2018年5月21日(月) 「ドル円111円台乗せ後反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は111円台に乗せたが、さすがに連日の上昇で勢いもなく、米長期金利が低下したことで110円62銭まで下落。この日のNY市場での高値は111円02銭。
- ユーロドルは続落し、1.1750までユーロ安が進む。2日に前に記録した1.1763を僅かながら下回る水準を示現。
- 株式市場は高安まちまち。ナスダックは28ポイント下落したものの、ダウはほぼ変わらず。小型株は上昇。
- 債券は反発。10年債利回りは3.1%台から低下し、3.05%台で取り引きを終える。
- 金は小幅ながら続落。原油も売られ、71ドル台前半に。
| ドル/円 | 110.62 〜 111.02 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1750 〜 1.1789 |
| ユーロ/円 | 130.24 〜 130.74 |
| NYダウ | +1.11 → 24,715.09ドル |
| GOLD | +1.90 → 1,291.30ドル |
| WTI | −0.14 → 71.35ドル |
| 米10年国債 | −0.055 → 3.056% |
本日の注目イベント
- 日 4月貿易収支
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
ドル円は緩やかな上昇が続き、先週末の欧州市場では111円台に乗せ、111円08銭までドル高が進みました。1月23日以来となる111円台です。ただ、前日3.1%台まで上昇した米長期金利が低下したことで、ドル売りもやや活発となり、週末のポジション調整と相まって、110円62銭までドルが下落し、110円70−80銭で越週しています。
注目された米中貿易協議では、中国側が「米国製品の輸入を大幅に拡大する」ことで合意しましたが、その規模については共同声明では触れていません。協議に参加した劉鶴副首相は、「米中の貿易戦争は回避された」と述べています。ただ当初、米国側に対して年間の貿易赤字を「少なくとも2000億ドル(約22兆2000億円)削減することを提案した」と、クドロー国家経済会議(NEC)委員長が発言していましたが、その部分については特に言及はありません。この協議の共同声明も1日遅れて発表されており、やや玉虫色の結果に終わった印象です。
先週1週間は、ドルが主要通貨に対してほぼ一本調子で上昇しました。ドル円は109円台半ばから111円台前半まで緩やかでしたが、確実に上昇し、ユーロドルも1.19台半ばから1.17台半ばまで200ポイントの下落でした。米長期金利の上昇がドルを押し上げたドライバーだったと考えられます。従って、今後も米長期金利がこのままさらに上昇して行くのかどうかを見極めることが、相場の先行きを予想する上で重要になってきます。
チャートを確認しても、「日足」では雲抜けと、重要な移動平均線である「200日線」も抜けています。この上方には目立ったレジスタンスはありませんが、あえて探せば「週足」の雲の入り口にあたる111円90銭前後ということになります。チャートを見る限り、ドル円は上昇トレンド入りしたと考えられます。この先、よほど想定外の事が起きない限り、ドル円は下がったところを拾うというスタンスでいいのではないでしょうか。
明日には米韓首脳会談がワシントンで開催されます。一気に融和な姿勢を見せてきた北朝鮮も、金正恩委員長の中国への2度目の電撃訪問を境に、国営通信を通しての米国に対する論調は、やや批判的に変わってきました。中国を後ろ盾にしていることがその背景だと見られていますが、焦点は北朝鮮の「非核化」であることに変わりはありません。米韓首脳会談で、米韓関係をより緊密なものだとする印象を見せ付けるようだと北朝鮮側も再度反発することも予想されます。6月12日の米朝首脳会談まであと1カ月弱ですが、その間、米朝だけではなく、日本、中国、韓国でも色々な駆け引きがおこなわれる可能性もありそうです。本日のドル円の予想レンジは110円30銭〜111円20銭程度と見ています。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 | ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰 |
| 4/4 | 崔天凱・駐米大使 | 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 | -------- |
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 | -------- |
| 4/6 | ムニューシン・米財務長官 | 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 | ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。 |
| 4/8 | トランプ・米大統領 | 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 | -------- |
| 4/9 | 黒田・日銀総裁 | 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 | -------- |
| 4/10 | 習近平・中国国家主席 | 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 | ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。 |
| 4/16 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「今年3回ないし4回が妥当な予測と思われる」CNBCとのインタビューで、利上げ回数について問われて。 | -------- |
| 4/25 | 野田聖子・総務大臣 | 日銀の金融政策について「これ以上、異次元緩和は不要であり、2%の物価目標は撤廃すべきだ」9月の自民党総裁選に出馬する際の公約について、ブルームバーグとのインタビュ−で。 | -------- |
| 5/2 | FOMC声明文 | 「さらなる利上げが正当化される」 | ドル円109円台後半から110円台に乗せる |
| 5/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 | -------- |
| 5/7 | バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 | 「現在の成長とインフレ見通しを踏まえれば、今年末までの資産買い入れ終了は現実的かつ適切なシナリオだと私には思われる」独紙とインタビューで。 | -------- |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「今年は3回か4回の利上げが適切」講演で。 | ドル円110円台突破の一因に |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「FOMCが会合終了後に毎回示す声明で、フォワードガイダンスを段階的に終了していくべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |



