今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2018年8月17日(金) 「NYダウ400ドルに迫る上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • トルコに対する不安がやや後退したことに加え、米中貿易問題で対話の場が持たれるとの報道でドル円は反発。111円12銭までドル高が進み、その後やや押され、110円80−90銭で引ける。
  • ユーロドルも反発。前日1.13割れ目前まで売られたユーロは1.14台まで買い戻しが優勢に。トルコ情勢がやや好転したことで対円でも買い戻しが進んだ。
  • 株式市場は大幅に反発。ウォールマートの決算や米中通商協議の再開を好感し、ダウは400ドルに迫る上昇を記録。他の主要株価指数も軒並み上昇し、ほぼ全面高で取り引きを終える。
  • 債券相場は前日とほぼ変わらず。長期金利は若干上昇し、2.866%程度で推移。
  • 金は続落し、直近安値を更新。一時は1167ドルまで売られたが、1184ドル前後まで値を戻す。原油価格は反発。
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  • 7月住宅着工件数         → 116.8万件
  • 7月建設許可件数         → 131.1万件
  • 新規失業保険申請件数       →  21.2万件
  • 8月フィラデルフィア連銀景況指数 →  11.9
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    ドル/円 110.56 〜 111.12
    ユーロ/ドル 1.1348 〜 1.1409
    ユーロ/円 125.70 〜 126.49
    NYダウ +396.32 → 25,558.73ドル
    GOLD −1.00 → 1,184.00ドル
    WTI +0.45 → 65.46ドル
    米10年国債 +0.004 → 2.866%

    本日の注目イベント

    • 欧 ユーロ圏7月消費者物価指数(改定値)
    • 米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
    • 米 7月景気先行指標総合指数
    • 加 カナダ7月消費者物価指数

    昨日の東京の朝方には日経平均株価が300円を超える下げを見せ、ドル円も歩調を合わせるかのように、110円46銭前後まで円高が進みました。ところがその直後に、「中国商務次官が月内に通商協議のため訪米する」とブルームバーグが一報を伝えると、ドル円は110円台後半までドル買いが進み、株価は一時プラスに転じました。米中貿易問題の行方が如何に市場に大きな影響を与えているのかが分かる瞬間でした。NY市場でもこのニュースが好感され、ダウは400ドル近い上昇を記録し、ほぼ全面高の展開でした。ただその割にはドル円の上昇は111円12銭止まりで、物足りない印象です。トルコに対する支援を、中東オマーンが申し出たのに加え、昨日はドイツの援助の報道もありましたが、トランプ政権の強気の姿勢は変わらず、ムニューシン財務長官は「トルコが(米牧師を)即時釈放しない場合、さらなる制裁を計画している」と述べています。

    中国商務省がウェブサイトで掲載した声明によると、王次官率いる中国代表団は米国の招請に応じ、マルパス財務次官ら米当局者と会談するとあります。また協議の日程は今月22日と23日に予定されているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えています。(ブルームバーグ)米中貿易戦争は、両国が相手国製品に対してそれぞれ500億ドル(約5兆5000億円)の関税をかけるところまでエスカレートしています。さらに米国は2000億ドル(約22兆円)の追加関税を検討しており、その内容も発表しており、中国側もそれに対する報復措置を検討している状況で、終息の道筋が見えません。トランプ大統領が振り上げた刀を納める可能性は低く、結局中国側が何らかの譲歩案を示すしかありません。

    これに関してクドロー国家経済会議(NEC)委員長は16日、「中国が代表団を送ってくることは良いことだ。しばらく、こういったことはなかった」と語り、「知的財産権侵害と技術の移転強要の阻止を図り、関税と非関税障壁、割り当ての撤廃を目指すこの戦いを続けるトランプ大統領のタフさと意志を、中国当局は決して侮るべきではない」(ブルームバーグ)と、通商協議再開を歓迎しながらも、釘を刺しています。この協議で、中国側が米国をある程度納得させる、具体的な方策を示すことができるのかが焦点ですが、協議が平行線で終わることも頭にいれておくべきでしょう。中国銀行のアナリストも、「予断を許さないだろう。仮に高官クラスが合意に達したとしても、トランプ大統領がひっくり返す可能性があり、合意内容が変わり得る」と述べています。

