今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年7月27日(金) 「トルコリラ再び大幅下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は反発。東京市場の夕方、日銀の金融政策修正の思惑から110円58銭前後まで売られたが、その後海外市場が参入するに連れ上昇。NYでは111円台を回復し、111円25銭までドル高が進み、この日の高値圏で引ける。
  • ECBは理事会で政策維持を決定。量的緩和の年内終了と、2019年夏以降の利上げ見通しに変わりはなく、ユーロドルは1.1641まで売られる。
  • 株式市場はまちまち。ダウは3日連続で大幅に上昇する一方、ナスダックはフェイスブック株の歴史的下落が重石となりマイナス80ポイント。
  • 債券相場は小動き。長期金利は若干上昇したが、3%を目前に足踏み。
  • 金は反落し、原油は続伸。
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 新規失業保険申請件数 → 21.7万件
 6月耐久財受注 → 1.0%
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ドル/円 110.83 〜 111.25
ユーロ/ドル 1.1641 〜 1.1731
ユーロ/円 129.44 〜 130.03
NYダウ +112.97 → 25,527、07ドル
GOLD −6.10 → 1,225.70ドル
WTI +0.31 → 69.61ドル
米10年国債 +0.002 → 2.976%

本日の注目イベント

  • 豪 豪第2四半期生産者物価指数
  • 日 7月東京都区部消費者物価指数
  • 中 中国 6月工業利益
  • 米 4−6月期GDP(速報値)
  • 米 7月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

ドル円は昨日の夕方には110円58銭前後まで売られ、海外市場では110円台前半辺りのテストがあるかもしれないとの期待もありましたが、欧州からNYにかけてはドルが反発。111円25銭までドル高が進み、結局前日の水準で戻ってきました。

昨日のドル下落の引き金は、再び日銀の金融政策を巡る思惑でした。債券市場では10年物国債の利回りが急上昇し、1年ぶりに0.1%まで上昇しました。来週30、31日の決定会合で、政策の修正があるだろうとの見方が依然としてくすぶっており、これが長期金利を押し上げました。物価目標の2%は達成できず、緩和を導入して5年が経過しており、低金利による金融機関への「副作用」にも配慮するのではないかといった観測が強まっています。

「出口戦略を検討するには時期尚早」と、黒田総裁はこれまでに何度も繰り返してきたことから、現在の状況で政策変更を行う理由は見つけにくいと思われます。現行金融政策を維持しながらも、低金利継続による副作用を徐々に改善して行くといったコメントが発せられるのではないかと予想しています。会合は来週ですが、少なくとも黒田総裁の口から「修正」といった言葉やニュアンスが出るだけで、ドル円の下押し材料になると思われます。今回の会合は、久々に注目される金融政策決定会合になりそうです。

ドル円は再び111円台を回復してきましたが、昨日はドル円を買う目立った材料があったわけではありません。ユーロドルでドル買いユーロ売りが強まったことで、ドル円にも波及したものと見られますが、トルコリラが対ドルで大きく売られました。トルコで米国人牧師アンドルー・ブランソン氏が拘束されていることに関して、トランプ大統領は26日、トルコに対して「大型制裁」を科す考えを示しました。大統領は、「ブランソン氏は立派なキリスト教徒であり、家族思いの素晴らしい人物だ」とツイートし、「彼はひどく苦しんでいる。この信心深い無実の男性を直ちに釈放すべきだ!」と抗議しました。ブルームバーグによると、同氏はトルコで未遂に終わったクーデターを支援したとしてスパイ行為やテロ集団との共謀の罪で起訴され、2年近く収監されていましたが、25日に自宅軟禁に移されています。

110円台半ばを2度試し111円台まで反発したドル円は、短いチャートでは「ダブルボトム」を形成してきました。仮に110円台が底堅いとすれば、今後は110−112円のレンジ内で推移する可能性も出てきます。米中貿易問題の終息が見えないことや、上記日銀金融政策の修正観測もあり、足元ではドルの上値が重い展開が継続しています。上記2つの材料が極めて不透明なことから、動きにくい状況です。本日の予想レンジは110円60銭〜111円60銭程度を予想します。


スイスは生活費が高いことで有名です。このほどスイス最大の銀行であるUBSの調査でも、その実態が明らかになりました。調査によると、世界77都市で食費の最も高いのはジュネーブで、同時に住民の所得水準が最も高いのもジュネーブでした。そして2位に付けたのも同じくスイスのチューリヒです。高賃金と強い通貨、政治の安定、整備されたインフラ、そして豊かな自然があり、国連(UN)、世界銀行(WB)、世界保健機関(WHO)に赤十字など、国際機関が集まるスイスは、生活費は高いですが、豊かのようです。東京オリンピックまで2年を切りましたが、国際オリンピック委員会(IOC)本部があるのも、スイスのローザンヌです。確かに、レマン湖を望みながら飲んだシャンパンの味は、優雅なひと時でした。良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
6/6 プラート・ECB理事 「資産買い入れ策の緩やかな巻き戻しを正当化できるだけの十分な進展がこれまでにあったかどうか、この判断を来週の政策委員会で下す必要があるのは明らかだ」ベルリンでの講演で。 ユーロドル1.17台前半から後半へ上昇
6/12 トランプ・米大統領 「金委員長は非常に才能のある人物。」「金委員長と多く会うことになるだろう」米朝会談後に。 ドル円、日経平均株価上昇
6/13 パウエル・FRB議長 「インフレが上振れするとわれわれが考えれば、当然ながら金利を引き上げることになるが、金融当局はそうなると考えていない」FOMC後の記者会見で。 --------
6/19 ドラギ・ECB総裁 「初回利上げ時期の決定について辛抱強い姿勢を維持し、その後の政策調整は段階的に行う」年次フォーラムでの講演で。 ユーロドル1.16台から1.1534まで下落
6/20 パウエル・FRB議長 「失業率が低く、さらなる低下が見込まれ、インフレ率は当局の目標付近にあり、見通しへのリスクはおおよそ均衡していることを踏まええると、FF金利の漸進的な引き上げえお継続する根拠は強い」ECB主催のフォーラムで。 市場はドル買いで反応
6/25 ナバロ・国家通商会議(NTC)委員長 「トランプ政権の通商政策は誤解されており、投資を制限する計画はない」 下落していたドルと株が買い戻される
6/26 ライアン・下院議長 不公平な貿易慣行に対抗する上で、「関税引き上げよりも良い手段がある」 ドル円109円台後半から110円20銭台に
6/29 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「われわれは経済の潜在成長力を拡大している。従ってインフレ的ではない」 ドル円小幅に下落
7/6 クーレ・ECB理事 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
7/8 ルメール・仏経済・財務相 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 --------
7/11 中国商務省 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 --------
7/16 共和党・マケイン上院議員 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 --------
7/17 パウエル・FRB議長 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 ドル高、株高が進む
7/19 トランプ・米大統領 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 ドル円113円から112円06銭前後まで急落
7/20 トランプ・米大統領 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に
7/20 トランプ・米大統領 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和