今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年8月15日(水) 「ドル円急反発し111円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は反発。前日110円11銭近辺まで売られたドル円はトルコリラの下落が一服し、株価も上昇したことで、111円31銭までドル高が進む。
  • ユーロドルは続落。イタリアの政権に対する不安もあり、引き続きユーロを売る姿勢が優勢。一時は1.1330まで売られ、1年1カ月ぶりの安値を記録。
  • 株式市場は反発。トルコリラに買い戻しの動きが出たことで、ダウは6日ぶりに反発。ダウは前日比112ドル上昇し、他の主要指数も揃って上昇。
  • 債券相場は反落。長期金利は小幅に上昇し、2.9%近辺まで戻す。
  • 金は反発し、原油は小幅に下落。
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  • 7月輸入物価指数  → 0.0%
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    ドル/円 110.76 〜 111.31
    ユーロ/ドル 1.1330 〜 1.1407
    ユーロ/円 125.80 〜 126.33
    NYダウ +112.22 → 25,299.92ドル
    GOLD +1.80 → 1,200.70ドル
    WTI −0.16  → 67.04ドル
    米10年国債 +0.020 → 2.899%

    本日の注目イベント

    • 英 英7月消費者物価指数
    • 米 7月小売売上高
    • 米 8月NY連銀製造業景況指数
    • 米 7月鉱工業生産
    • 米 7月設備稼働率
    • 米 8月NAHB住宅市場指数

    トルコに端を発した新興国通貨売りの波は一服となりました。トルコリラは6.85近辺の水準まで買い戻され、市場にはやや安心感が広がっています。ただ、それでも同国のエルドアン大統領の高姿勢は変わりません。同大統領は14日、テレビで放映された演説で「トルコに攻撃を仕掛ける者はコストを支払うことになる」と述べ、米国製の電子機器をボイコットすると発表しています。大統領はさらに、「米国にiPhoneがあるなら、他方にはサムスンもある」とし、トルコにもスマートフォンがあると続けています。(ブルームバーグ)

    トルコリラは昨日買い戻され、ここ2営業日で約2割下げた急落は一旦下げ止まりました。この日、トルコの主要経済団体が、政府に対して危機収拾を要請し、トルコ中銀に通貨危機による経済への打撃を抑えるよう働き掛けを強めたことが、リラ買い戻しを誘ったようですが、エルドアン大統領は米国に対する強気の姿勢を崩しておらず、トランプ大統領も、トルコへの最新鋭のステルス戦闘機の売却を凍結したように、さらにトルコに対する圧力を強める可能性もあります。米中貿易戦争に加え、これまで比較的米国寄りだったトルコとも厳しい関係に突入しました。トランプ政権のこれら一連の強気外交は、11月の中間選挙までは変わらないと予想されます。

    ドル円は前日110円目前まで円高が進みましたが、そこから1円以上も円が売られる展開となり、昨日は111円31銭までドルが買い戻され、また「元の水準」に戻ってきました。個人的には「上値が重い」と見ていますが、トルコリラの急落が一服すると、すかさず、良好な米経済に市場の目が移って行くということでしょうか。チャートの基本である「日足」に目を向けると、確かに、ドル円は下げたとはいえ、「雲の上」で推移しています。少なくとも、この「日足チャート」では売りのサインは出ていません。結局、110−113円のレンジ内での動きが続いていることになりますが、それでも上記トルコの混乱や米中貿易問題は、いつ円の急騰につながるかわかりません。そのため、依然としてドルの戻りを売るスタンスでいいのではないかと考えます。その水準は、現時点では111円50銭を挟んで上下30銭程度と見ています。

    本日のドル円は110円70銭〜111円60銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時     発言者     内容   市場への影響   
    7/6 クーレ・ECB理事 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    7/8 ルメール・仏経済・財務相 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 --------
    7/11 中国商務省 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 --------
    7/16 共和党・マケイン上院議員 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 --------
    7/17 パウエル・FRB議長 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 ドル高、株高が進む
    7/19 トランプ・米大統領 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 ドル円113円から112円06銭前後まで急落
    7/20 トランプ・米大統領 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に
    7/20 トランプ・米大統領 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。
    7/31 黒田・日銀総裁 「当分の間、現在の極めて低い長期金利の水準を維持する。物価上昇のモメンタムはしっかり維持されている」政策決定会合終了後の記者会見で。 ドル高進む
    8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって --------
    8/14 エルドアン・ドルコ大統領 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で --------
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    外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和