今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年8月8日(水) 「ドル円111円台でのもみ合い続く」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は売り先行で始まり、111円を若干割り込んだものの、長期金利の上昇を手がかりに反発。111円48銭までドルが反発し、111円30−40銭で引ける。
  • ユーロドルは6日ぶりに反発。前日1.1530まで売られたがこの日はドイツの経常黒字額が拡大したこともあり、買い戻しが進み、1.1608まで上昇。
  • 株式市場は揃って3日続伸。ダウは126ドル上昇し、2万5600ドル台を回復。S&P500は4日続伸。
  • 金は反発し、原油価格は続伸。
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 6月消費者信用残高 → 102億ドル
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ドル/円 110.99 〜 111.48
ユーロ/ドル 1.1583 〜 1.1608
ユーロ/円 128.77 〜 129.23
NYダウ +126.73 → 25,628.91ドル
GOLD +0.60 → 1,218.30ドル
WTI +0.16 → 69.17ドル
米10年国債 +0.034 → 2.973%

本日の注目イベント

  • 日 7月景気ウオッチャー調査
  • 日 6月貿易収支
  • 日 6月国際収支
  • 中 中国 7月貿易収支
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
  • 加 カナダ6月建設許可件数

昨日のNY市場では朝方、ドル円にやや動きが見られ、111円を割り込む場面がありましたが、直ぐに切り返し、結局前日と同じ水準で戻ってきました。111円台が上にも下にも抜け切れない状況が続いています。

トランプ政権の外交策では、相変わらず孤立化を深め、イラン核合意離脱問題では欧州との関係をさらに悪化させています。その意味では、ドル円でいつ急激な円高が起こってもおかしくはない状況ですが、111円台で極めて安定しています。しかし、もっと安定しているのが、米株式市場です。昨日もダウを始め、主要株価指数は揃って3日続伸しており、ここにはリスク回避の動きはまったく見られません。貿易戦争はリスクではあるけれども、差し迫ったリスクではないということなのでしょうか。

米国のイラン核合意離脱に伴う制裁は、昨日から一部発動されています。第2弾は11月上旬発動予定になっていますが、ここではイランとの石油取引や金融機関との取引も含まれ、かなり広範囲にわたることから、その影響は今回の比ではないと見られています。ボルトン大統領補佐官は、米FOXテレビに対して、「米国が11月にイラン産原油に再び制裁を科す計画で、それ以降も追加制裁を検討している」と述べています。この問題は中東全体の微妙な勢力バランスにも影響を与えるため、今朝の新聞ではシリアやサウジ、さらにはロシアや中国との関係にも影響が出ると伝えています。また、米中貿易戦争では「泥沼化」と言う言葉を引用していましたが、ここでも同じように「泥沼化」という言葉が使われていました。

オーストラリア準備銀行(RBA)は昨日の政策委員会で、政策金利の据え置きを決めました。これで、現在1.5%の政策金利は約2年間据え置かれたことになります。かつて8%近い政策金利を適用し、「高金利通貨」の代表の1つだった豪ドルに、もはやそのイメージはありません。既に米ドルにも金利で抜かれ、個人投資家も取り引きを手控えている状況です。そのため値動きも極めて安定しており、今年にいたっては、高値と安値の差は僅か4円しかありません。因みに、2016年では約15円もの値幅が観測されています。

本日もドル円は静かでしょう。米国株が続伸したため、日本株も上値を追うものと思われますが、それでもその際に、111円50銭を超えていけるかどうかではないでしょうか。予想レンジは111円〜111 円70銭程度と見ます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時     発言者     内容   市場への影響   
7/6 クーレ・ECB理事 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
7/8 ルメール・仏経済・財務相 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 --------
7/11 中国商務省 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 --------
7/16 共和党・マケイン上院議員 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 --------
7/17 パウエル・FRB議長 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 ドル高、株高が進む
7/19 トランプ・米大統領 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 ドル円113円から112円06銭前後まで急落
7/20 トランプ・米大統領 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に
7/20 トランプ・米大統領 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。
7/31 黒田・日銀総裁 「当分の間、現在の極めて低い長期金利の水準を維持する。物価上昇のモメンタムはしっかり維持されている」政策決定会合終了後の記者会見で。 ドル高進む
8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和