わらず。
- 金は反落。原油はイランに加え、ベネズエラの財政不安から4日続伸。引け値でも3年5カ月ぶりとなる70ドル台に。
3月消費者信用残高 → 116.22億ドル
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| ドル/円 | 109.00 〜 109.40 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1897 〜 1.1983 |
| ユーロ/円 | 129.95 〜 130.30 |
| NYダウ | +94.81 → 24,357.32ドル |
| GOLD | −0.60 → 1,314.10ドル |
| WTI | +1.01 → 70.73ドル |
| 米10年国債 | ±0 → 2.950% |
本日の注目イベント
- 豪 豪3月小売売上高
- 中 中国4月貿易収支
- 独 独3月貿易収支
- 独 独3月経常収支
- 独 独3月鉱工業生産
- 加 カナダ4月住宅着工件数
昨日の東京市場では109円を挟む展開だったドル円は、NY市場では109円40銭まで買われました。昨日の動きを見る限り、「円売り」というよりも、「ドル高」と言った方が適切なようです。ユーロドルが1.190を割り込み、1.1897までユーロ安が進み、ドル買いユーロ売りに引っ張られる形で、ドル円も109円台半ばまで上昇した側面が強かったと見られます。
ユーロドルの1.19割れは昨年12月の下旬以来となり、積み上がったポジションを解消する取り引きが引きがねとなって、ユーロ売りが加速していると見られます。今年9月まで毎月300億ユーロの資産購入プログラムが実施されていますが、それ以降は規模の縮小か購入の停止がなされ、その後に利上げに踏み切るという「メインシナリオ」が遅れるとの見方が出てきたことが、その最大の理由です。4月26日に行われたECB理事会後の記者会見でドラギ総裁が、今年に入ってユーロ圏の成長が鈍化していることを認めたことで、投資家は量的緩和の終了が先送りされる可能性を意識し始めました。
実際発表された経済指標を見ると、ドイツを中心に軟調な数字が出ています。先週発表されたユーロ圏の1−3月期GDPも年率で2.5%と、前期の2.7%から鈍化していました。加えて、ユーロの先高感が強かったことから、ユーロの買いポジションは高水準に積み上がっており、この巻き戻しがユーロドルやユーロ円でも活発になって水準を押し下げていると見られます。ただそれでもユーロ圏の出口への距離は日本よりも遥かに近く、ここからのユーロの下落は限定的ではないかと、個人的には予想しています。目先のサポートは1.17台前半あたりをイメージしています。
ドル円は109円台半ばを頂点に折り返してきましたが、底堅い動きは続いています。ポイントは再び110円台に乗せることができるかどうかですが、110円台ではかなりのドル売り需要も想定されることから、それらを吸収して上昇できるかどうかです。武田薬品工業のシャイアー買収が合意に近く、本日8日にも発表があるのではないかとの報道は「ドル高材料」ですが、一方で、米国がイラン核合意に在留するかどうかも本日発表される見込みで、こちらはリスク回避の材料と見ることができます。
本日は上記のニュースに注意しながらのトレードということになります。108円台半ばが下抜けできない一方、上値も昨日のNY市場のように、109円台半ばから上方は重そうです。どちらが抜けるかもポイントの一つになり、予想レンジも108円50銭〜109円50銭程度にならざるを得ません。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 | ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰 |
| 4/4 | 崔天凱・駐米大使 | 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 | -------- |
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 | -------- |
| 4/6 | ムニューシン・米財務長官 | 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 | ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。 |
| 4/8 | トランプ・米大統領 | 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 | -------- |
| 4/9 | 黒田・日銀総裁 | 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 | -------- |
| 4/10 | 習近平・中国国家主席 | 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 | ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。 |
| 4/16 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「今年3回ないし4回が妥当な予測と思われる」CNBCとのインタビューで、利上げ回数について問われて。 | -------- |
| 4/25 | 野田聖子・総務大臣 | 日銀の金融政策について「これ以上、異次元緩和は不要であり、2%の物価目標は撤廃すべきだ」9月の自民党総裁選に出馬する際の公約について、ブルームバーグとのインタビュ−で。 | -------- |
| 5/2 | FOMC声明文 | 「さらなる利上げが正当化される」 | ドル円109円台後半から110円台に乗せる |
| 5/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 | -------- |



