今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年8月7日(火) 「ポンドドル11ヶ月ぶりの安値に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は値幅も出ず小動き。ドルに対してポンドが売られた影響で、ドル円でも円売りが優勢に。111円52銭までドル高が進んだが勢いもなく、111円30−40銭で取引を終える。
  • ユーロドルでもドル買いの流れが続き、欧州市場で一時1.1530までユーロ安が進む。NY市場では1.1537前後が底値だったが、再び1.15割れをテストする雰囲気に。
  • ポンドドルではフォックス英貿易相が国内紙とのインタビューで、英国が無秩序にEU離脱に向かっていると述べたことで、1.2920まで売られ、約11ヶ月ぶりの安値を付ける。
  • 株式市場は3主要指数が揃って続伸。バークシャー・ハサウェイの好決算を好感し、金融セクターなどが買われる。ダウは39ドル上昇し、2万5500ドル台を回復。
  • 金は反落し、原油は反発。
ドル/円 111.34 〜 111.52
ユーロ/ドル 1.1537 〜 1.1571
ユーロ/円 128.63 〜 128.88
NYダウ +39.60 → 25,502.18ドル
GOLD −5.50 → 1,217.70ドル
WTI +0.52  → 69.01ドル
米10年国債 −0.009 → 2.939%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 中 中国 7月外貨準備高
  • 独 独6月貿易収支
  • 独 独6月鉱工業生産
  • 米 6月消費者信用残高
  • 米 企業決算 → ディズニー

連日この欄には、トランプ大統領の名前が出てきます。今や、「カラスの鳴かない日はあっても、トランプ大統領の名前の出ない日はない」という状況です。本日も、まずはそこからです。

トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長による2度目の米朝首脳会談が開催される可能性が高いと、米CNNのウィル・レプリー氏がツイートしたとブルームバーグは伝えています。可能性は十分あると思います。前回の首脳会談では具体的な成果がなかったと言われ、米政権内からも批判の声が上がっています。トランプ氏とすれば、次回は単なるセレモニーに終わらせるのではなく、非核化への明確な道筋を確認したいという意向があります。

一方でトランプ氏は昨日、イラン核合意からの離脱に伴い対イラン制裁の一部を再開する大統領令に署名しました。この署名によって再開されるのは、イランによるドル紙幣購入や金などの貴金属取引、工業用金属の売買に関する制裁です。これに対してイランのロウハニ大統領は6日のテレビ演説で、米国が「誠実」な態度を示すならイランは交渉の可能性を排除しないと述べながらも、「制裁を科しておきながら、交渉を進めるということに何の意味があるのか」と発言し、さらに「相手にナイフを突きたてながら、『交渉しよう、話し合おう』と言うようなものだ。それに対する回答は、まずナイフを突き出すのをやめて、ポケットにしまえということになる」と述べています。(ブルームバーグ)

ドル円は上値が重いと思われる割には、大きく下げません。昨日の朝方も111円20銭前後までは売られましたが、そこからゆっくりと切り返してNY市場では111円台半ばまで反発しています。正直なところ、明確な方向性は見当たらないといった状況です。米長期金利も、2度目の3%台を記録したあとは、緩やかに低下しており、3%台定着は次回へ繰り越されています。このように考えると、今週は重要イベントがないこともあり、111円台での推移に終始しそうな雰囲気です。このような時は、「休むも相場」と割り切り、無理をせず相場を眺めるというスタンスでいいのでしょう。5銭、10銭を狙いに行って、30銭やられたのでは意味がありません。

本日の予想レンジは111円〜111円70銭程度にしたいと思いますが、相場の主役は引き続きトランプ大統領です。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
7/6 クーレ・ECB理事 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
7/8 ルメール・仏経済・財務相 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 --------
7/11 中国商務省 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 --------
7/16 共和党・マケイン上院議員 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 --------
7/17 パウエル・FRB議長 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 ドル高、株高が進む
7/19 トランプ・米大統領 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 ドル円113円から112円06銭前後まで急落
7/20 トランプ・米大統領 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に
7/20 トランプ・米大統領 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。
7/31 黒田・日銀総裁 「当分の間、現在の極めて低い長期金利の水準を維持する。物価上昇のモメンタムはしっかり維持されている」政策決定会合終了後の記者会見で。 ドル高進む
8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和