2018年7月20日(金) 「ドル円トランプ発言に急落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は良好な経済指標を受け、113円18銭まで上昇したが、その後に急落。トランプ大統領がCNBCのインタビューでFRBの利上げに批判的な発言をしたことで112円05銭まで円高が進み、112円40−50銭で取引を終える。
- ユーロドルは1.15台後半まで売られた後反発。1.1679まで上昇したがその後は再び軟調に。
- 株式市場は反落。決算が予想を下回った銘柄を中心に売られ、ダウは134ドル安と、6日ぶりに下落。
- 債券相場はトランプ発言を受け上昇。長期金利は低下し、10日ぶりに2.83%台に。
- 金は約1年ぶりに1210ドル台まで下落し、その後やや反発。1224ドルで引ける。原油は続伸。
新規失業保険申請件数 → 20.7万件
6月景気先行指標総合指数 → 0.5%
6月フィラデルフィア連銀景況指数 → 25.7
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| ドル/円 | 112.05 〜 113.18 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1575 〜 1.1679 |
| ユーロ/円 | 130.72 〜 131.17 |
| NYダウ | −134.79 → 25,064.50ドル |
| GOLD | −3.90 → 1,224.00ドル |
| WTI | +0.70 → 69.46ドル |
| 米10年国債 | −0.031 → 2.838% |
本日の注目イベント
- 日 6月消費者物価指数
- 独 独6月生産者物価指数
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 企業決算 → GE
- 加 カナダ5月小売売上高
- 加 カナダ6月消費者物価指数
「トランプリスク」が再び顕在化し、ドル円はこの日の高値から1円以上も急落し、一時は112円05銭までドル安が進みました。週間失業保険申請件数が20.7万件と、実に1969年10月以来となる低水準を記録したことや、フィラデルフィア連銀景況指数も、予想を大きく上回ったことで、ドル円はNY時間朝方には113円18銭まで上昇しました。前日の高値である113円14銭を、僅かですが上回ったことで、重要な移動平均線である「200週線」をテストするのではないかという期待もありましたが、トランプ大統領の発言に1円以上ものドル安が進み、一気にセンチメントが変わり、冷や水を浴びせられました。
今回のドル上昇局面で、ドル円が「1円以上の深い下落」を見せたのは、約1カ月ぶりのことになります。昨日のこの欄でも、ドルの急落に「注意するにこしたことはありません」と書きましたが、今後もこういった予想外の動きはあると考えておくべきでしょう。
トランプ大統領はCNBCとのインタビューで、金融当局が借り入れコストを引き上げ、経済を減速させている可能性があるとして、「うれしくない」と述べました。また、「景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」と続けました。ブルームバーグ・ニュースは、このことに関して、「ホワイトハウスは長年にわたり、金融当局の独立性を尊重する立場から金融政策にコメントすることを避けてきたが、トランプ氏はこの伝統を破った」と、手厳しく批判しています。
トランプ大統領は、FRBのパウエル議長についても、「とても良い人物」と評価しています。ホワイトハウスは、トランプ氏の発言の後、「当然ながら、トランプ大統領はFRBの独立性を尊重している。大統領は自分で述べたように、パウエル議長をとても良い人物だと考えており、金融当局の政策決定に干渉しているのではない」との声明をメールで発表し、火消しに躍起になっていました。この発言に為替だけではなく、株式も債券も反応しましたが、発言のタイミングは予想できないとしても、トランプ氏は不動産業がなりわいで、多くの不動産を所有しています。そもそも多くの借入金がある不動産業は、金利高を嫌うものです。
ドル円は現時点では重要な水準である、113円30銭前後を越えることはできませんでしたが、まだドルの上昇基調は崩れていないと考えます。「日足」の200日線は110円12銭前後にあるため、この水準を上回っている限り、ドルの再上昇があると見ています。ただ、上で述べたように今後も「トランプリスク」は残っています。最大のリスクは「自動車の輸入制限」かと思いますが、米商務省は19日、国家安全保障を根拠とする自動車輸入制限を巡る調査に関して、公聴会を開きました。ロス商務長官は、自動車の輸入制限は既定ではないとしながらも、「トランプ大統領は米自動車業界が(輸入制限の必要性を)どれほど不可欠であるかを理解している」と発言しています。自動車輸入制限措置を本格的に検討したら、ドル円の下落は1円程度では済まないと予想されます。
ドル円は112円05銭から若干戻してはいますが、今日のところは戻りも限定的かと思います。下値は112円を維持できるかどうかでしょう。予想レンジは112円〜112円80銭程度と見ています。
今回、西日本を襲った集中豪雨では未曾有の被害が出ました。亡くなった方は200人を超えましたが、やはり高齢者が多かったようです。先週も述べましたが、日本は「少子高齢化」が急速に進み、このままではいずれ総人口の半分以上が60歳以上になるとか。その先には、急激な人口減少も予想されます。「働き方改革」とかいっても、若い女性が子供を生み、育てながら仕事を続けられる仕組みなんて、夢のまた夢。残された時間はそう多くはないのに「参院6増」など、やっている場合ではないでしょう・・・・。
チコちゃんの怒りの声が聞こえてきそうです。
「ボーっと生きてんじゃねえよ!」良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/6 | プラート・ECB理事 | 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 | ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇 |
| 6/12 | トランプ・米大統領 | 「金委員長は非常に才能のある人物。」「金委員長と多く会うことになるだろう」米朝会談後に。 | ドル円、日経平均株価上昇 |
| 6/13 | パウエル・FRB議長 | 「インフレが上振れするとわれわれが考えれば、当然ながら金利を引き上げることになるが、金融当局はそうなると考えていない」FOMC後の記者会見で。 | -------- |
| 6/19 | ドラギ・ECB総裁 | 「初回利上げ時期の決定について辛抱強い姿勢を維持し、その後の政策調整は段階的に行う」年次フォーラムでの講演で。 | ユーロドル1.16台から1.1534まで下落 |
| 6/20 | パウエル・FRB議長 | 「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まええると、FF金利の漸進的な引き上げえお継続する根拠は強い」ECB主催のフォーラムで。 | 市場はドル買いで反応 |
| 6/25 | ナバロ・国家通商会議(NTC)委員長 | 「トランプ政権の通商政策は誤解されており、投資を制限する計画はない」 | 下落していたドルと株が買い戻される |
| 6/26 | ライアン・下院議長 | 不公平な貿易慣行に対抗する上で、「関税引き上げよりも良い手段がある」 | ドル円109円台後半から110円20銭台に |
| 6/29 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「われわれは経済の潜在成長力を拡大している。従ってインフレ的ではない」 | ドル円小幅に下落 |
| 7/6 | クーレ・ECB理事 | 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 7/8 | ルメール・仏経済・財務相 | 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 | -------- |
| 7/11 | 中国商務省 | 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 | -------- |
| 7/16 | 共和党・マケイン上院議員 | 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 | -------- |
| 7/17 | パウエル・FRB議長 | 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 | ドル高、株高が進む |
| 7/19 | トランプ・米大統領 | 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 | ドル円113円から112円06銭前後まで急落 |



