今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年6月29日(金) 「ドル円続伸し110円台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジア時間から緩やかに上昇。NYの朝方はGDP確報値が改定値を下回ったことで110円06銭まで売られたが、その後は株価と長期金利の上昇に、110円65銭までドルが買われた。
  • ユーロドルは1.15台半ばから1.16の狭いレンジでもみ合う。
  • 株式市場は反発。売られていたテクノロジー株が買われた。ダウは98ドル上昇し、S&P500も16ポイント上昇。
  • 債券は6日ぶりに反落。株価の上昇と不透明な貿易問題が一服。長期金利は2.83%台を回復。
  • 金は続落し、約半年ぶりの安値に。原油は利益確定の売りに押され反落。
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 新規失業保険申請件数 → 22.7万件
 1−3月GDP(確定値) → 2.0%
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ドル/円 110.06 〜 110.65
ユーロ/ドル 1.1551 〜 1.1601
ユーロ/円 127.31 〜 127.92
NYダウ +98.46 → 24,216.05ドル
GOLD −5.10 → 1,251.00ドル
WTI −0.69 → 73.45ドル
米10年国債 +0.011 → 2.836%

本日の注目イベント

  • 日 5月失業率
  • 日 5月鉱工業生産
  • 独 独6月失業率
  • 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
  • 英 英5月消費者信用残高
  • 英 英1−3月期経常収支
  • 英 英1−3月期GDP(確定値)
  • 米 5月個人所得
  • 米 5月個人支出
  • 米 5月PCEコアデフレータ
  • 米 6月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

ドル円は前日上抜けできなかった110円50銭を抜き、110円65銭までドル高が進みました。昨日の東京時間では、日経平均株価が軟調だったわりには、ドルが底堅く、ドル高が進む雰囲気がありました。米国の保護主義がエスカレートし、ドル高材料でもある米長期金利も低下傾向を見せる中で、ドル円は109円台に沈むと買われる展開が続く足元の動きは、どちらかといえば、上に行きたいのではないかと予想していました。

NY市場では、株価が反発し、長期金利も上昇しドル買いを支えた形です。ドル円は約1週間ぶりの高値となる110円65銭まで上昇しましたが、朝方は発表された1−3月期GDP確報値が予想を下回り、「2.0%」だったことでドルが売られましたが、それでも110円台を維持していました。確定値GDPの下方修正は、個人消費や在庫投資の下方修正が原因で、一時的と見られています。より最新の経済状況を表す、アトランタ連銀が公表する「GDPナウ」では、27日に発表された第二四半期予測では4.5%近い数字が示されています。市場も今回のGDP確報値の低下を楽観的に捉えているようです。

ドル円は、直近の高値である5月につけた111円40銭から描けるレジスタンスラインと、3月の104円65銭を底値に描けるサポートラインの間で推移していると見られます。「三角保ち合い」を形成しつつあり、この先、110円75銭辺りを明確に上抜けできれば「上っ放れ」が完成することになり、ドル円の上昇機運がさらに高まることが予想されます。もちろんトランプ大統領の「ツイッター」は常にリスクとして存在しますが、そのツイッターにも市場は慣れてきており、「つぶやき」が原因でドルが売られたところを、すかさず拾っている印象もあります。

本日のドル円は堅調に推移すると予想していますが、昨日のNYの高値と、2週間前に記録した110円90銭がマイナーなレジスタンスかと思われます。上述したように、ここを超えればレジスタンスラインを上抜けしたことになり、一段のドルの上昇が見込めるかもしれません。繰り返しになりますが、もちろんトランプ大統領の「つぶやき」にも注意が必要です。対中国への大規模な制裁関税は発動まで、あと約1週間しかありません。米国側が、急転直下柔軟な姿勢を見せるかもしれませんが、強気の姿勢を維持することも考えられます。予想外の「ハーレーダビッドソン」の動きもあり、米中が大幅に譲歩した中で、発動されるのではないかと考えています。予想レンジは110円〜111円というところでしょうか。


トランプ政権が検討中と報じられている輸入自動車への25%関税が実施されると、価格は1台あたり平均で5800ドル(約64万円)値上がりする。米国自動車工業会(AAM)が試算を発表しました。(ブルームバーグ)トランプ大統領自らが仕掛けた貿易戦争の結果、ハーレーのように、自国企業が困惑し、自国民が苦しむことにもなります。先週発表された5月の耐久財受注にも、既に影響がでているとの声も。いずれ、米国内からも反対の合唱が上がるかもしれません。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
5/2 FOMC声明文 「さらなる利上げが正当化される」 ドル円109円台後半から110円台に乗せる
5/4 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 シナリオが景気過熱の様相を呈した場合には「比較的急な軌道にならざるを得ないかもしれない」カリフォルニア州での討論会で。 --------
5/7 バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 「現在の成長とインフレ見通しを踏まえれば、今年末までの資産買い入れ終了は現実的かつ適切なシナリオだと私には思われる」独紙とインタビューで。 --------
5/15 ウィリアムズ・SF中銀総裁 「今年は3回か4回の利上げが適切」講演で。 ドル円110円台突破の一因に
5/15 ウィリアムズ・SF中銀総裁 「FOMCが会合終了後に毎回示す声明で、フォワードガイダンスを段階的に終了していくべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
5/24 トランプ・米大統領 (北朝鮮側の最近の発言に見られる)「途方もない怒りとあからさまな敵意が理由だ」米朝会談中止の発表で。 ドル円109円台半ばから108円台へ
6/6 プラート・ECB理事 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇
6/12 トランプ・米大統領 「金委員長は非常に才能のある人物。」「金委員長と多く会うことになるだろう」米朝会談後に。 ドル円、日経平均株価上昇
6/13 パウエル・FRB議長 「インフレが上振れするとわれわれが考えれば、当然ながら金利を引き上げることになるが、金融当局はそうなると考えていない」FIMC後の記者会見で。 --------
6/19 ドラギ・ECB総裁 「初回利上げ時期の決定について辛抱強い姿勢を維持し、その後の政策調整は段階的に行う」年次フォーラムでの講演で。 ユーロドル1.16台から1.1534まで下落
6/20 パウエル・FRB議長 「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まええると、FF金利の漸進的な引き上げえお継続する根拠は強い」ECB主催のフォーラムで。 市場はドル買いで反応
6/25 ナバロ・国家通商会議(NTC)委員長 「トランプ政権の通商政策は誤解されており、投資を制限する計画はない」 下落していたドルと株が買い戻される
6/26 ライアン・下院議長 不公平な貿易慣行に対抗する上で、「関税引き上げよりも良い手段がある」 ドル円109円台後半から110円20銭台に
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和