2018年6月22日(金) 「ドル円再び110円割れ」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は110円台半ばから再び110円割れまで反落。独ダイムラーの収益見通し下方修正で、NY株が下げ、長期金利も低下したことで、109円84銭までドルが売られる。
- ユーロドルは欧州時間に1.1508まで売られ、1.15割れへの期待もあったが、NYでは反発。1.16台前半まで買い戻しが進み、1.16前後で取り引きを終える。
- 株式市場は独ダイムラーの収益見通し下方修正を材料に下落。ダウは8営業日続落となる196ドル安。好調だったナスダックもアマゾンなどが下げ68ポイント安。
- 債券は反発。株価の下落に伴い、資金が債券に向かった。長期金利は再び2.9%台を割り込む。
- 金は4ドル下げ、直近安値を更新。原油も小幅に反落。
新規失業保険申請件数 → 21.8万件
6月フィラデルフィア連銀景況指数 → 19.9
4月FHFA住宅価格指数 → +0.2%
5月景気先行指標総合指数 → 0.2%
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| ドル/円 | 109.84 〜 110.60 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1532 〜 1.1633 |
| ユーロ/円 | 127.38 〜 127.99 |
| NYダウ | −196.10 → 24,461.70ドル |
| GOLD | −4.00 → 1,270.50ドル |
| WTI | −0.017 → 65.54ドル |
| 米10年国債 | −0.042 → 2.897% |
本日の注目イベント
- 日 5月消費者物価指数
- 独 独6月製造業PMI(速報値)
- 独 独6月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏6月総合PMI(速報値)
- 欧 OPEC総会(ウィーン)
- 加 カナダ5月小売売上高
- 加 カナダ5月消費者物価指数
ドル円は行ったり来たりの展開が続いており、昨日もこの欄で述べた様に、明確な方向性が見えない中、早めの利益確定が必要なようです。昨日の東京時間では目先のポイントと見られていた110円台半ばを抜け、夕方には110円75銭前後までドル高が進み、NY市場で「もしかしたら111円テストも?」との期待も膨らみましたが、NY時間にかけてドルは緩やかに下落し、株価の下げと、長期金利の低下がさらにドルを押し下げ、110円割れまでドルが売られました。結局、前々日の水準まで押し戻された格好です。
ダウは8日続落し、長期金利は再び2.9%を割り込んで来ました。その背景は、やはりトランプ政権の通商問題に行き着きます。米中貿易問題のエスカレートに加え、今日22日にはEUが米国への報復関税を発動します。オートバイやバーボンなど、総額28億ユーロ(約3600億円)規模の米輸入製品に対して25%の関税を課すというものです。
ドイツのダイムラーは昨日、今年の収益見通しを下方修正し、中国が米国への報復関税を実施することで、中国での販売台数が下振れすると説明しており、これが昨日のNY株の下落につながったようです。米中貿易問題で、企業がその影響から収益を下方修正するのは今回のダイムラーが初めてで、今後は自動車メーカーを中心に同じような動きが出てくることが懸念されます。報復的な関税引き上げは中国やEUだけに留まらず、カナダ、メキシコ、ロシアやインドにも波及しています。まさに「貿易戦争」に近い状況になっており、「貿易戦争に勝者はいない」という言葉どおりの状況になってきそうです。
貿易問題では、パウエルFRB議長が、貿易摩擦が経済成長を脅かしかねないとの見解を示しました。調査先から、「投資や人員採用の延期決定について耳にしている。これは初めてのことだ」と具体的な事例を説明しました。この発言に対してロス商務長官は「経済が破壊されつつあると考える人は何もわかっていない」と述べています。(ブルームバーグ)トランプ大統領があの有様なら、商務長官もこの有様です。もっとも、トランプ氏に異を唱える側近は全て解任されており、当然といえば当然と言えます。
中国への報復関税は2000億ドル(約22兆円)と現実離れした金額です。この発動は7月6日となっていますが、その間に米国側がどこまで歩み寄って来るのかが焦点です。EUの報復関税はトランプ与党の重鎮である、共和党のライアン下院議長やマコネル院内総務の地盤を狙い撃ちした内容になっています。この二人の重鎮がどこまでトランプ氏を説得できるのかもポイントになろうかと思います。
ドル円は昨日述べた様に、110円を挟んで上下1円が抜け切れない状況です。本日はダイムラーが収益見通しを下方修正したことで、自動車株が売られると予想されます。トヨタなど、自動車株は時価総額が大きいため、下げた場合には日経平均株価への影響も大きいと思われます。株価の動きにもよりますが、レンジは109円50銭〜110円50銭程度を予想します。
「長短金利操作つき量的・質的金融緩和政策」、現在日銀が行っている金融政策はこのように長い名称になります。この金融政策の下、2%の物価上昇を目指していますが、なかなか思う通りに物価は上昇していません。物価研究の第一人者の渡辺東大教授が、G7諸国の頭髪料を比較して、日本の物価が如何に上がっていないかを説明しています。それによると、2000年の頭髪料を「1」とし、2017年ではイギリスが「1.8」で最も値上がりしており、次はカナダの「1.5」です。日本は「1.1」程度で、ほとんど上がっていません。(ブルームバーグの記事より)確かに頷けます。最近街でよく見かける「1000円カットのみ」という看板も、この数値に一役かっているかもしれません。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/2 | FOMC声明文 | 「さらなる利上げが正当化される」 | ドル円109円台後半から110円台に乗せる |
| 5/4 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 | -------- |
| 5/7 | バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 | 「現在の成長とインフレ見通しを踏まえれば、今年末までの資産買い入れ終了は現実的かつ適切なシナリオだと私には思われる」独紙とインタビューで。 | -------- |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「今年は3回か4回の利上げが適切」講演で。 | ドル円110円台突破の一因に |
| 5/15 | ウィリアムズ・SF中銀総裁 | 「FOMCが会合終了後に毎回示す声明で、フォワードガイダンスを段階的に終了していくべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 5/24 | トランプ・米大統領 | (北朝鮮側の最近の発言に見られる)「途方もない怒りとあからさまな敵意が理由だ」米朝会談中止の発表で。 | ドル円109円台半ばから108円台へ |
| 6/6 | プラート・ECB理事 | 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 | ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇 |
| 6/12 | トランプ・米大統領 | 「金委員長は非常に才能のある人物。」「金委員長と多く会うことになるだろう」米朝会談後に。 | ドル円、日経平均株価上昇 |
| 6/13 | パウエル・FRB議長 | 「インフレが上振れするとわれわれが考えれば、当然ながら金利を引き上げることになるが、金融当局はそうなると考えていない」FIMC後の記者会見で。 | -------- |
| 6/19 | ドラギ・ECB総裁 | 「初回利上げ時期の決定について辛抱強い姿勢を維持し、その後の政策調整は段階的に行う」年次フォーラムでの講演で。 | ユーロドル1.16台から1.1534まで下落 |
| 6/20 | パウエル・FRB議長 | 「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まええると、FF金利の漸進的な引き上げえお継続する根拠は強い」ECB主催のフォーラムで。 | 市場はドル買いで反応 |



