2018年5月25日(金) 「米朝首脳会談中止で円全面高に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 米朝首脳会談中止を受けドル円は急落。一時は108円96銭まで円高が進み、約2週間ぶりのドル安水準を記録。ドル円はその後やや買い戻され、109円20−30銭で取り引きを終える。
- ユーロドルは1.17台で小動き。ドル円の下落に伴いユーロ円が売られ、127円台後半までユーロ安が進行。
- 株式市場は反落。米朝首脳会談中止で再び朝鮮半島リスクが意識され、ダウは75ドル安。
- 債券は続伸。リスクオフが進んだことで安全資産の債券が買い戻される。長期金利は2.97%台まで低下。
- 金は反発し1300ドル台を回復。原油は大幅に続落し70ドル台に。
新規失業保険申請件数 → 23.4万件
3月FHFA住宅価格指数 → +0.1%
4月中古住宅販売件数 → 546万件
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| ドル/円 | 108.96 〜 109.72 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1714 〜 1.1751 |
| ユーロ/円 | 127.73 〜 128.75 |
| NYダウ | −75.05 → 24,811.76ドル |
| GOLD | +14.80 → 1,304.40ドル |
| WTI | −1.13 → 70.71ドル |
| 米10年国債 | −0.016 → 2.977% |
本日の注目イベント
- 独 独5月ifo景況感指数
- 英 英1−3月期GDP(改定値)
- 米 4月耐久財受注
- 米 5月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁がパネル討論会に出席
- 米 パウエル・FRB議長がスウェーデン中銀の会議に出席
昨日のホワイトハウスの発表は個人的には大きなサプライズでした。日程と場所まで決まっていた米朝首脳会談の中止が発表されました。会談を取りやめた理由についてトランプ大統領は、北朝鮮側の最近の発言に見られる「途方もない怒りとあからさまな敵意」がその理由と説明しています。(ブルームバーグ)。実際、北朝鮮は今月7〜8日に金委員長が中国へ2回目の訪問を行った以降に、米国への態度を硬化させ、批判的な論調に変わってきました。米国側も、このまま相手に非核化の問題も含めて指導権を握らせるわけにはいかず「中止」を発表したものと推測されます。
相手がトランプ大統領であることを考えると、「中止」がないわけではないと多少警戒はしていましたが、それでもここまでくれば「大国としての対応」を見せるだろうと予想していました。突然の首脳会談中止で、ドル円は一時109円を割り込み、ユーロ円も127円台後半まで売られるなど、「円全面高」の様相です。昨日の日本株も、米国が自国への輸入自動車の関税引き上げを示唆したことから日経平均株価は300円以上下げる場面もあり、2万3000円台を回復して楽観ムードが高まっていた株式市場にも警戒感が広がってきました。
また一時3.12%まで上昇した米長期金利は3%を割り込み、昨日は2.97%台まで低下し、安全資産の債券に資金が戻った格好になっています。朝鮮半島リスクはほぼ後退したと見ていましたが、再び米朝が対立する形になりました。今後米国は、北朝鮮に対する経済制裁を維持するだけではなく、強化するのかという点についても注目しなければなりません。一方で、北朝鮮は予告どおり核実験場を爆破し、非核化の意思を見せています。米朝首脳会談中止を受けた後の北朝鮮側のコメントを聞いてはいませんが、おそらく「北朝鮮は核実験場の爆破まで行ったのに、米国の勝手な理由で会談を中止させたと」いった論調のコメントが出されると思われます。ただトランプ大統領は、金委員長とは「最近まで良い対話ができていた。金委員長は正しいことをしたがっていると思う。そう信じている」(ブルームバーグ)と述べており、今後会談日程が再びテーブルに乗る可能性も否定できません。
ドル円はリスクオフの動きが強まってきたため、再び下落基調に戻ってきました。今回の動きで111円台はかなり重くなってきたと思われます。同時に110−115円の新しいレンジ形成にも失敗しております。レンジとしては105−110円に戻った印象ですが、3月23日の104円64銭から今回の上昇分をフィボナッチ・リトリースメントではじくと、38.2%戻しが108円82銭になります。また半値戻しは108円02銭となり、この辺りが目先の下値のメドと考えられます。トランプ大統領は輸入自動車に対する関税引き上げも示唆しています。これが実施されるようだと、直接日本にも大きな影響が出ることから、さらにリスクオフが拡大することも予想されます。市場関係者は再び「トランプリスク」に対して身構え始めたと言えるでしょう。本日のドル円は108円70銭〜109円70銭程度を予想します。
5月も来週で終わります。株式市場のアノマリーの一つである「Sell in May」も、つい今週初めまでは今年に関してはあてはまらないと思っていましたが、水曜日、木曜日に日平均株価は急落。まだ4月の末の水準を上回ってはいますが、あと5営業日を残して雲行きが怪しくなってきました。最後の最後まで下駄を履くまで分からないのが相場の常。さて、今日はどうなるのでしょう。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 | ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰 |
| 4/4 | 崔天凱・駐米大使 | 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 | -------- |
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 | -------- |
| 4/6 | ムニューシン・米財務長官 | 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 | ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。 |
| 4/8 | トランプ・米大統領 | 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 | -------- |
| 4/9 | 黒田・日銀総裁 | 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 | -------- |
| 4/10 | 習近平・中国国家主席 | 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 | ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。 |
| 4/16 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「今年3回ないし4回が妥当な予測と思われる」CNBCとのインタビューで、利上げ回数について問われて。 | -------- |
| 4/25 | 野田聖子・総務大臣 | 日銀の金融政策について「これ以上、異次元緩和は不要であり、2%の物価目標は撤廃すべきだ」9月の自民党総裁選に出馬する際の公約について、ブルームバーグとのインタビュ−で。 | -------- |
| 5/2 | FOMC声明文 | 「さらなる利上げが正当化される」 | ドル円109円台後半から110円台に乗せる |
| 5/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 | -------- |
| 5/7 | バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 | 「現在の成長とインフレ見通しを踏まえれば、今年末までの資産買い入れ終了は現実的かつ適切なシナリオだと私には思われる」独紙とインタビューで。 | -------- |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「今年は3回か4回の利上げが適切」講演で。 | ドル円110円台突破の一因に |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「FOMCが会合終了後に毎回示す声明で、フォワードガイダンスを段階的に終了していくべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/24 | トランプ・米大統領 | (北朝鮮側の最近の発言に見られる)「途方もない怒りとあからさまな敵意が理由だ」米朝会談中止の発表で。 | ドル円109円台半ばから108円台へ |



