今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年6月8日(金) 「ドル円110円台を維持できず反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は110円台を維持できず反落。米長期金利が低下したことからドル売りがやや優勢となり、109円48銭まで下落。
  • ユーロドルは1.1840まで上昇。来週の理事会で量的緩和の終了が議論されるとの見方がユーロ買いをサポート。ユーロ円も一時130円台前半まで続伸。
  • 株式市場はまちまち。ダウは前日の大幅高に続きこの日も95ドル上昇。一方ナスダックは利益確定の売りに押され、54ポイント下落。
  • 債券価格は反発。長期金利は一時2.9%を割り込んだが、引けは2.92%台まで戻す。
  • 金と原油は揃って反発。
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 新規失業保険申請件数 → 22.2万件
 1−3月期家計純資産 → 1028bドル
 4月消費者信用残高 → 9.262bドル
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ドル/円 109.48 〜 110.07
ユーロ/ドル 1.1796 〜 1.1840
ユーロ/円 129.30 〜 130.21
NYダウ +95.02 → 25,241.41ドル
GOLD +1.60 → 1,303.00ドル
WTI +1.22 → 65.95ドル
米10年国債 −0.051 → 2.920%

本日の注目イベント

  • 日 4月国際収支
  • 日 1−3月GDP(改定値)
  • 日 5月景気ウオッチャー調査
  • 中 中国5月貿易収支
  • 独 独4月鉱工業生産
  • 独 独4月貿易収支
  • 加 カナダ5月住宅着工件数
  • 加 カナダ5月就業者数
  • 加 カナダ5月失業率
  • 加 G7首脳会議(カナダ、シァルルボア)

トルコ中銀が昨日の政策会合で利上げを決めました。1週間物レポ金利を1.25%引き上げ、17.75%としました。先月28日に大幅な政策金利引き上げを実施したばかりなこともあり、今回の会合では「引き上げはない」と個人的には予想していましたので、サプライズでした。市場でも多くは据え置きと予想しており、利上げを予想した向きでも「0.5%」という中での大幅な利上げでした。これで、過去2カ月弱で3回目となる利上げです。

トルコ中銀は声明で、高水準のインフレとインフレ期待が引き続き価格動向にリスクを及ぼしていると指摘。物価安定を支えるため金融引き締めの強化を決定したと説明し、物価安定を追及するためあらゆる手段を活用し続けると表明しました。(ブルームバーグ)この発表を受けてトルコリラ円は、24円台半ばを超える水準まで上昇。対ドルでも4.4600を超える水準までリラ高が進みました。

トルコでは通貨安と原油高からインフレが加速しており、直近でも12%と、高水準です。特に通貨安が物価を押し上げており、リラは今年だけでも2割ほど下落しています。インフレを沈静化するため、トルコ中銀は強力な金融引き締め政策を推進したいところですが、エルドアン大統領が中銀の金利引き上げに圧力を加えており、政策金利の引き上げどころか反対に、大統領は「金利を引き下げればインフレは収まる」と主張していました。そのため、市場では「トルコでは中銀の独立性が維持されていない」と見られ、投機筋などから売りを浴びせられ、トルコ国債も大きく値下がりしていました。今回の予想外の利上げはトルコ中銀の独立性をアピールすると同時に、意地を見せた格好ですが、今月24日の大統領選を控えてエルドアン大統領が、通貨安が自身にとってマイナスだということを意識した「あくまでも選挙を意識して柔軟な姿勢を示しただけ」との見方もあるようです。

ドル円は結局110円を維持できずに反落しました。前日のNY市場では110円27銭までドル高が進んだものの、この水準を抜くことなく、109円台半ばまで押し戻されています。日足チャートでは、結果的に「200日移動平均線」に上昇を抑えられた形になっています。米長期金利の方も、上昇傾向を強めてきたものの3%台乗せには失敗しており、引き続き米金利の動向に左右されそうですが、110円を挟んだ展開に落ち着きそうな気配です。

来週は12日の米朝首脳会談を皮切りに、FOMCやECB理事会、さらには日銀の政策決定会合もあり、イベント満載です。米朝会談ではトランプ大統領も「もう、最大限の圧力という言葉は使いたくない」と語るなど、融和な姿勢を見せていることから、会談からはドル売り材料が出る可能性は低いと予想しています。本日のレンジは109円20銭〜110円10銭程度を予想します。


来週12日にはいよいよ歴史的な会談となる「米朝首脳会談」がシンガポールで行われます。会場はセントーサ島のカペラホテルと決まりました。トランプ大統領はシャングリラホテルに宿泊すると伝えられていますが、金委員長は報道によると、「フルトンホテル」を希望しているとか。筆者も10年ほど前にこのホテルに泊まったことがありますが、築200年ほどの建物で、かつては中央郵便局だっただけに、重厚な建物です。1回のロビーは吹き抜けで、ここでコーヒーを飲むだけでも南国にいる雰囲気十分でした。このホテルを所望した金委員長。ネットで調べたのでしょうか?良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
5/2 FOMC声明文 「さらなる利上げが正当化される」 ドル円109円台後半から110円台に乗せる
5/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 --------
5/7 バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 「現在の成長とインフレ見通しを踏まえれば、今年末までの資産買い入れ終了は現実的かつ適切なシナリオだと私には思われる」独紙とインタビューで。 --------
5/15 ウィリアムズ・SF中銀総裁 「今年は3回か4回の利上げが適切」講演で。 ドル円110円台突破の一因に
5/15 ウィリアムズ・SF中銀総裁 「FOMCが会合終了後に毎回示す声明で、フォワードガイダンスを段階的に終了していくべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/24 トランプ・米大統領 (北朝鮮側の最近の発言に見られる)「途方もない怒りとあからさまな敵意が理由だ」米朝会談中止の発表で。 ドル円109円台半ばから108円台へ
6/6 プラート・ECB理事 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和