今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年7月17日(火) 「ドル円112円台前半に下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は112円台前半から半ばで小動き。経済指標が好調でドルが買われる場面があったものの、112円44銭まで。112円台半ばは抜け切れず下落。
  • ユーロドルは小幅に上昇したが、1.17を挟む展開に終始。ユーロ円は131円70銭近辺まで続伸。
  • 株式市場はまちまち。ダウは3日続伸したものの、ネットフリックス株が急落したことで、ナスダックは20ポイント下落。
  • 債券相場は下落。長期金利は2.85%台を回復。
  • 金は続落し、1240ドル台を割り込む。原油価格も、サウジや米国の供給が増えるとの見方から大幅に反落し68ドル台に。
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 6月小売売上高 → 0.5%
 7月NY連銀製造業景況指数 → 22.6
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ドル/円 112.22 〜 112.44
ユーロ/ドル 1.1694 〜 1.1725
ユーロ/円 131.40 〜 131.70
NYダウ +44.95 → 25,064.36ドル
GOLD −1.50 → 1,239.70ドル
WTI −2.95 → 68.06ドル
米10年国債 +0.031 → 2.858%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 英 英6月雇用統計
  • 英 カーニー・BOE総裁講演
  • 米 6月鉱工業生産
  • 米 6月設備稼働率
  • 米 7月NAHB住宅市場指数
  • 米 パウエル・FRB議長、上院銀行委員会で証言
  • 米 企業決算 → ゴールッドマン、ジョンソン&ジョンソン

ドル円は112円台後半がやや重くなり、緩やかに下落してはいるものの、依然として112円台は維持しており、底堅い動きです。米長期金利が上昇し、小売売上高も、6月分は予想通りでしたが、5月分が「0.8%」から「1.3%」へと大きく上方修正され、米経済の好調さを物語っていました。

約1年ぶりに米ロ首脳会談がフィンランドのヘルシンキで行われました。両首脳の表情は硬く、和やかな雰囲気とはいえませんでしたが、今回の会談は冷戦終了後最悪の状況となっている米ロ関係の修復と、同盟国のEUとの関係が悪化している中で、あえてロシアとの関係を強化することで、EUをけん制したと見ることができるようです。11月の中間選挙にむけて、「実績」を作ることに全力を注いでいる印象です。最悪だったロシアとの関係を改善することが出来たとしても、一方で良好だったEUとの関係は、今や最悪と言えます。

本日はパウエルFRB議長が半期に1度の議会証言を行います。本日は上院銀行委員会で行い、明日は、下院金融サービス委員会で行うことになっています。依然として米景気は好調で、FRBの利上げ回数は、年内あと2回というシナリオは維持されると見られますが、中国を始め、EU、カナダなどとの貿易摩擦のリスクをどの程度反映した証言になるのかが注目されます。この問題に全く触れないことはないと思いますが、思いのほかリスクとして捉えていないようだと、ドルが再び買われ、113円方向に向かう可能性があります。

IMFは16日、世界経済見通しを発表しました。その中で、今年と来年の世界成長率を3.9%で据え置きましたが、貿易問題を巡る緊張の激化で世界的な景気拡大局面が腰折れしかねないと警告しています。すでに欧州や日本での成長が予想を下回り勢いが失われつつあるが、金融市場はリスクの高まりに油断しているようだとも指摘しています。(ブルームバーグ)貿易問題では米国が孤立しており、その割にはドル円も緩やかに上昇し、株価の方は戻り基調にあり、長期金利は高止まりしています。さらに安全資産の金も1240ドルを下回り、昨年12月以来の安値に沈んでいます。これらの市場の動きが楽観的すぎるとの指摘と受け止められます。

本日は昨日のNY市場と同じように、FRB議長の議会証言を控え動きにくいところでしょう。ただ、NY時間では証言内容次第では動きが出ることもあり得ますので、注意が必要です。予想レンジは112円〜112円80銭程度とします。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
6/6 プラート・ECB理事 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇
6/12 トランプ・米大統領 「金委員長は非常に才能のある人物。」「金委員長と多く会うことになるだろう」米朝会談後に。 ドル円、日経平均株価上昇
6/13 パウエル・FRB議長 「インフレが上振れするとわれわれが考えれば、当然ながら金利を引き上げることになるが、金融当局はそうなると考えていない」FOMC後の記者会見で。 --------
6/19 ドラギ・ECB総裁 「初回利上げ時期の決定について辛抱強い姿勢を維持し、その後の政策調整は段階的に行う」年次フォーラムでの講演で。 ユーロドル1.16台から1.1534まで下落
6/20 パウエル・FRB議長 「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まええると、FF金利の漸進的な引き上げえお継続する根拠は強い」ECB主催のフォーラムで。 市場はドル買いで反応
6/25 ナバロ・国家通商会議(NTC)委員長 「トランプ政権の通商政策は誤解されており、投資を制限する計画はない」 下落していたドルと株が買い戻される
6/26 ライアン・下院議長 不公平な貿易慣行に対抗する上で、「関税引き上げよりも良い手段がある」 ドル円109円台後半から110円20銭台に
6/29 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「われわれは経済の潜在成長力を拡大している。従ってインフレ的ではない」 ドル円小幅に下落
7/6 クーレ・ECB理事 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
7/8 ルメール・仏経済・財務相 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 --------
7/11 中国商務省 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和