2018年5月30日(水) 「米10年債急騰し金利急低下」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- イタリアの政局不安が広がり、東京時間に109円を割り込んだドル円は一時108円12銭前後まで急落。米長期金利が急低下したことや、株価が大きく売られたことから円買いが進んだ。
- ユーロドルも続落。イタリアに加えスペインでも政治的リスクが高まりユーロドルは1.1520前後まで売られ、約半年ぶりのユーロ安水準を示現。
- 株式市場はほぼ全面安の展開。欧州発の政局不安がリスク回避の流れを加速させ、ダウは391ドル安。他の株価指数も軒並み安。
- 債券相場は急伸。イタリア国債が大きく売られ、NY株も大幅安を記録したことで、安全資産の米国債に資金が流れる。長期金利は先週末比15bp低下し、2.78%台で取り引きを終える。
- 金と原油も下落。原油はサウジとロシアの減産調整が緩むとの観測が強まった。
3月ケース・シラ−住宅価格指数 → +6.79%
5月消費者信頼感指数 → 128.0
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| ドル/円 | 108.12 〜 109.11 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1520 〜 1.1590 |
| ユーロ/円 | 124.62 〜 126.44 |
| NYダウ | −391.64 → 24,361.45ドル |
| GOLD | −4.70 → 1,299.00ドル |
| WTI | −1.15 → 66.73ドル |
| 米10年国債 | −0.150 → 2.781% |
本日の注目イベント
- 豪 豪4月住宅建設許可件数
- 独 独5月雇用統計
- 独 独5月消費者物価指数(速報値)
- 欧 ユーロ圏5月景況感指数
- 欧 ユーロ圏5月消費者信頼感(確報値)
- 欧 OECD経済見通し
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 5月ADP雇用者数
- 米 1−3月GDP(改定値)
- 加 カナダ中銀政策金利発表
イタリアでは「5つ星運動」や「同盟」など大衆から支持を集めている政党が、早期の再選挙を求めていることで、イタリアの政局不安が市場を大きく揺さぶっています。昨日の各金融市場の動きを見ると、2012年の「欧州危機」を彷彿させるほど大きな変化が見られました。
イタリア国債は急落し、相対的に安全である米国債が買われ、長期金利は急低下しました。米長期金利は2.78%台で取り引きを終えましたが、この水準は2月の初めにNYダウが1000ドルを超える暴落を見せた時の水準です。先週末に比べ、一時は17bpまで金利が低下する場面もあり、これは2016年のイギリスがEUからの離脱を決めた「BREXIT」以来の下落幅ということになります。米長期金利の急低下で、金利との相関が強まっているドル円でも、円買いドル売りが強まり、一時は108円12銭前後までドル安が進み、一言で言えば「市場全体で一気にリスクオフが進んだ」ことになります。
著名な投資家であるジョージ・ソロス氏はパリで講演し、「イタリアは政治混迷の中で選挙を迎える」とし、「経済と移民政策の失敗は欧州が存在の危機にあるというのは、もはやただの言葉ではなく、厳しい現実であることを意味する」と述べています。(ブルームバーグ)ユーロ圏では今年に入り景気の鈍化が確認され、ECBによる量的緩和の停止や、利上げ観測が急速に後退していました。そこにイタリアやスペインの政治的リスクが顕在化したことで、ユーロ売りが加速し、昨日はユーロドルが1.15台前半まで売られ、ユーロ円も124円台半ばまで急落しています。
ドル円は108円台前半まで下落し、再びドルの底値を試す展開になってきました。既に日足を除く短期的なチャートでは下落サインが点灯していますが、北朝鮮リスクがやや後退したと思ったら、今度は欧州発のリスクオフです。米中貿易問題もいよいよこれからが『本番』の様相を呈しており、この問題も今後リスクとして意識しておく必要がありそうです。
3月23日の104円64銭から今月24日の111円40銭までの上昇幅を見ると、半値戻しが108円02銭と導かれ、昨日はほぼこの水準に近いところで下げ止まっています。また、この値位置は「日足」の52日線にも近く、この移動平均線も意識されたものと思われます。今後まだドルの底値を探る動きがありそうですが、日足の雲の上限である107円60−65銭辺りが、一旦は下値のメドかと予想していますが、円を取り巻く環境を見ると、円が選好されそうな材料が多くなってきたことには注意が必要です。本日のドル円は108円〜109円程度を予想しますが、「円高+NY株安」から日本株が何処まで下げるのかにも、大いに関係しそうです。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「トランプ大統領は交渉するつもりだ。米中貿易戦争は起こらない」中国への関税引き上げを決めたあとのTV出演で。 | ドル円106円台前半から106円台後半に。NYダウ−500ドルから+235ドルに急騰 |
| 4/4 | 崔天凱・駐米大使 | 「中国に関する米国の関税リスト案は誤った方向へのさらなる一歩であり、こうした動きは誰も守れず皆にとって打撃となる」中国中央テレビ局とのインタビューで。 | -------- |
| 4/4 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「まだ導入された関税はなく、これらは全て提案だ、意見募集を行っている段階であり、実際の措置が発動されるまで少なくとも2カ月ある」ブルームバーグニュースとのインタビューで。 | -------- |
| 4/6 | ムニューシン・米財務長官 | 「貿易戦争になるリスクはある」NBCとのインタビューで。 | ドル円107円半ばから106円78銭まで下落。NYダウは500ドルを超える下落。 |
| 4/8 | トランプ・米大統領 | 「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」ツイッターで投稿。 | -------- |
| 4/9 | 黒田・日銀総裁 | 「2%の物価目標実現への総仕上げを果たすため、全力で取り組みたい」「今の段階で引き締めに転換するとか、緩和を減らすのは適切ではない」再任後の記者会見で。 | -------- |
| 4/10 | 習近平・中国国家主席 | 「人間社会は現在、開放か閉鎖か、前進か後退かという大きな選択を迫られている。今日の世界では、平和と協調のトレンドが前進しており、冷戦とゼロサムゲームの思考は時代遅れだ」アジアフォーラムでの演説で。 | ドル円106円85銭近辺から107円25銭まで上昇。 |
| 4/16 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「今年3回ないし4回が妥当な予測と思われる」CNBCとのインタビューで、利上げ回数について問われて。 | -------- |
| 4/25 | 野田聖子・総務大臣 | 日銀の金融政策について「これ以上、異次元緩和は不要であり、2%の物価目標は撤廃すべきだ」9月の自民党総裁選に出馬する際の公約について、ブルームバーグとのインタビュ−で。 | -------- |
| 5/2 | FOMC声明文 | 「さらなる利上げが正当化される」 | ドル円109円台後半から110円台に乗せる |
| 5/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 | -------- |
| 5/7 | バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 | 「現在の成長とインフレ見通しを踏まえれば、今年末までの資産買い入れ終了は現実的かつ適切なシナリオだと私には思われる」独紙とインタビューで。 | -------- |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「今年は3回か4回の利上げが適切」講演で。 | ドル円110円台突破の一因に |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「FOMCが会合終了後に毎回示す声明で、フォワードガイダンスを段階的に終了していくべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/24 | トランプ・米大統領 | (北朝鮮側の最近の発言に見られる)「途方もない怒りとあからさまな敵意が理由だ」米朝会談中止の発表で。 | ドル円109円台半ばから108円台へ |



