2018年5月17日(木) 「ユーロドルさらに下落し1.17台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は110円台を維持。110円03銭まで売られる場面もあったが、この日も米長期金利の上昇にサポートされ、110円40銭までドルが上昇。
- ユーロドルは戻りを売られる展開が続き、一時は1.1763と、直近安値を更新する水準まで下落。前日発表されたユーロ圏のGDPが経済成長の減速を示したほか、イタリアの政局も重石に。
- 株式市場は反発。ダウは62ドル上昇し、ナスダックも46ポイント上昇。
- 債券相場は続落。長期金利はさらに上昇し、3.1%を付けたが、引け値では3.09%台とやや低下。
- 金は4日ぶりに小反発。原油は3日続伸。
4月住宅着工件数 → 128.7万件
4月建設許可件数 → 135.2万件
4月鉱工業生産 → +0.7%
4月設備稼働率 → 78.0%
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| ドル/円 | 110.03 〜 110.40 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1763 〜 1.1820 |
| ユーロ/円 | 129.53 〜 130.36 |
| NYダウ | +62.52 → 24,768.93ドル |
| GOLD | +1.20 → 1,291.50ドル |
| WTI | +0.18 → 71.49ドル |
| 米10年国債 | +0.024 → 3.096% |
本日の注目イベント
- 豪 豪4月雇用統計
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 5月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 4月景気先行指標総合指数
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
ドル円は活発な動きが見られない中、NY市場ではやや下げる場面もありましたが、それでも110円03銭までで、110円台を維持しています。米長期金利が昨日は3.1%まで上昇し、実に6年10カ月ぶりの水準まで金利高が続いています。この金利高に支えられる形でドル円も緩やかに上昇しており、このまま110円台を固めることになれば、1週間ほどかけて109円台を固めた動きにも似てきます。
日米金利差に着目したドル買いや、大型のM&Aに伴うドル買いが報道されていますが、このままさらに金利高が続けば、住宅ローン金利や自動車ローンの金利もさらに上昇し、この分野での購買力を低下させることになります。足元の米景気が「過熱」しているのであれば、今後も政策金利を引き上げるとのメッセージを市場に発信しつづけ、長期金利の一段の上昇を促すフォワードガイダンスを維持すればいいことになりますが、米景気が既にピークアウトしているとすれば、政策金利の引き上げは今後景気拡大に急ブレイキをかけることとなり、FRBの判断も慎重にならざるを得ません。
ユーロドルの急落が目立ってきました。昨日は直近の安値である1.18台前半を割り込み、1.1763前後まで売られ、昨年12月19日以来となるユーロ安を記録しました。前日発表されたユーロ圏のGDPが景気の減速を示したことと、イタリアの政局が不透明になったことでユーロ売りが加速しています。折からのドル高傾向に加え、ロングポジションの解消に伴うユーロ売りも下落を後押ししている格好です。目先のユーロの下値のメドは、昨年12月の底値である1.1718近辺と、仮にその水準を割り込んだ場合には、1.1670−80辺りかと、予想しています。
このように、ここ数日はドル円の動きよりもユーロドルの動きの方が、よりドル高傾向を鮮明にしています。そのため、欧州からNY市場にかけてはユーロドルの動きが、ドル円を売買する投資家にとっても参考になるため、注目したいところです。ドル円は底堅い動きを見せてはいますが、110円台半ばがマイナーなレジスタンスになっていると思われます。昨日この欄でも述べたように、フィボナッチの示す110円88銭前後も意識されることから、110円台半ばから111円にかけては、利益確定も含めて、ドル売りが集まりやすい水準かと思われます。反対に、このままドル高がさらに進み、112円台辺りまで上昇すれば、今期のドル円を100円〜105円に設定している輸出企業には「余裕」が出てくるため、急いで手当てをする必要性も後退することになります。現時点では米朝首脳会談の延期や、米中貿易交渉、さらには一段と混迷度を増してしてきた中東情勢など、一気に円高に振れてしまう「種」が残っているため、輸出企業は、上記水準ではある程度為替の手当てをしておきたいと考えるのも無理はありません。
本日も、ドル円は昨日とほぼ同水準で推移していることから、余り動意が見られないと思われます。上値は上述のように、110円台半ばを抜けるかどうか、そして下値は昨日1日を通じて抜けなかった110円台を割り込めるかどうかです。予想レンジは109円80銭〜110円70銭程度とみます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 | ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰 |
| 4/4 | 崔天凱・駐米大使 | 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 | -------- |
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 | -------- |
| 4/6 | ムニューシン・米財務長官 | 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 | ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。 |
| 4/8 | トランプ・米大統領 | 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 | -------- |
| 4/9 | 黒田・日銀総裁 | 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 | -------- |
| 4/10 | 習近平・中国国家主席 | 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 | ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。 |
| 4/16 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「今年3回ないし4回が妥当な予測と思われる」CNBCとのインタビューで、利上げ回数について問われて。 | -------- |
| 4/25 | 野田聖子・総務大臣 | 日銀の金融政策について「これ以上、異次元緩和は不要であり、2%の物価目標は撤廃すべきだ」9月の自民党総裁選に出馬する際の公約について、ブルームバーグとのインタビュ−で。 | -------- |
| 5/2 | FOMC声明文 | 「さらなる利上げが正当化される」 | ドル円109円台後半から110円台に乗せる |
| 5/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 | -------- |
| 5/7 | バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 | 「現在の成長とインフレ見通しを踏まえれば、今年末までの資産買い入れ終了は現実的かつ適切なシナリオだと私には思われる」独紙とインタビューで。 | -------- |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「今年は3回か4回の利上げが適切」講演で。 | ドル円110円台突破の一因に |



