2018年7月25日(水) 「ドル円111円を挟んでもみ合い」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は東京時間の夕方から下落し、NYでは再び111円を割り込む。中国の景気刺激策を受け、カナダや南アランドなど資源国通貨が対ドルで買われたことで、円も対ドルで上昇。その後やや戻して、111円台に乗せて引ける。
- ユーロドルは前日と同じく、1.17を挟んでもみ合い、方向感も掴めない。良好なドイツのPMIも材料にはならず。
- 株式市場は上昇。好決算を発表したテクノロジー株やヘルスケア関連が買われた。ダウは197ドル上昇、一方ナスダックは小幅に下落。
- 債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.95%を若干下回る。
- 金は小幅に続落し、原油は反発。
7月リッチモンド連銀製造業指数 → 20
5月FHFA住宅価格指数 → +0.2%
*********************
| ドル/円 | 110.96 〜 111.34 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1674 〜 1.1717 |
| ユーロ/円 | 129.78 〜 130.09 |
| NYダウ | +197.65 → 25,241.94ドル |
| GOLD | −0.10 → 1,225.50ドル |
| WTI | +0.63 → 68.52ドル |
| 米10年国債 | −0.006 → 2.949% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第2四半期消費者物価指数
- 独 独7月ifo景況感指数
- 欧 ユーロ圏6月マネーサプライ
- 米 6月新築住宅販売件数
- 米 米欧首脳会談(ワシントン)
- 米 企業決算 → コカコーラ、GM、ボーイング、VISA、フェイスブック
ドル円は再び111円を割り込む場面がありましたが、今回の下げは浅く、111円台前半でNYの取引を終えています。中国が貿易戦争による影響を軽減するため、国内景気を刺激する姿勢を鮮明にしたことや、トランプ政権が国内の農家に対して120億ドル(約1兆3300億円)規模の支援を実施することを発表したことが好感され、ダウが200ドル近く上昇。これが、ドルの下支えになったようです。
一方で、トランプ大統領の予測不能の「つぶやき」は止まりません。本日25日にはホワイトハウスで、トランプ大統領とEUのユンケル欧州委員長が貿易戦争阻止を目指して会談を行うことになっていますが、その前にも関わらず、「関税は最高にすばらしい」と述べ、米国の貿易相手国・地域が「公正な取引」の交渉をしない場合はさらなる関税を課す、と警告しています。(ブルームバーグ)ユンケル委員長は「大きな取引ないし提案は用意せずにホワイトハウスでの会談に臨み、問題解決のアプローチに関してトランプ氏の本心を探ろうとする見込み」とブルームバーグは伝えています。
ドル円は110円台では、そこそこの抵抗を見せますが、まだドルの上値は重いと見られます。ただ一部には、今週末の米4−6月期GDP速報値が再びドルの上昇材料になるといった見方もあります。アトランタ連銀が公表する「GDPNOW」では、直近の数値が「4.5%」と1−3月期の確定値「2.0%」を大きく上回っています。個人消費や投資分野が伸びていると、アトランタ連銀は分析していますが、すでに6月の小売売上高も「0.5%」と好調さを示しており、5月にいたっては「1.3%」と、絶好調でした。もし予想通りの結果であれば、米景気はさらに拡大していることになり、FRBの今後の利上げが正当化されることにつながります。その結果ドル買い材料となり、ドル円が再び112−113円程度まで上昇するきっかけになる可能性もありそうです。
ドル円は先週月曜日に、「週足」のレジスタンスラインを上抜けして始まったことはこの欄でも述べましたが、結局先週末のドル急落で「長い上ひげ」をつけて終わった形になりました。また、同時に113円18銭で直近高値をつけたことで、結局、2015年6月の125円86銭を頂点としたレジスタンスラインで上昇を抑えられたことにもなります。「日足」では依然として上昇傾向は保たれていますが、このまま下げるようだとこの「週足のレジスタンスライン」は非常に強い抵抗線だと改めて意識されることになり、上値を抜けるにはさらに時間を要することになります。
本日のドル円は110円70銭〜111円70銭程度を予想しますが、ホワイトハウスでの会談で、貿易戦争阻止の具体的な合意がないようだと、再び下値を試すことも予想されます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/6 | プラート・ECB理事 | 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 | ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇 |
| 6/12 | トランプ・米大統領 | 「金委員長は非常に才能のある人物。」「金委員長と多く会うことになるだろう」米朝会談後に。 | ドル円、日経平均株価上昇 |
| 6/13 | パウエル・FRB議長 | 「インフレが上振れするとわれわれが考えれば、当然ながら金利を引き上げることになるが、金融当局はそうなると考えていない」FOMC後の記者会見で。 | -------- |
| 6/19 | ドラギ・ECB総裁 | 「初回利上げ時期の決定について辛抱強い姿勢を維持し、その後の政策調整は段階的に行う」年次フォーラムでの講演で。 | ユーロドル1.16台から1.1534まで下落 |
| 6/20 | パウエル・FRB議長 | 「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まええると、FF金利の漸進的な引き上げえお継続する根拠は強い」ECB主催のフォーラムで。 | 市場はドル買いで反応 |
| 6/25 | ナバロ・国家通商会議(NTC)委員長 | 「トランプ政権の通商政策は誤解されており、投資を制限する計画はない」 | 下落していたドルと株が買い戻される |
| 6/26 | ライアン・下院議長 | 不公平な貿易慣行に対抗する上で、「関税引き上げよりも良い手段がある」 | ドル円109円台後半から110円20銭台に |
| 6/29 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「われわれは経済の潜在成長力を拡大している。従ってインフレ的ではない」 | ドル円小幅に下落 |
| 7/6 | クーレ・ECB理事 | 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 | -------- |
| 7/8 | ルメール・仏経済・財務相 | 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 | -------- |
| 7/11 | 中国商務省 | 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 | -------- |
| 7/16 | 共和党・マケイン上院議員 | 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 | -------- |
| 7/17 | パウエル・FRB議長 | 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 | ドル高、株高が進む |
| 7/19 | トランプ・米大統領 | 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 | ドル円113円から112円06銭前後まで急落 |
| 7/20 | トランプ・米大統領 | 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 | ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に |
| 7/20 | トランプ・米大統領 | 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 | ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。 |