    ドル円はほぼ昨日の予想した上限で止まりました。110円がかなりしっかりしているものの、111円台半ばから上下30銭程度のエリアが重くなっているのも事実です。材料的にはまだ円高に振れる材料の方が多いと思われます。それでもドル円が思ったほど下げないのは、先月の日銀金融会合でまだしばらく超低金利政策が継続されることが確認されたことで、日米金利差に着目した「円キャリー取り引き」が行われていることが指摘されます。米長期金利は3%台がなかなか定着しないとは言え、足元でも2.8〜2.9%程度で推移しており、かつての「高金利通貨の代表」であった、豪ドル、NZドルに比べても魅力的です。加えて、今回の「トルコショック」に代表されるように、「あまり高金利過ぎても」新興国通貨特有の流動性の問題もあります。「それならば、米ドルでも」といったところかもしれません。本日は米国株の大幅高を受けて、日本株も200〜300円程度の上昇を見込んでいますが、ドル円も底堅い動きが予想されます。レンジとしては、110円50銭〜111円50銭程度と見ています。

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    暦の上では「立秋」も過ぎ、8月も半ばを過ぎました。今年の暑さは悪別です。7月には埼玉県熊谷市で「41.1度」と、これまでの国内最高気温を塗り変えてしまいました。私も、根が暑がりなもので、家ではクーラーがフル回転。お陰で、風邪を引いてしました。もうあの40度に迫る暑さはないと思われますが、気が付けば夕方日が落ちるころ、近くの公園を散策すると、虫の音が聞こえます。まだまだ暑い日は続きますが、秋は確実に近付いている実感がします。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時     発言者     内容   市場への影響   
    7/6 クーレ・ECB理事 「(米国の保護主義を受けて)これまでのところ、われわれが見てきたことが景気回復を妨げる恐れはない」ブルームバーグとのインタビューで。 --------
    7/8 ルメール・仏経済・財務相 「(トランプ政権に対して)仮に、あなた方がわれわれを再び攻撃し、自動車メーカーに関税を課すようなことがあれば、われわれは報復すると警告しておく」経済フォーラムで。 --------
    7/11 中国商務省 「国家と人民の利益を守るため、中国は必要な反撃をせざるを得ない」米国の2000億ドルの追加関税発表に対して。 --------
    7/16 共和党・マケイン上院議員 「記憶にある限りで、米大統領として最も恥ずべき行為の一つだ」米ロ首脳会談について。 --------
    7/17 パウエル・FRB議長 「当面は、フェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げ継続が最善策だと考えている」議会証言で。 ドル高、株高が進む
    7/19 トランプ・米大統領 「(金融当局の利上げに関して)うれしくない。景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関して私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」」CNBCとのインタビューで。 ドル円113円から112円06銭前後まで急落
    7/20 トランプ・米大統領 「(中国人民元)石のように落ちている」「米国の通貨は上昇している、これにより、われわれが不利な立場に置かれているといわざるを得ない」CNBCとのインタビューで。 ドル円112円60銭付近からから112円28銭まで急落。日経平均プラス100円からマイナス204円に
    7/20 トランプ・米大統領 「中国やEUや他の国々は通貨を操作し、金利上昇を抑えている」「米国は金利を上げ、ドルは強くなり、われわれの偉大な競争力を奪う。引き締めはわれわれが成し遂げたすべてを傷つける」ツイッターで。 ドル円112円30銭付近からから111円38銭まで急落。
    7/31 黒田・日銀総裁 「当分の間、現在の極めて低い長期金利の水準を維持する。物価上昇のモメンタムはしっかり維持されている」政策決定会合終了後の記者会見で。 ドル高進む
    8/3 中国商務省 「米側が企業や消費者の利益を省みず事態をエスカレートさせており、中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」600億ドルの報復関税発表にあたって --------
    8/14 エルドアン・トルコ大統領 「トルコに攻撃を仕掛け者はコストを支払うことになる」TV演説で --------
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    外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和