今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年7月3日(火) 「ドル円底堅く推移」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京時間に日経平均株価が急落したことで110円60銭前後まで売られたドル円は、NY市場では堅調に推移。NY株が堅調だったことで110円92銭まで上昇。
  • ユーロドルは1.16割れを試したものの下げ切れずに、1.16台前半まで戻す。
  • 株式市場は朝方には軟調に始まったが、トランプ大統領が「公正」な貿易取引に向けて合意が近いと述べたことで株価は上昇。ダウは3日続伸となる35ドル高で引ける。
  • 債券相場は小幅に続落。長期金利もやや上昇し、2.87%台に
  • 金は12ドル下げ直近安値を更新。原油も小幅に下落。
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 6月ISM製造業景況指数 → 60.2
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ドル/円 110.67 〜 110.92
ユーロ/ドル 1.1590 〜 1.1649
ユーロ/円 128.42 〜 129.11
NYダウ +35.77 → 24,307.18ドル
GOLD −12.80 → 1,241.70ドル
WTI −0.21 → 73.94ドル
米10年国債 +0.011 → 2.871%

本日の注目イベント

  • 豪 豪5月住宅建設許可件数
  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 日 6月マネタリーベース
  • 欧 ユーロ圏5月小売売上高
  • 米 独立記念日の前日のため株式、債券市場は短縮取り引き
  • 米 5月自動車販売台数

昨日の午後には、日経平均株価がジリジリと下げ、一時は515円ほどの下落を記録しました。ドル円もそれに合わせるように円が買われ、109円60銭前後まで円高が進んでいます。人民元が大きく売られ、上海株が下げたことが主因でしたが、朝方発表された日銀短観も株式市場の地合いを悪くしたようです。このままの流れでは、NY時間にもう一段の円高も予想されましたが、NYではドルは小反発。堅調な動きでした。

米国株がプラスで引けたことで、一応「負の連鎖」は避けられた形ですが、米中の貿易問題が、世界の株式や為替市場にも大きな影響を及ぼす可能性があることを、改めて知らされた感じです。その貿易問題について、トランプ大統領は、「公正」な貿易取引に向けて合意が近いと述べ、さらにロス商務長官は「米国のWTO脱退について議論するのはやや尚早だ」と語っています。(ブルームバーグ)米国は、鉄鋼・アルミニウム関税に対する報復措置を計画しているEUと通商合意に向けて協議をしていることを明らかにしています。

ドル円は底堅く推移していますが、昨日の東京時間では111円台に乗せたものの、直ぐに押し戻されており、原状は一進一退の状況です。株価は日米ともにやや軟調ですが、金価格は昨日も12ドル下げ、1241ドルで取り引きを終え、約半年振りの安値を記録しています。また、米長期金利も3%台では押し戻されるものの、リスク回避の急低下は見られません。総じて見ると、多くの市場関係者が、米国の強硬な貿易問題もそれほど深刻な状況にはならないと考えているとみられます。

本日は、昨日のドル円下落の主因だった人民元の動きや上海や東京株式市場の動きが注目されます。NY株が堅調だったことに影響され上昇するようなら、ひとまずドル円も111円に迫ることになるかもしれませんが、午後の引け値まで気は緩められません。今週末の米中報復関税発動期限も迫っています。トランプ大統領はポジティブな見方を示していますが、今日明日にも何らかの進展があるかもしれません。

ドル円は再び111円台に乗せ、5月に記録した111円40銭が抜けるかどうかがポイントの一つです。貿易問題が大きく改善するようなら、その可能性もあると予想していますが、引き続きドルの急落にも注意が必要です。本日は110円40銭〜111円20銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
6/6 プラート・ECB理事 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇
6/12 トランプ・米大統領 「金委員長は非常に才能のある人物。」「金委員長と多く会うことになるだろう」米朝会談後に。 ドル円、日経平均株価上昇
6/13 パウエル・FRB議長 「インフレが上振れするとわれわれが考えれば、当然ながら金利を引き上げることになるが、金融当局はそうなると考えていない」FIMC後の記者会見で。 --------
6/19 ドラギ・ECB総裁 「初回利上げ時期の決定について辛抱強い姿勢を維持し、その後の政策調整は段階的に行う」年次フォーラムでの講演で。 ユーロドル1.16台から1.1534まで下落
6/20 パウエル・FRB議長 「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まええると、FF金利の漸進的な引き上げえお継続する根拠は強い」ECB主催のフォーラムで。 市場はドル買いで反応
6/25 ナバロ・国家通商会議(NTC)委員長 「トランプ政権の通商政策は誤解されており、投資を制限する計画はない」 下落していたドルと株が買い戻される
6/26 ライアン・下院議長 不公平な貿易慣行に対抗する上で、「関税引き上げよりも良い手段がある」 ドル円109円台後半から110円20銭台に
6/29 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「われわれは経済の潜在成長力を拡大している。従ってインフレ的ではない」 ドル円小幅に下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和